第六話
・・・・・・・・・・・・・・・
おい・・・・・・・・・・・・・・
おい、起きろ・・・・・・・・・・・・・・
・・・?・・・朝か・・・・・・
「ふぁぁぁぁぁ」
おおきな欠伸と共に体を起こす
そこには・・・パソコン片手に目にクマをつけている男が二人いた・・・
一人は親友のライン、もう一人は昨日始めてあったクラスメイトの浪川だ
この二人昨日俺が寝るときに「まだ早いぜ」・・・みたいなことを言っていたが
どうやら徹夜でパソコンをしていたようだ
「どうやらネトゲーをしていたら朝になっていたようだ・・・」
「もう朝か・・・」
この二人、なんて奴らだ
前、はまり込むとやめられなくなるとは聞いたことがあるが
朝になるのを気付かないなんてネトゲー恐るべし・・・
しかし学校があるのに徹夜でゲームをするか?
「お前ら学校あるのに、よく徹夜とかするな・・・」
「「侮るなよ、これぐらい日常茶飯事だ」」
二人が誇らしげに話す
いや、ほめてないから・・・
学校の制服に着替えながら話す
「お前ら遅れるなよ・・・」
「別に遅れても構わない・・・」
ラインが着替えながら返事をする
着替えるスピードが速い
これは日々の寝坊の成果なのだろうか・・・
とりあえず階段を下りる
まだ時間に余裕はあるしゆっくりしていていいだろう
階段を降り一階に行くと
ほのかにいい匂いがしてきた
匂いにつられてリビングに行くと机の上に料理が並ばれていた・・・
そして台所の奥には・・・
アリスがいた
・・・そういえばアリスも家に泊まっていたんだった・・・
「これは朝飯か?」
後からきたラインがアリスに聞く
「そうよ、今日は戦闘になる確率が高いからしっかり食べて頑張ってね」
勘違いしている人がいるかもしれないので説明しておこう
これは応援しているのではなく、ラインにも生徒会側の味方に付いて戦え、と言っているのだ
「分かった、そういうことなら仕方が無い、我々も生徒会の味方として裏で工作をしてやろう」
我々?ということは浪川もやる気か・・・
意外と良い奴らばっかりなんだな
こうして久しぶりにまともな朝食をとり
学校へ向かった・・・
+ + + +
学院の校門をくぐり玄関に入る
さすがにこの四人でいるときつい・・・
「あれが風紀委員長の華欧軍日だ」
そういって浪川が指を指す
その先には陣羽織を羽織ったいかにも風紀を乱しているであろう人物がいた
「華欧は大の日本好きでいつも和を大事にしている」
あれは彼なりに祖国愛を表現しているのか・・・
しかしなんでこう漫画や小説に出てくる風紀委員長は一番風紀を乱しているんだ・・・
「気をつけろよ、ああ見えても実力は最強クラスなんだから」
まあ、これはお約束というものか・・・
気にしていたら始まらないな・・・
俺たちは風紀委員長をそのまま教室に向かった
+ + + +
教室の前まで来るとアリスとラインは自分の教室に向かった
そういえばあの二人は四年生なんだったな・・・・・・
いつも呼び捨てで忘れていたがあの二人は上級生だ
学校では敬語を使わなきゃな・・・
ガラララララララ
扉を開ける
すると、皇聖院が近づいてきた
「大丈夫ですか?お怪我はないですか?」
そわそわしながら聞いてくる
なにを心配しているのだろう?
とりあえずは優しく返事をする
「別に大丈夫だよ、そっちの方こそ何かあったの?」
「い、いえ、大丈夫ですわ」
う~ん、全然大丈夫には見えないのだが・・・
・・・まあ皇聖院が話したくないというのなら聞かないのがベストか・・・
『お前ら座れー!!』
五月蝿い担任が来たので急いで席に座る
しっかし俺の席は教卓に近いので担任の五月蝿い声がよく聞こえる・・・
『お前ら元気か~!!』
五月蝿すぎだ・・・
毎日の事だが朝一からこんな担任の弩声を聞かなければならないなんて・・・
とある科学と魔法が交差する物語の主人公ならこういうだろう・・
不幸だ・・・
+ + + +
キーンコーンカーンコーン
4時限終了のベルが鳴る
「昼食か・・・そういえば今日弁当忘れたな・・・購買にでも行くか・・・」
歩いて購買に行く
~購買~
ワイワイガヤガヤ
購買はかなりの人で埋め尽くされていた
その中で列を見つける
終わりまで行くと先が全然見えない・・・
この列に並ばなければいけないのか・・・
面倒くさいがこれも俺が弁当を忘れたせいだ・・・
仕方ない、と列に並ぶ
「天和君?」
・・・と後ろから声をかけられ振り返る
そこには見知った顔の秋宮と美華がいた
「あ、やっぱり天和君だ」
この二人前も一緒にいたような・・・
付き合ってるのか?
まあ他人の恋路に興味は無いんだが・・・
とりあえず秋宮を縄で縛って、それから・・・
・・・っといかん、殺人は犯罪だった・・・
「天和君も購買でパンですか?」
秋宮が尋ねてくる
まあ並んでいるからそれ以外はないと思うのだが・・・
「ああ、そうだよ」
「だったら一緒に食べない?」
答えると美華が提案をしてきた
「いいよ、なんならクラルと浪川も呼んで大勢で食べようか」
つぎは俺が提案をする
「いいですね、では皆で食べましょうか」
「それがいいな」
購買でパンを買うと三人で教室に戻る
とりあえずクラルと浪川を呼ぶ
二人とも快く参加?してくれたので
とりあえず教室の端で机をくっつけ五人で昼食をとる
俺達三人は購買のパン、浪川は近くのコンビニエンスストアで弁当を買ったようでコンビニ弁当
クラルはでっかい重箱のような弁当箱を持っていた
「でかい弁当箱だな・・・クラル・・・」
「皆にもあげるよ、ほら食べて」
クラルが弁当箱を開けて俺達に差し出す
どれもおいしそうだ・・・
とりあえず卵焼きをとって食べる
うまい!
これはものすごくうまい!
「どう?おいしかった?」
「すごくおいしいぞ、これ」
「ほんとだ、すごいおいしい」
美華も食べて目を輝かせる
「そうかな・・・」
クラルが恥ずかしそうに頬を染める
「これってもしかしてクラルが作ったのか?」
「そうだよ、今日はちょっと作りすぎたから皆たくさん食べてね」
バクバクムシャムシャ
横ですごい音が聞こえる
音のするほうを見ると秋宮がものすごい速さで弁当を食べていた
どうりでさっきまで何も喋らなかったわけだ・・・
しかしこれはすごい、足を片膝上げ口からボロボロ食べたものを落としては拾い、大口を開けてまた食べる、そして箸の使い方も適当だ
いつも行儀正しく、品行方正の塊だとおもっていた秋宮にこんな一面があったなんて
俺は正直驚きを隠せなかった
「まさか秋宮がな・・・」
「完全な人間なんていませんしね」
「ま、コレも個性よね・・・」
「そ・・・う・・・だな」
みんなは完璧な人間などいない、コレも個性だと理解した
俺は秋宮にもこんな一面があるということを知ってなんだか安心した
しかしそれは突然おとずれた
ピーンポーンパーンポーン
『風紀委員は現時刻をもって生徒会執行部に宣戦布告します』
「・・・・・・へ?」
俺は耳を疑った
周りでは・・・
「とうとうか・・・」
「やっぱりね」
「予想通りだな・・・」
皆が口々につぶやいている
俺は事もあろうに委員会対抗戦争のことを忘れていた・・・
我ながらありえないミスだ・・・
とりあえず宣戦布告をくらったのなら生徒会室に行こう
そこなら誰かいるはずだ・・・
俺は教室を飛び出した
「僕もついていくよ」
後ろからクラルが追いつく
「分かった」
生徒会室へと通じる階段を上る
すると・・・
角の先には風紀委員と書かれた腕章をつけているものが三名
ここからじゃ校章の色は分からないがたぶん上級生だろう・・・
いくら学年1位と3位だとしても二人とも実戦経験が少ない
対して相手の風紀委員は学院内の風紀を守る組織なので強い人が集まっている
そして日々実戦用の訓練をしているのだから俺達よりも経験は豊富だ
だから俺達二人の実力で勝つのは困難だろう・・・
さて、どうしようか・・・
「お前ら何してる?」
後ろから声がする
振り返ってみるとそこには・・・
「兄さん!!」
クラルの兄貴がいた
「どうした?あの程度の輩が倒せないのか?
そんなんでよく生徒会執行部になれたな・・・」
この人はいつも口が悪い
「兄さん!!」
クラルの兄貴がいた
「どうした?あの程度の輩が倒せないのか?
そんなんでよく生徒会執行部になれたな・・・」
この人はいつも口が悪い
「まあ、あんなところに陣取られていれば通行の邪魔だな・・・
片付けてこよう」
そういって彼は歩き出した
「生徒会執行部は最強だ。それを覚えておけ」
なんだ、彼は最終回の様な事を言いながら風紀委員に近づいていく
「お、お前は・・・生徒会副議長クルト・ジークムント!!」
「そこをどけるんだ。通行の邪魔だ」
「そう言う訳にはいかないな・・・、今は戦争中だ」
「俺がいない間に一体何があったんだ?風紀委員は生徒会執行部の強ささえ忘れたのか?」
「三対一で何ができる。いくら生徒会役員でも勝てないだろ!」
「本当になめられたものだな・・・仕方がない・・・」
「行くぞ!!」
リーダー格の男が叫ぶ
「「「魔具発動!!」」」
三人の手に魔具が現れる
対するクルトも面倒くさそうに
「魔具発動」
魔具を発動させる
クルトの魔具は斧だ
しかもクルトの身の丈ほどもあるすごくでかい戦斧だ
「来たれ火の精霊よ、我にあだなす者を焼き尽くせ、爆ぜろ紅」
クルトが火魔法を放つ
すると目の前にいた風紀委員が体中を抑えてのた打ち回り始めた
「熱い!熱いよ~!」
「誰か助けてくれ~」
クルトはその風紀委員を見下すとまたスタスタと歩き出した
一応後で水魔法で風紀委員の体の火は消しておいた・・・
+ + + +
生徒会室につく
ガラララララ
扉を開けるとそこには
ヴィルヘルムさんとデュートリヒさんコンティーヌさんがいた
「戦況はどうなっている?」
クルトが三人に聞く
「最悪だ、篠原と榎本、そしてティーナがやられた」
「まったく生徒会執行部が情けない・・・」
クルトは呆れきった顔をしている
「仕方がないだろ・・・宣戦布告放送のすぐ後に奇襲を喰らったんだ、まあ榎本は華欧と戦って負けたんだ がな・・・」
デュートリヒさんは暗い顔をして言った・・・
「昼休みだけでコレだけの被害か・・・、少しきついな・・・」
「ヴィルヘルム、華欧とは俺がやる、だから他の風紀委員を頼めるか?」
デュートリヒさんは平然と言っているが、これはかなり怒っている様だ・・・
「待ってもこれ以上来そうにないから俺は帰るな・・・」
そういってクルトさんは生徒会室を出て行った・・・
「あまり無茶はするなよ」
そういってデュートリヒさんとコンティーヌさんも生徒会室を出て行った
ヴィルヘルムさんはいないし・・・
「俺達も帰るか・・・」
俺達は教室に戻ることにした
生徒会室から出て曲がり角を曲がると
風紀委員長の華欧とヴィルヘルムさんが戦っていた