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短編集

星空の下で。

作者: 瀬谷このは

作曲が進まず、気分転換に外に出ると美しい景色が広がっていた。

何気なく始めた音楽をきっかけに同級生から作曲の依頼をされ断る理由もなく始めたが、

歌詞はなんとも言えないベタな内容でつまらなかった。それに合わせて作曲をしろというのだから苦難の技である。

それでも断る事も出来ずピアノの前に立ちはだかっていたが音が浮かんでこない。

そんなこんなで外に出ると頭上には一面の星空が広がっていた。息する事も忘れて見入ってしまった。

しばらくすると寒さを感じ一度家に戻ると上着とメモ帳と鉛筆それから暖かいミルクティーをポットに入れてここら辺で一番空に近づける灯台に向かった。

灯台にはこんな寒さのせいか誰もおらず、自分一人で星空を独り占めしているような気がした。灯台から見える星は冬の澄んだ空に際立っていて今になってもあの時より美しいものを見たことがない。

白い息と共に口から音が出てきた。もう見飽きたる程に目に焼き付けた歌詞が音を乗せて空気と共に空に放たれた。少々歌詞が変わってしまったがなかなかいいものになった。

目からは涙が溢れ出した。しばらくすると目の前に一人の少女が立っていて、ただただ笑顔でこっちを見つめていた。すごく綺麗で肩にかかるくらいの髪が風になびいて綺麗だった。

そのあとの記憶がない。起きると朝で家に帰っていた。一人暮らしで誰も一緒にいないからわからないが、おそらく一人で帰ってきたんだろう。昨夜見た少女は星が見せた幻覚だったのか、あれ以来同じ時間に灯台に行っても少女を見ることは2度となかった。

でもあの少女のおかげかもしらない。

あの日できた曲がネットで反響を呼び、今では依頼が殺到する程有名になれた。


いつかまたあの少女に逢えたなら何を話そうか。



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