003♪彼女の家、治療、そして…
―治療、緊張、そして―
彼女の家はいつも外側から見ていた。
けど、中に入るのは初めて。
俺のハートビートがうなりをあげ始める。
「…大丈夫?」
作り笑いでその場をごまかす。
変な奴って思われたかな?
彼女は救急箱を棚から取り出すと、消毒液を怪我した腕に塗り始めた。
「イッ!」
消毒液が、傷口に沁みる。
優しさが、心に沁みる。
俺って今幸せな気がする。
「…?」
彼女は不思議そうに俺の顔を見つめると、怪我の処置を終えた。
「はい終わり!」
2人でソファーに座りこみ、沈黙の時が流れる。
あれ?もしかして俺って帰った方がいいのか?
でもタイムミング絶対逃してるよな…
『あのさ!』
2人同時にハモル。
うっわー、こういうときの対応の仕方習ってねーよ?俺。
先に彼女が口を開いた。
「その制服って、光桜高校のだよね?」
何だそんなことか…
「えっ、うん、そうだけど…君はどこ中?」
彼女は急に頬を膨らませる。
「こう見えても現役女子高生です!アナタと同じ高校のね!!」
―光楼、彼女、そして―
驚きを隠そうにも隠せない。
どう見たって中学生だ…
「アナタは何年何組の誰なの?」
そういえば自己紹介してなかったな。
「3年6組、上谷 優渡」
「えっ!えぇ!?同じクラスだ!!」
えぇ!!それはこっちの台詞だ。
ということはコイツ…
「私も3年6組、中上 千鶴」
やっぱり、全然学校に来ない中上か!!
けれども、そんなの関係ない。
誰であろうと俺は、この子に恋をしてしまっているのだから。




