表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

【02】お兄ちゃんの話その2

 いやハイソックスなんてどうでもいい。


 彼女は僕を「兄」と呼んだ。


 僕の記憶が定かならば僕に妹はいないし初対面の女の子にお兄ちゃん呼ばわりされるなんて経験も……まあ一回あるけど。


 あれは特殊例だ、そんな初対面の年上の男は基本的にお兄ちゃん呼ばわりするような非実在少女が何人もいてたまるか。


「おいおい、僕に妹はいないんだぜ」


 確かに妹モノは好きだけれど、あれは妹がいないからこその産物だ。

 身内と行為に及ぶなんてぞっとするね。


 義妹は可。


 しかし彼女は僕の痛烈な拒絶、あるいは儚い願いを聞いてか聞かずか


「目の前の少女が初対面の年上の男の人はとりあえずお兄ちゃん呼びする可能性を考慮しないなんてお兄ちゃんもまだまだだね!」


 などとぷくーっと頬を膨らませて宣いやがる。

 なんかもう色々ぶん投げて帰りたくなってきた。


 が、あの魔導書があって僕がこの場にいるってことはなんと200年振りに僕が召喚されたと言うことだ。

 

 ならば悪魔として何かしらの願いを叶えるのが今回のミッションなんだろう。

 もっとも僕は最強なのでそんなルール力づくで無視してじゃあさよならって出来るし、したことも無いとは言わないけれどそれはあまり好まない。


 なんていうか大人気ないし誠実じゃないような気もする。


 なんでも出来るとなんでもするはまた別の話だ。


「大人気ないと人気が出ないをかけてるんだね!流石だよお兄ちゃん!座布団一枚!」


「そんな恐ろしくつまらねーこと言ってねーよ!?」


「あれ?お兄ちゃんなら『第一そんな大人気ないことしたら大人気になれないじゃないか』みたいなこと言うと思ったのに、読み違えちゃった!」


 頭をよぎったけれど流石に陳腐だと思って言わなかったのは内緒。


 ナチュラルに人の思考を読む……のは彼女の能力なのか読み違えたってことは単に推理してるだけなのか。


「僕を呼び出したってことは願いがあるんだろ?じゃあ人間、もとい自称妹よお前の願いを代償ともに叶えてやろう、ほらさっさと言え」


「あれ?帰ろうとしてる?まだ嫌だよ!妹トークしようよ!いつもみたいに妹と妹のトークしようよ!」


「妹をトークしたこともねーよ」


「じゃあ初体験だね!私もお兄ちゃんと妹トークしたことないから初体験だ!お兄ちゃん!妹の初体験あげる!」


「いらねーよ」


「じゃあ妹のハイソックスあげる!」


「もう貰ったよ」


「妹トークしてくれたら右側もあげるよ!」


「……」



いもうと(じしょう) の ハイソックス(みぎ) を てにいれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ