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第十一話

良い朝だ


風紀員と戦う事もなく

どこかと戦うわけでもない

これほど気持ち良い朝は……二日ぶりか…

一日が一週間でも一か月にも感じるくらい長い気がした

それほどまでに風紀委員会との戦争は大変だった


しかいそんな風紀委員との戦争も終わって今日は平和だ

空も青い…透き通るほどに青い空は俺の疲れをいやしてくれる

まぶしいほどの朝日は俺を気持ちよく起こしてくれる

なんて気持ちいいんだ

しかし……


「くそ、押されているな」

「大丈夫だまだいける。これをしのいだら寝よう」


そんな俺の横でゲームをする二人、ライン・ギルベルトと浪川鳴海

この二人はまた徹夜でゲームをしていたようだ


「お前らそんな事言ってるがもう朝だぞ」

「もう、朝か……」

「一日は短いな……」


だめだこいつら……

まあ構っている場合でもないので

制服に着替える

一階に降りると今日も生徒会監査のアリス・レーヴァテインがいた


「アリスか…おはよう。上の奴ら頼んだぞ」

「頼んだって、あんたは?」

「ん?やり残したことがあるから一足早く学校に行っておく」

「了解」


そういって家の外に出るとそこには1人の女性がいた

昨日ともに帰った生徒会副会長クラリス・ヴァイセさんだ


「あれ?クラリスさん、どうしてここに?」

「お前の護衛だ、文句あるか?」

「は、はあ」


せっかくの美女との登校イベント逃すはずがない

俺は表面上は何ともないふりをしながら

歓喜に震えながら並んで歩く




学校に到着。かなり早い時間なので朝練以外の生徒は見当たらない

俺はクラリスさんと別れ教室へ

そして教室に行き準備を済ませると生徒会室へ向かう


途中クラリスさんと再会し生徒会室のドアを開ける


「おお天和にクラリスであるか、朝から早いであるな」


中には生徒会長代理デューク・ウェルキンンスさんがいた

この人は一体いつからここにいるんだ

生徒会長代理ともなれば仕事が多いのだろうか


「会長代理、早いですね」

「まあな、風紀委員と戦っていても書類は来るのでなそれをまとめるのに時間がかかったので学校が開いた瞬間から学院に入り整理をしていたんだがなかなか終わらなくてな」


学校が開いた瞬間!?

ということは30分以上も前から学院に来ていたと言う事か


「会長代理、今日も早いですね」


…今日も?

ということはいつもこのぐらいの時間帯に来て事務をしているのか生徒会長代理恐るべし

そういえばなんで代理なんだそうな聞いてみるか


「あ、あの……」

「…お前達早いな」


生徒会庶務ヴィルヘルム・セイデリアさんが後ろから入ってくる

この人も朝から生徒会室に来るのか


「ヴィル、おはよう。あなたも早いわね」

「そうでもない、これが普通」


この人は相変わらず最低限の事しか話さないな

これを無口というのかな……


「天和、例の案件は大丈夫か?」

「すいません、まだ終わって無くて。そのために今日は早く来たんです」

「急がなくていい、期限はまだある」


そういってヴィルヘルムさんは作業に入る

横を見るとクラリスさんも作業をしていた

二人が一体何をしているかは気にはなったが俺自体が暇ではなかったので

自分も作業に入る





+ + + +



昼休憩

まだ終わりそうにないので生徒会室に向かう

誰かが読んでいた気がするが構っていられるほど暇ではないので

無視する



生徒会室につくと、ドアを控えめにあける

中にはデュークさんとヴィルヘルムさんがいた

この二人は生徒会室に常時いるのか?


二人とも作業に集中しているようなので

声をかけるわけにもいかず席につき

作業をする

デュークさんは昨日ふざけていたように見えたが

ココだけ見たらすごい真面目だ



キーンコーンカンコーン


予鈴か……

教室に戻らねば

そうして生徒会室を出ようとしたところで俺に気づいたデュークさんが呼びとめる


「天和、いたのか……」

「……いましたよ」

「最近後処理の書類が多くてな」

「はあ、大変ですね」


そう言ったデュークさんの声はまだ元気だった

すごい体力だ


「すまんがお前に用事を押し付けてしまうことになる。お願いできるであるか?」

「分かりました。やっておきます」


仕事が増えたがまあたいして疲れる仕事でもなさそうなので承諾した



+ + + +



放課後


HRも終わり教室を出ようとする

すると


「天和~呼ばれてるぞ!!」


名前を呼ばれた

忙しいので無視しようとすると聞き覚えのある声がして振り向く


「天和、会長代理から聞いていなかったか?」

「あ~、あの地味な仕事ですね」

「地味でもこれが生徒会の仕事だからな行くぞ」


クラリスさんに手を引っ張られ教室を出る

今日の仕事は学校内の視察?観察?みたいなもので

新学期が始まり部活動が本格的に動き出したのでそれを見て回ると言う事だ


「我々が担当するのはA棟だ」

「少なくてよかったです」


最近知ったことだがこの学校には

A棟、B棟以外にも部活棟、特別棟、研究棟、図書館、開発棟、実験棟、休憩棟があるらしい

本当に大きい学校だ

その中でもA棟は部活の数も少なく

おとなしい部活ばかりなので簡単なわけだ

そんなんなら調べる必要もないのだが規則に五月蠅い生徒会長代理のせいで

やらなければいけない

あの人の場合逆らったら何されるかわかったもんじゃない


そのまま歩いていると前から俺の大嫌いな男が歩いてきた

デュークさんと同じく規則に五月蠅い生徒会副議長クルト・ジークムントだ


「お前らいちゃつくならよそでやれ」

「いちゃついてなんかねえよ」

「確かに、お前じゃ不釣り合いだな」

「そうですね、さっさとどっか行ってくれ」

「言われなくても行く。無駄な事に時間を潰している暇はないのでな」


ひねくれ者で、人に好かれない

俺もこいつは好きじゃないが、たまに助けてくれたりもするので嫌いではない


「クルトか…あいつはもうちょっと言葉づかいを直させるか」

「気にしないでください。あれがアイツです」

「天和はクルトに詳しいのだな」

「まあ一応……」


一応クラルと一緒の時やクラルの家に行ったときに会ったことがある

クラルと正反対の性格の兄貴だった事にはビックリだったな


「まあ気にしている時間はない、行くぞ」

「はい、急ぎましょう」




+ + + +



視察を終え、生徒会室に帰ってくる


「疲れた~」

「さすがにあんなことがあるのでな……」

「どうした?何かあったか?」

「実は……」


大人しい部活ばかりと聞いていたが中には過激な部活があり特に物理が危険な実験用具をたくさん持ってきていたり、美術部での絵のがすさまじかったりと意外にすごい部活ばかりだった

今生徒会室の中には

デュートリヒさんとデュークさんとコンティーヌさんクラリスさん、ヴィルヘルムさん、クルトがいる

一言言って説明が面倒臭いので省略したい


「ところで天和、頼んでおいたものは出来たであるか?」

「はい、これですね、しかし何に使うんですか?」

「それは内緒である」

「分かりました」


しかしここはいいいなパソコン、冷暖房完備。最高じゃないか

っと俺も自分の仕事を纏めなきゃなっと





「終わったーーー!!」


俺がそう高らかに宣言した時には空は赤く染まっていた

横には未だに仕事をしているデュークさん

他のメンバーはもう帰ったようだ

と、おもったらクラリスさんがいた


「クラリスさんまだいたんですか?」

「ああ、ちょっと用事があってな」

「俺は用事終わったんで、帰りますけど頑張ってください」

「いや、もう終わったんだ」

「そうなんですか、だったら一緒に帰ります?」


俺的には精いっぱいのアプローチ

さてどんな反応が来るか……


「別にかまわんぞ、方向は一緒だしな」


やった、一緒に下校がOKか

それだけでテンションあがるぜ

まるでギャルゲーだぜ

おっとテンションが上がりすぎて変な口調になってしまった

クラリスさんも心配そうにこっちを見ている

顔が近いですよ



玄関に出る

そこで待っていたクラリスさんに会う

なんだか彼氏と彼女みたいだ



二人で並んで帰っていく


「クラリスさんはどうして生徒会に入ったんですか?」

「私か?私は生徒会長に借りがあってな、それを返すために来たんだ」

「借り?」

「ああ、大きな借りだ。あと生徒会長だからな、代理ではないぞ」

「そういえばなんで代理なんですか?会長は?」

「時が来れば話す、それまでは知らなくていい」

「は、はあ」


そう言ったクラリスさんの顔は何故か哀しそうだった

なんでいきなりシリアスになったんだ


「もうすぐクラス間戦争がある。気を抜くなよ」

「分かってます。俺の相棒が代表ですから」

「そうか……お前の相棒か、気になるな」

「気になるならA組に来てみてください。紹介しますよ」

「わかった。名前は?」

「クラルヴァイン・ジークムントです」

「ジークムント?クルトの弟か?」

「はい」

「なるほど、面白そうだ」




疲れた……

出来は悪いですが一応


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