映画の散文的感想?⑤ 「涼宮ハルヒの消失」
皆様
いかがお過ごしでしょうか
適度に恐れおののきながら細々と生きております
それくらいが丁度良いのかなって思います
久方ぶりの随筆の更新から伝えることを慣らして現在の連載作品「春の恋」の執筆に戻りたいと思います
少し執筆しているのですけれど、言葉がどうしても引き出すことができないので、随筆で思いの丈を書いてみます
結果、今回4時間くらいで4700文字くらい書けました
リハビリとして本調子ではないですけれど「文章」を「随筆」として紡ぐことができました
今回も少しでもどなたかの琴線に触れて頂ければ本望です
散文的な感想をネタバレにならぬよう細心の注意を払いつつお届け致します
では私のをかしを
徒然なるままに
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今回ご紹介する作品はアニメ映画です
憂鬱な日々が消失し、驚愕に至る
「涼宮ハルヒの消失」
原作
谷川 流
脚本
志茂 文彦
監督
武本 康弘
総監督
石原 立也
出演
杉田 智和
平野 綾
茅原 実里
後藤 邑子
小野 大輔
制作
京都アニメーション
あらすじに併せ、登場人物や世界観の簡単な説明
12月16日~17日まで普段通りに涼宮ハルヒに振り回されるSOS団のメンバー。特に物語の語り部キョン。
愚痴をダダ洩れにこぼしながらも何だかんだと楽しんでいた。
それもそのはず、SOS団のメンバーは超能力者の小泉、未来人のみくる、宇宙人の長門がいるのだから。
彼らの目的はSOS団、団長涼宮ハルヒその人である。
彼女を観察、監視すること。なぜならハルヒには世界全体に影響を及ぼす無自覚と無意識と直感による「神様」のような自分に都合の良い状況にしてしまう力があるのだった。
「普通に興味がない」「超能力者、未来人、宇宙人は私のところに来なさい」と入学初日に啖呵を切った涼宮ハルヒではあるが小泉、みくる、長門が超能力者と未来人に宇宙人であることは知らない。
そんな中でただの普通の人、キョン。本名ではなくあだ名。彼が涼宮ハルヒに目を付けられたことから、勝手に団員にされ、超能力者と未来人に宇宙人と神的存在との日常が「普通」の日々へと変わっていく。
しかし、12月18日
前日まで彼女が出来たと自慢して元気そのものだった同じクラスの谷口が風邪で苦しんでいた。違和感を拭えないまま学校に登校したキョンだったが、彼の後ろの席に座るのはハルヒではなく、全く持って「予想外の人物」だった。
突然の出来事に動揺したキョンは他のSOS団に助けを求めようとするが、超能力者の小泉は在籍していたはずの「9組」自体が「消失」みくるはSOS団ではなく、一緒にいた鶴屋さんもキョンのこともSOS団のことも知らない。
SOS団の部室でいつものように本を読んでいた長門を見つけるが、彼女は宇宙人ではない「普通の少女」の長門有希だった。
涼宮ハルヒが消失した世界でキョンは世界を改変した犯人探しと「元の世界に戻る、または世界を戻す方法」を探すのだが……
まずはこの映画、一見さんお断りだと思うのです。事前準備としてテレビシリーズ、または小説を読んでいることが前提なので、登場人物の関係性やSOS団それぞれの能力を知らないと面白くないです。
特に予備知識無しでは理解できないことを象徴するシーンですが、私は小説を読んで既に知っていたはずなのにハルヒの席に座ろうとする「予想外の人物」の登場シーンは全身が震えて涙が流れたほどの衝撃でした。映像と音楽、演出の完璧さが実写作品を超える出来です。
テレビシリーズ、または小説を拝読されてから作品をご鑑賞してアニメ映画の傑作に酔いしれて下さい。テレビシリーズの伝説「エンドレスエイト」は確かに同じ話を構図や演出、展開を少し変えるアニメでは画期的かつ実験的な挑戦で賛否ありますけれど、ループを丸々8話も使う贅沢すぎる演出に私は脱帽しますし、尊敬の念を抱いてやみません。
作品との出会いですが、ちょうど私が上京してから映画がやっていたのを池袋のサンシャイン通りで大きな映画ポスターを見た時です。その時の私は我武者羅にただ日々を送っていました。
都会がまるで私を汚すだけ汚して悲しくなったことを今でも覚えています。その時に、ふと映画館へっと云いたいところです。話題の映画、おススメと当時の友人にも口伝されました。しかし、私は涼宮ハルヒに触れることなく、彼女のことを受け流し気に留めることなく月日だけが当たり前に過ぎました。
そして数年の間に私は心と夢のスクラップアンドビルドを繰り返しながら仕事を続けていました。そうしてやっぱり少し壊れていて、仕事の長期連休とお盆が重なったので普段は帰省しない実家へ戻った時でした。
実家に帰省した時のお決りは、TSUTAYAで見れなかった映画を連休中に一気にレンタルして鑑賞することでした。そこでTSUTAYAのおススメコーナーに何気なく目を通しているとアニメコーナーで、2000年代の名作アニメがありました。
「一気見してみませんか?」の文句に、私は映画ではなく、アニメの一気見にシフトチェンジしたのです。
そこでお薦めされていたのは「妄想代理人」「らき☆すた」「化物語」「涼宮ハルヒの憂鬱」などでした。ちなみに私がレンタルして借りたのがこの4タイトルでした。
知っている方がいれば、このチョイスのヘンテコさを理解してくれるでしょうか(笑)
ちなみにどれも凄いアニメでした。アニメ作品を社会人になってから離れていた私にとって新鮮で、それでいてすぐに夢中になれるものでした。そうしてここでついに「物語」シリーズ、「涼宮ハルヒ」シリーズの原作、小説と出会うのです。
仕事でなかなか時間が取れないと言い訳をして小説を読むことを已めていた時期だったので、改めて物語を想像する喜びに親しむことができ、それから定期的に小説を読むことを社会人になって習慣にしていくのでした。
脱線しますが、後日談として「物語」シリーズ一気読みは大変でしたが、「化物語」は土日の休日二日がかりでしたが「傷物語」は一日で読んでしまいました。
テレビシリーズを今まで見ていなかった自分を本当に呪ってしまうくらいに出会っていなかったことに後悔しつつ、「涼宮ハルヒ」に夢中になり、その帯びた熱は「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」に「長門有希ちゃんの消失」へも向けられたのでしたが、それはまた別のお話。
それからアニメにもハマり、声優さんのことを知ったり、イラストレーターの方を知ったりとこの作品群をきっかけに知ったことが多くありました。
特にキョン役の杉田智和さん!
最初は何処かで聞いたことがあるなぁ
演技覚束無い感じがあるけれど好きだなぁ
キョン良いなぁー
良い声だなぁー
カッコ良い声だなぁー
そこから最終的にキョンの声優さん良いなに変換されました
何処で聞いた声だったのかとその答えは、親戚の子供たちが見ていたアニメ「銀魂」の「銀さん」だったんですね
「涼宮ハルヒ」をきっかけに杉田さんのプチ追っかけです
とりあえず、声を担当された作品は見ます
すみません、話を戻しますね。お盆を全て使い切り、一人の寂しい住まいに戻った私は原作を読んでから映画を見るか、映画を見てから原作を読むかの選択を迫られることになるのです。
すでに「消失」直前まで原作を読みました。「憂鬱」「溜息」「退屈」までですね、やれやれどうしたものかとその時の私は考えていたのですけれど、今はちゃんと派閥に入っていますよ。
作品によって原作は映画を見る前に読む派です。私の頭で展開、編集されたバージョンとの互換性を確かめ合うのです。作品によるというのは、何も知らないで見たいと思う作品は原作を先に読みません。
原作を先に読んでしまい失敗したのは
「スターウォーズ エピソード1 ファントムメナス」です
原作なので映画とは少し展開が異なる点や尺に収まらなかった詳細な物語の全貌が見えすぎて、映画本編を見た時の面白さが少し削がれてしまいました。
それでもとっても面白かったです。原作でも興奮して読み進めていたポッドレースシーンの没入感は映像ならではの圧巻でした。
新三部作の中で、旧三部作の娯楽性を唯一持った作品でしたね。スターウォーズは「ファントムメナス」から始まる新三部作、その真骨頂である拡大する「闇」を描く「エピソード2 クローンの攻撃」に私的スターウォーズ最高傑作「エピソード3 シスの復讐」に続くのです。
また脱線しました(汗)
今回の涼宮ハルヒの映画に関しては、冒頭で少しお話してネタバレしておりましたが、原作を先に呼んでいました。当時の若輩な私は、あの「予想外の人物」が登場するシーンの出来に、原作を読まないで見れば、もっと凄い衝撃を受けたのではないかと思ったのでした。
それはそれ、これはこれです。どちらの派閥に入ろうとも関係ありません。あの時は後悔したのかもしれません。それでも、はっきりと云えます、原作が後でも先でも、作品の感動は不変です。
解決への糸口に至る怒涛の如き展開、坂を全速力で駆け下りる素晴らしい音楽が添えられた映像に感動し、原作を読んだ時以上に感動した下校中の登場シーン。
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2」を思い起こされる未来と過去と現在の交差
あらゆる展開が素晴らしい形で良いツボを押さえてます
原作のエッセンスを具材として例えるなら、上手い具合に調味料と混ぜ合わせ調理したスパイスの効いた美味しい映画です
京都アニメーションさんの作品は作画が美しいことと物語も洗練された優美を併せ持った作品が多くあるように思います
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「聲の形」などなども素晴らしく、共感と切なさ、嫌悪の映し鏡であったり、憧れに対する切望のような作品が良いですね
共感と憧れへの切望は、感受性を持ち、琴線に多く触れた幼少から今まで続く人生の大部分なのではないでしょうか
相手に共感する、相手に共感してもらうことで他人と自分を隔てる壁を打ち消してくれます
憧れへの切望はいつまでも夢を追いかけたり、隣の芝生が青く見えたり、他人の幸せを妬み、羨ましがることもあるでしょう
それは創作作品すべてに通じているのかなって想い直してきました。小説やアニメ、映画、ゲームにおいて、いかにその世界に没入できるかは、この共感と憧れへの切望の二つに繋がるのではないのかなって
青春のセンチメンタルさとハチャメチャな若さの暴走、予測不能な展開と圧倒の果てに待ち受けるのは、心を締め付けるラスト。
まさにこの作品は一見さんお断りなのですが映画として秀悦です。これしかない、これしかありえないと思わせる音楽の出し方、場面の切り替え、どの方向から登場人物を見せるのか、その全てが完璧な構成の上で広げられる物語の躍動に感性が澄まされていく事だと思います。
是非、原作またはテレビシリーズをご覧になってからご鑑賞下さい。
その世界であなたは「キョン」でしょうか
「小泉」か「みくる」ですか
まさか「長門」?
それとも「鶴屋さん」
あ!「谷口」
いや「国木田」でしょうか
きっとあなたも「涼宮ハルヒ」に夢中になること請け合いです。
だって世界は彼女を中心に回っているのですから
素敵な物語との出会いのお手伝いができれば幸いです。
ではまた次回、お会いできれば嬉しいです
感想・評価・リクエストなど気軽にお寄せ頂けたら幸いです




