人間的
変わらず、淡々と話す。
「冷たいと思いますよね? きっと人間にはこんな風には裁けません。心が、つい邪魔をするでしょう…あなたみたいに」
「……」
じゃ、あなたは何様のつもり?
「心あるものに、この仕事はできません。地獄と言われて何人が泣きついたか、激怒したか。 どれもあわれな姿でした。でも、それに流されては裁判官失格です」
あの女の子もきっと泣き叫んだに違いない。
いや、その前に地獄に送ったのだろうか。
そういえば…泣き声はしなかった。
「他の生き物たちはそんなことしません。素直に従うだけです。人間だけが悪、いや、わかりやすく言うと自分勝手な気持ちが勝つため、それを消せないんです。特に最近の人間には多いですね。自分は一番、自分だけは特別って、そんな錯覚の中で育っていくため、仕方ありませんが…」
まるでどこかの教師みたいに話を進める。
「でも、あなたも前は人間だったんでしょ?」
「ええ。でもここに来て、この仕事についてるうちに…心はすっかり抜かれて、今じゃロボットみたいなもんです」
ロボットか…
ロボットには子供も大人も動物も関係ない。
同じにしか見えないってことね。
わたしには到底、理解できないけど…
あの少女にはまだ両親への憎しみがあった。
事故でなく殺意で両親を殺した。
で、いなくなって寂しかったけど…
また天国で会えることがわかった。
また会って殺すことができる。
だから、嬉しそうだった。
そうロボットの頭は計算したってことか。
それが事実なら…
悔しいけど、わたしにはもう反論できない。
まだ、わたしには心があるんだし、人間的な判断しかできないから。
続ける言葉が見つけられないでいると、
ロボットの口が動いた。
「さて、そろそろ本題に入りましょうか」
と言ってわたしへの尋問が始まった。




