前夜(?)祭
俺の部屋の中に週5で聴く耳障りの音が響いた。
「うるせぇ!!」
また思わず目覚まし時計をぶっ飛ばしてしまった。
「うるさい!!」
下から怒鳴り声が聞こえた。
制服に着替えて下に降りた。パンを頬張りコーヒー牛乳を飲む。今日はマエモトに悪戯をするため早く学校へ向かった。アイツは学校に来るのが早い。いい迷惑だ。玄関で靴を履き、ドアを開けた。
「行ってきまーす!!」
「…行ってらっしゃい」
カケルが私の前から消えた。この3日間、きっと色んな体験をするに違いない。でも大丈夫。私の息子だもん。
いつの間にか涙が出ていた。パパが私の肩を抱いた。
ああ。大丈夫だ。俺とお前の息子だ。信じろ!!
ヤダ、パパも泣いてるじゃない。
学校に着くと意外と人がいた。自転車を自転車小屋に止めて、周りを見渡した。こんなに早くついたのは初めてなのでこんなもんか、と思った。
すでにアイツらは揃っていた。
「隊長~遅いっすよ~」
「俺は時間通りに来たんだが…」
「お前…結構真面目だな」
ユタカがうつむいて爆笑している。声はでていないが爆笑してる!!
「お、マエモト来たで…であってるよな?」
いや、心配になるなら関西弁使うなっとみんな思ったがマエモトに悪戯を仕掛けるため無視した。ショーゴは悲しい顔をしていた。マエモトは自転車で来ていた。ここまでは計画通りだ。
「よし、パンクさせるか。もしくは…」
マサキが長々と俺らでも引くようなことを言い続けだ。本当にこいつは最低ヤローだ。それより今はマエモトへの悪戯だ。
「いいか。まずユタカと俺はマエモトを引き止めるから、ショーゴはマエモトの上履きの裏に両面テープを付けてこい。そしてコウタあいつの机の上にこれの箱を置いてこい。んでマサキは。先生が来ないように見張りな。OK?」
「OK!!」
全員が声を揃えて言った。
「作戦実行!!」
まずマエモトを引き止めなくてはいけない。
「おいマエモ…」
話掛けけようと思ったときだった。ユタカが俺の肩を叩いた。振り向くとユタカが口を開けて指差していた。指差す方向に首を曲げるとうちの制服を着ている女がいた。
「ヤッベ、マドカだ!!」
マドカ。風紀委員の一人。幼なじみで俺らの天敵。悪さが見つかるといつもあいつの説教を一時間聞かされている。こんな早い時間に俺らが来てるのは不自然だ。見つかってはいけない。
マドカは歩きなので自転車を止める自転車小屋には来ない。直接下駄箱へ向かう。マエモトがマドカに挨拶する。そこで気付いた。マエモトを引き取めることと、アイツらがマドカに気付いていないことを。
忙いで下駄箱に向かうとマエモトが教室に向かう様子とアイツら、いやコイツらが目の前で寝転んでいた。マドカの転んでいる姿と真っ白パンツも一緒に見えた。
全員マドカに顔面パンチされ鼻血を出していた。マドカはそのあとどこかへ行ってしまった。
「あの~隊長~。隊長が鼻血出してるのってパンツとパンチのダブルパンチのせいですか~?」
「うっせ!!大体何故こんなことになっなんだ!!」
「え~とですね~…まず~俺らが玄関入ってきて下駄箱に向かうとポッケに瞬間接着剤があって~靴の裏には~これのほうがいいんじゃね~?と思ったんですけど~ショウゴが使いたいっつ~から貸して~帰ってくるのを待ってたら~マエモトとマドカ来て~ショウゴが蓋開けっぱで来て~マサキが家の鍵こっちに落とした~つって来て~全員激突したんですけど~マエモトだけが~生き残って~ショウゴがムカついて~マエモトのケツに接着剤付けて~ご覧のありさまで~す。」
「ショウゴ。箱置いてきたか?」
「あたりまえやんけ!!でっ結局あの箱の中は何が入ってるん?」
「カエル」
「カエル?」
ユタカが聞いた。
「マエモトカエルが一番嫌いらしくてなー。」
「お前酷いな!!」
マサキが言った。お前よりマシじゃ!!
チャイムが鳴り響いた。そこでもうこんな時間かと気付く。
「全校生徒は体育館に集合してください。」
放送がかかった。これが馬鹿狩りの始まりだった。




