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第四話


角を曲がってみるとその先を見るとそこには・・・


 人だかりがあった


「やっぱり事件か・・・」

俺はため息まじりにそう言うと、持っていた生徒会の腕章を腕にはめた


「生徒会です。どいてください」


そう言いながら人だかりを、かき分けるとそこには二人の男が居た

一方は地面に倒れていて、もう一方はそれを見て何かしているようだ


「Teufelswerkzeugöffnung・・・」


立っている男がつぶやいた

髪の色は金色、碧眼で細目だから・・・この人はゲルマン系かな・・・

この学校に生徒を出している国は、ゲルマン系だとドイツ、オーストリアぐらいだったはずだ

だから今この人がしゃべったのは・・・

ドイツ語かオーストリア語のはずだ

俺はドイツ語ぐらいなら話せなくても意味ぐらいならわかる

二国とも近いから意味は似ているはずだ・・・

だから、さっきのを、日本語に訳すと・・・

やばい!

止めなければ、いけないだろう・・・これは

なんたってあれを日本語訳すると

【魔具発動】・・・なんだから


「そこの生徒止めるんだ!」

廊下いっぱいに聞こえるように叫ぶ

いかに外国人といっても日本の学校に来るぐらいだ

日本語ぐらいはわかるだろう


「邪魔しないでいただきたい」

その生徒から予想外の返答が返ってきた・・・

「生徒会執行部だ!いますぐ魔具をしまいなさい」

しかしなんでこの人魔具を持っているんだ?

頭が良いわけでもないだろうし

・・・なぜ俺がこう判断したかはまた後で・・・


「これは風紀委員の治安維持活動の一環だ。生徒会は関係ない」


そうか・・・風紀委員だから魔具を持っているのか・・・

風紀委員には風紀を守るための実戦力として風紀委員専用の魔具が配られる

風紀委員の専用魔具はトンファーだ

まるでヒバリさんみたいだな・・・


「関係無くは無い。迷惑がかかるだろ」


「そうか、それは失礼した・・・」


なんだわかってくれたのか・・・

それなら一安心だ。

「・・・では迷惑がかからないようにやる」


「そういうことではない!」

なんだこの人

これがお国の違いって奴か?

「ではどうしろというんだ?」


「とりあえず武器を収めるんだ」


「それはできない。なぜなら我々は風紀委員、学校の治安を守るものだ。

目の前で風紀を乱すものがいて、それを見逃すことはできない」


確かにそうだが・・・

これはひどすぎる

今この男は、殴られまくったのかぼろ雑巾の様になった男をいじめているだけだ

「お前がやっているのは弱いものいじめだ!見過ごすわけには行かないだろ」


「そもそも風紀委員は生徒会執行部と同列だ。命令を聞くことなど無い

それにお前、上級生には敬語を使え」

この学校は学年ごとに校章の色が違う

校章の色は

1年は黄色、2年は青、3年は赤、4年は白、5年は黒、6年は桜、7年は金

というようになっている

よく見ると相手の校章は白色だ

ということは相手は4年、年上だ・・・

「すいませんでした!!でもこういう場面で敬語は使うとおかしいと思います!!」


「わかればいいんだ。じゃあな」


「いやいや・・・その人をこっちに渡してください」


「だめだ、俺の任務はこいつに制裁を加える事と懲罰房に連れて行くことだ」


「その人が何をしたんですか」


「校則を破った。それだけだ」


そんなことでここまでぼろぼろにされるなんておかしい

どうにかしなければ

「でも・・・」


「しつこいな・・・、ならば実力で奪ってみろ」


実力・・・か

相手がいくら上級生だとしても俺は学年主席だ、負けることは無いだろう

でも・・・わざわざ知らない人のためにするか?

しないよな・・・


考えている間に風紀委員が生徒を連れて行く


・・・考えている暇は無いようだ・・・

腕輪に力をこめる


「唸れ魔具われに示せ伝説の力!!」

腕に剣が現れる

「・・・すごいな・・・」

あいてが俺を見て驚いている何かあったか?

まあいい今は相手を倒すことに集中するんだ

どうしようか相手は上級生で風紀委員だ

実戦経験は豊富だろう

ならばここはやはり・・・


「うおおおおおおおおおお!!」

・・・突進だ

「突進か素人だな」


・・・しかしただの突進ではありません

ここは魔法学校です、ということは・・・

お待たせしました、魔法です!

「来たれ風の妖精よ我にあだなす者を切り裂け」

俺の右手から風魔法が放たれる

わざわざ詠唱しなければ使えないなど魔法は不思議だ

一応は詠唱することにより術者に使用する魔法を想像しやすくする、ということらしいが・・・

まあ科学では判明できないことばかりだ


「魔法か・・・やるな・・・」

俺が放った魔法は広範囲を覆う魔法だ

それを相手の後ろにやる

これで相手は後ろに下がれない

ならば後は追い込むだけだ


やはりこうなったら肉弾戦ですよね

「これで逃げ場はなしだ行くぞ!!」


「・・・来たれ水の精霊よ我にあだなすものを呑み込め」


水魔法、しかも精霊だとやばい!!

「来たれ土の妖精よ我を守る盾となれ」

とりあえず土魔法で防・・・防げないか・・・

俺が出した土の盾は目の前でどろどろと消えていく

どうしようか・・・

魔法勝負だったら負けるな・・・

しょうがない接近戦に持ち込むか・・・

「来たれ水の妖精よ我にあだなす者を呑み込め!」

俺は相手に向かって水魔法を放った

・・・相手の目に向かって


「目がぁぁぁ!目がぁぁぁ!!」

よし!狙い通りだ

水魔法で相手の目をくらましたら

俺はそのまま突進した

「くらぇぇぇぇ!!」

相手の腹に向かって刀を振り上げる

魔具は相手に致命傷を与えることは無い

斬られても痛みが体に走るぐらいだ

だから力の限り相手を切っても大丈夫だ


俺の刀は相手の体を一刀両断!・・・できないのですり抜ける・・・

相手はあまりの痛みに腹を抱えている

しかしさすがは風紀委員すぐに立ち上がり俺に攻撃を仕掛けてくる


「下級生だからと優しくしてやったら調子に乗りやがって」


・・・?この人性格変わってね?さっきまでと言葉遣いが違うような・・・


「来たれ水の精霊!!我にあだなすものを飲み込めぇぇ!!」


目の前にでかい水の球体が現れる

これはこの人の全力だろうか・・・

廊下を覆うぐらいの球体が俺に襲い掛かる


やばい・・・このままだとやられる

逃げるわけには行かないし・・・

どこかに助けてもらおうか・・・


ここは三階だ、あるのは風紀委員の執務室といろいろな部活の部室だ

風紀委員は助けてくれないだろう・・・

ならば部活か・・・

だったら無理だろう


やっぱり自力でやるしかないか・・・

水と相対関係にあるのは火だから

「来たれ火の妖精よ、我の呼びかけに答え、我にあだなす者に妖精の炎を見せん、

爆ぜろ!イグニス!」

少し長めの詠唱だ、これで少しは魔法の威力も上がるだろう

いくら相手の魔法の方が強いといってもこれなら・・・


「き、来たれ水の妖精よ、わ、私にあだなす者を呑み込め」

・・・ん?目の前にある風紀委員以外の人の声がしたぞ

いったい誰だろう?この声聞いたことあるんだが・・・


「ま、まて、お前そんな至近距離で・・・

ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


風紀委員の悲鳴が聞こえた・・・

それと同時に目の前にあった水の壁が消えた


そこには魔法を至近距離から喰らって倒れている風紀委員と


「大丈夫でしたか?」


・・・皇聖院がいた・・・

「皇聖院どうしてここに!?」


「京介さんの詠唱が聞こえまして、何事かと思い、いってみれば

このお方が魔法を使っておられたので倒させていただきました

だめでしたか?」


「いや大丈夫だよ、問題ない・・・」

・・・倒すって・・・確実に敵かわからない奴を攻撃するか?

この人、結構危ないな・・・


「おいおい大丈夫な訳ないだろ。風紀委員に手を出したんだぞ」

後ろから声がした

・・・そうですよね

風紀委員に手を出してただで済むわけがない・・・

「っていきなり話に入ってくるな!!」

振り返るとそこにはラインがいた

「とりあえず二人とも急いで生徒会室に行ったほうがいい

ここに居ると他の風紀委員に気付かれるぞ

生徒会室なら風紀委員会でも入ってはこれないからな」


「そ、そうかわかった、お前はどうするんだ?」


「俺は行く理由がないが後で行こう、その方がいいようだ」


「そうか、じゃあまた後でな」


俺は近くに倒れているぼろ雑巾みたいになった生徒を持って生徒会室に向かった


「さっきの御方は誰ですか?」


「ああ、あいつはラインだ。ライン・ギルベルト。俺の親友だよ」


「そうでしたか、では急ぎましょう」


「ああ、急ごう」


そういって俺と皇聖院は走るスピードを上げた


生徒会室は3階だから、そこまで遠くではないんだけれど・・・


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