006♪海、笑顔、そして…
―宿、荷物、そして―
純也に電話をかけると、皆は海に行ったらしい。
宿の場所を聞き出し、一旦荷物を置くために宿に向かった。
「宿ってどこなのかな〜?」
2人で探すがそれらしき宿が見つからない。
「この辺らしいんだけど…」
近くに民家らしきものが1つあるだけで、他に宿らしきものがない。
「場所まちがえてんのかな?」
「そこの家に聞いてみようよ!」
中上はそういうとこちらの反応をまたず、民家のチャイムを鳴らした。
「ハーイ」
玄関から和服姿のおばさんが出てきた。
「あらあら、もしかして貴方達が、上谷君とお連れさん?」
この一言でココが宿だということが判明した。
「ココって宿なんですか?」
中上が失礼なことを聞きだす。
「普通の家に見えるかもしれないけど、ココも立派な宿よ?」
おばさんにこの宿の経歴を聞かされて一時間程して、やっと荷物を部屋に置くことが出来た。
「次は海だね!!」
―海、水着、そして―
海に着くと今日は客が少ないらしく、数人の人しか泳いでいないようだ。
そのなかに、奴らを見つけた。
「あそこだね」
中上は嬉しそうに皆のところに向かった。
俺も急いで後を追った。
「っあ!やっと来たよ!!」
平木がこちらに気づき、視線が集まる。
「神谷と一緒にいる奴誰だ?」
純也の疑問に利賀が答える。
「やぁ〜、やっぱりコレでしょ!!」
小指を立てて嬉しそうにしている。
「来ないんじゃなかったの?そのこ」
春香は不満そうに言うが、利賀が再び質問に答える。
「それはやっぱり、上谷が強引に連れてきたんだよ、夜逃げって奴かな?」
絶対に違う…皆の心がそうシンクロした。
「皆紹介するよ、この子は、俺達と同じクラスの中上 千鶴」
皆がいっせいに驚く。
そして同時に疑問が浮かんでくる。
いつもは学校に来ないのに、何故今回この企画にきたのか…
しかしそういう空気ではないので、誰も聞こうとはしなかった。
皆の紹介もし終え海で泳ぐことになった。
しかし、中上は水着を持ってこなかったらしく、足だけ海に入り、皆と楽しんでいた。
その時の笑顔はとても忘れられない、最高の笑顔だった。




