天国?
わたしは部屋を出ると、
別の仮面の案内に導かれ…
滝の前に連れて行かれた。
「じゃ、あそこをくぐってください」
わたしが不安な顔をすると、
「大丈夫、濡れたりしませんから」
仕方なく言われるまま、滝をくぐる。
ほんとだ、たしかに濡れてない。
その中は真っ暗。
ただまっすぐに進んでいく、わたし。
すると…
光らしきものが小さく見えてきた。
少し早足に進む。
明るい光がわたしを包んでいき…
滝をぬけて、目の前に現れたもの。
それは普通すぎて驚きさえわかない、
前世に見てたときと変わらない光景。
ここが、天国?
ほんと、現世にそっくり。
じっくりと街並みを見渡す。
んっと…
やっぱり、どこか違うのかな。
空気が、ゆったりと流れている感じ。
騒々しさ、ざわざわしさがここにはない。
街中なのに、まるで森林に迷い込んだみたい。
時間という定義がないために…
すべてがゆっくりに見えるの?
これが永遠ってもの?
わたしは、街を歩きながら天国を観察。
地図も何もない。
ここがどこか、わからない。
知ってる人も、もちろんいない。
だけど、何の不安も抱かない。
そんな空気が包みこんでくれる。
ふと気づいたんだけど…
目に入ってくるのは子供や若い人間ばかり。
老人が見当たらないよ?
ここでは外見はあくまで付属。
自分の自由にできるから…
みんな人生で一番、楽しかった姿のままなのか。
子供が多いのも、きっとそのためね。
じゃ、わたしは…
あの高校のころが、一番楽しかったんだ。




