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また明日〜ミヤコワスレ〜

新たな〇〇が、発見されました。

「また明日」



そう言って、私に背を向け家路に向かったあの子は、もう居ない。






「イヨちゃん、おはよ」

「………」

「……イヨちゃん…?」



登下校中、見知った背を見付け、声を掛ける。いつもなら、スグに返事をして、そのまま談笑する流れなのに、イヨちゃんは返事をしてくれない処か、無反応って感じだった。

私はムッとして、「そーゆう態度取るなら友達辞めるぞ?」と半分冗談、半分脅しで言うと、イイよ、と漸くの意思相通が……って、…えっ?



「イヨちゃん、イヨちゃん」

「じゃっ」

「!ちょっ…、待っ--」

「バイバイ」



僅かに振り返ったイヨちゃんの顔を見て、言葉を失った。

だって……如何して……何で………


イヨちゃんは、泣いていた。…いや。正確には、今にも泣き出しそうな、痛々しい顔付きだった。

引き留めなきゃいけない。本能か、己の「なにか」が警鐘を鳴らす。そう思ってるのに、足が地面に縫い付けられたかの様に全く動かない。


待って!

なんでそんな顔するの?

ねぇっ!イヨちゃんっ!!


言いたかった“それら”は、全てが言葉にならず、私の胸中に仕舞われた侭。







「っ……ハッ…、」



またあの夢、と呟いて、女性は上体を起こす。酷くうなされてたらしく、身体中が汗でビッショリ濡れてて気持ちが悪い。シャワーでも浴びたい。

しかし、現時刻にシャワーなど浴びれば、近隣から苦情を言われ兼ねない為、服を着替えるに留める。



「……イヨ、ちゃん…」



ここ最近、ある病気が世間を騒がせていた。

死に至る程の危険性は無いものの、医者が【認知症】と誤診してしまう程の記憶に関わる病で、年齢問わずに誰でも発症する為、政府も注意を呼び掛けている。しかし、見付かったばかりの病な為か、感染ルートが未だ不明。その為、街中を歩く人々の大半は、マスクを装着していた。


(もっと、早く、見付かってれば……)


夢に出てきたイヨちゃんという少女は、女性がまだ子供だった頃の友達だ。家を行き来する程には親しく無かったものの、学校ではいつも一緒にいた。

お互い、他の子と喋ったり遊んだりしても干渉せず、また張り合う仲でも無かった為、楽な付き合いだった。そーゆう間柄は、イヨちゃん以外、今も昔も出会ってない。



「…っ……なん、でッ………イヨちゃん、なの…?」



イヨちゃんは、【記憶後退症きおくこうたいしょう】という病により、女性と過ごした日々を憶えていない。--いや。正確には、女性との日々を“知らなかった”。






「記憶後退症」とは、発症以降、記憶が出来なくなり、症状が進行すると、赤子までの記憶しか残らない病である。現在の処、完治に到るまでの特効薬は無く、また、予防薬も無い。




ねぇ、イヨちゃん


あの時、貴女が泣きそうな顔をしてたのは、自分の記憶がくなっていくのを、悟っていたからですか?

お久しぶりです(^-^;



記憶改変病に纏わるオムニバス予定でしたが、タイトルが【私じゃ失くなる日。】なので、新たな病気の話の方がイイかなって--






……すみません(>_<)


記憶改変病だけだと、話が全く浮かびませんでした!!



サブタイトルの「ミヤコワスレ」は、この話のイメージに合う花言葉だな、と思い付けました(*^^*)

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