第八話
「これでホームルームを終わる」
ホームルームも終わりいよいよ戦争再開か・・・
確か期限は5時までだったはずだから・・・これから1時間ずっと戦闘しなきゃいけないのか・・・
面倒くさいな・・・
とりあえず生徒会室に行くか・・・
「京介くん、生徒会室について行くよ」
クラルを連れて・・・
二人で階段を上る
目の前には風紀委員が三名。どうやら待ち伏せをくらったようだ・・・
校章を見る限り相手は3年生だ
相手になるとは思えない
「君たち其処をどけてくれないかな?」
少しやさしめに言う
「そうしたいんだけれど、こっちにも事情があってね!!」
あいては今にも襲い掛かりそうな剣幕で言って来る
・・・これは話し合いじゃ結論が付きそうに無いな・・・
やっぱり最後は実力だよな・・・
「そうかよ・・・だったら実力でどけるまでだ・・・」
「「「魔具発動!!」」」
相手の魔具が現れる
それにしても・・・トンファーって使いづらくないか?
よく風紀委員はこれを常備するようにしたな・・・
おっと・・・考えている暇は無いな・・・
相手の一人が急接近してくる
刀では超近接戦闘は不利だと考えたのか?
しかしそれでは考えが甘い
急接近してくる相手に対し真上から刀を振るう
当然のように其処からできたがら空きの懐を相手は狙う
まさか、俺がこうなることを予想していなかったとでも言うのか?
「甘い!!」
相手の風紀委員が吹っ飛んだ
どうやら相手は何が起きたかわからないようだ
俺はさっき刀を大きく振り隙を作った
相手はその隙を利用し俺の懐に入ってきた
しかし俺はこれでも実技で学年1位を取った奴だ
そこから刀を降り戻し相手の腹に当ててふっとばす事など簡単だ
俗に言う『ツバメ返し』かな・・・
どうやらうまくヒットしなかったようで相手はすぐに立った
昼の2年生とは違ってタフだ
まあそのほうが戦いやすいかな・・・
弱いもの虐めに為らないからな
ちょっと本気見せようか・・・
三分後
3年生三人をようやく倒した俺たちは生徒会室に到着した
それと同時に聞こえる放送
内容は・・・
『我々図書委員は風紀委員に宣戦を布告します』
『我々保健委員は風紀委員に宣戦布告致します』
『我々環境委員は図書委員に宣戦布告します』
『我々広報委員は生徒会執行部に宣戦布告します』
各委員会の戦線布告のオンパレードだった
しかもところどころおかしかったような・・・
とりあえず生徒会室に入る
ガララララ
生徒会室の中には
デュートリヒさんとヴィルヘルムさんとコンティーヌさんとクルトとアリスと
ジャンナさんがいた
「お前たちも無事到着か・・・残りは来そうにないし話を進めるか・・・」
デュートリヒさんが仕切る
「待ってください。一つ疑問があるのですが・・・事前に聞いていた情報と実際の現象が全然違うのですが・・・」
「そのことについても話す、とりあえず座れ」
「現在の状況を確認する。現在は図書委員を味方に付けることには成功したが、逆に広報委員が敵に回ってしまった。だから作戦を練り直す。まあ俺たちの目的は華欧を倒すことだけだ。だから誰が味方に付こうとたいした問題ではないな」
「華欧は強いぞ・・・戦ってみると分かる」
ヴィルヘルムさんが華欧の強さを皆に教えている
さて俺はどうしようか・・・
「作戦はこうだ・・・」
デュートリヒさんが作戦を提案する
「これがうまくいくかな・・・」
「うまくいったら勝てますわね・・・」
「・・・俺たちにかかっている・・・」
「とりあえずジャンナとクルトは3階への階段を占拠してくれ
「気安く俺の名前を呼ぶな!!」
クルトがいきなり怒り出した
どうやらこの二人かなり仲が悪いようだ
「では皆戦闘配置についてくれ。作戦開始だ!!」
俺たち(天和、クラル、ヴィルヘルム)は3階に降りる
3階のA棟は完全に風紀委員に占拠されている
俺たちはこの3階の守備隊を倒すことが目的だ
「気を抜くなよ、ここからは上級生がいっぱいだ・・・」
ヴィルヘルムさんが忠告する
いままでは同級生や下級生とばかり戦っていた
唯一勝てた4年生も皇聖院と二人掛かりだった
俺、本当に戦力なるのか?
「其処を通せ!!」
「ここは死守する」
どうやら階段でも戦闘が始まったようだ
いつまでも突っ立っているわけには行かない
「行きましょう。ヴィルヘルムさん」
見る限り相手の風紀委員は10人近くいる
・・・ちょっと多すぎじゃないか・・・?
「ふむ、まずは先輩の実力を見せてやるか・・・お前ら見とけ・・・」
そういってヴィルヘルムさんが前に出る
「お前ら、だったら一人で十分だ。来い」
珍しい、ヴィルヘルムさんが相手を挑発している
「なめてるのか?」
「上等だ!!」
相手の反応もごもっともだ
10人相手に一人で十分だというのは無理がある
「「「魔具発動」」」
「来たれ火の精霊よ、我にあだなす者を焼き尽くせ」
「来たれ土の精霊よ、我にあだなす者を砕け」
魔法が一気に放たれる
これはヴィルヘルムさんピンチ?
「来たれ風の精霊よ、我を守る盾となれ」
ヴィルヘルムさんの前に巨大な風の壁ができる
風紀委員の放った魔法は風の壁に当たるとそのまま消えていった・・・
これがヴィルヘルムさんの実力・・・
華欧戦では手も足も出ずに弱いようにも見えたが紛れも無いこれが6年生次席の実力だった
その後もヴィルヘルムさんが暴れまくり
俺が何かすることもなく敵の風紀委員は一掃された
すごいな・・・
これで風紀委員執務室までの道のりは敵がゼロだ
俺たちはこのまま風紀委員執務室へ向かう
このまま華欧を倒したら俺たちの勝ちということになるのかな?
だったら簡単なことだ
いくら華欧が強いといっても生徒会執行部の主力が集まれば倒せないほどではない
今までの苦労が嘘のようだ・・・
廊下を走り出す
「止まれ」
俺の幸せな妄想?を邪魔したのは廊下に立つ一人の生徒だ
あれは風紀委員会副委員長だ・・・
「これ以上は通せませんね、ここでやられてください」
「お前では勝てない・・・其処をどけろ」
「なめられたものですわね、私があなたに劣るとでも?」
「お前は5年生だろう・・・クラリスに勝てないような奴に俺は負けない」
「言ってくれましたわね・・・では私の実力を見てもらいます・・・・・・魔具発動」
二人が魔具を構える
しかしあの副委員長強いのかな?
先ほどの会話ではそんなに強そうに見えなかったが・・・
・・・というかさっきから俺たち活躍無いな・・・
「近衛隊は後ろの二人を狙いなさい!!」
おっとどうやら俺たちも狙ってくれているようだ・・・
副委員長の後ろから新手の風紀委員が現れる
数は10人くらいだろうか・・・
近衛隊とだけあって強い人の集まりなのだから勝てるか分からない
結構ピンチである
しかし俺にとってはそんなことよりも相手にしてもらえたのが少し嬉しかったというのは秘密の話である
「・・・・・・・・・・・お前はあのときの・・・」
どこかで聴いたような声がする
はて?一体どこだろうか?つい最近の気がするんだが・・・
声がした方向に顔を向ける
そこには金髪、碧眼、細目の男がいた
・・・思い出した
前戦った風紀委員だ
なるほど・・・近衛隊だったのか・・・
通りであれほど強いわけだ・・・
「あの時の借りを返してやる」
相手が殺気をビンビンと放ってくる
この前一人で勝てなかった相手だ
今度は一人で勝ってやる。油断はしない
「「魔具発動」」
戦闘が始まる
横を見るとクラルも戦闘を始めていた
「余所見か・・・いけないな・・・」
しまった!!
相手のトンファーがものすごい速さで懐に入ってくる
そしてそのまま俺の腹にヒットする
ぐふぁ・・・・
俺は軽く吹っ飛ばされた
これは痛い・・・結構くるものだ・・・
そこに間髪いれず相手の二撃目が来る
さすがに何発も喰らってやるほど俺はお人よしではない
すかさず刀でそれを防ぐと詠唱を開始する
足元に赤い魔法陣が浮かび上がる
「来たれ火の精霊よ、我にあだなす者を焼き尽くせ」
それが相手にヒットする
相手は痛そうにもだえながら詠唱する
足元に青い魔法陣が浮かび上がる
「来たれ水の精霊よ、我にあだなす者を呑み込め」
よくあの状態で詠唱したものだ・・・
しかし防ぐことは容易だ
足元に茶色い魔法陣が浮かび上がる
「来たれ土の精霊よ、我を守る盾となれ」
足元から大地(校舎)が盛り上がり盾を作った
前回の敗戦?以降俺はこの人に勝つために魔法を強くした
攻撃パターンも大体読んでいる
これなら相手に勝つこともできそうだ
近接戦に持ち込む
魔法で勝っていても相手を倒すには魔具での直接ダメージが一番なので
相手に接近する
ここからは単なる肉弾戦だ
二人でかなり速い速さで戦う
傍から見れば互角に見えるかもしれないが
内容は若干俺が押してきている
そして相手のわずかな隙を狙い思い切り斬る
しかし俺の斬撃は飛んできたトンファーで止められた
「其処までだ。お前はもう終わりだ」
残りの風紀委員が参加してきた
どうやら仲間がピンチになってから下級生相手でも多人数でくると言う
先輩にしては情けない奴らのようだ・・・
「形勢逆転だな・・・」
さっき戦っていた風紀委員も体勢を立て直す
本当に形成が逆転してしまった・・・
これで人数は4対1だ
1対1でもこんなに苦戦?したんだ
4対1だったら勝てるわけが無い
ヴィルヘルムさんは副委員長(他二名)と戦っているし
援軍はきそうにない・・・
俺たちだけでバトルしかないのか・・・・
・・・・・・・・・これはやばくないか・・・・・・・・・・・