表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

小説技術論エッセイ

【創作論】意外性のあるオチ「皮肉オチ」の作り方

作者: はまさん
掲載日:2026/06/27

 いわゆる「星新一みたいな」オチのある短編小説、憧れるよね。けど、あんな発想どうやれば良いのか分からない。

 それで諦めるもの。ショートショートを書けるのは才能ある者だけだ、と。


 ボクはね、全て計算でやってます。というわけで、やり方を紹介しょうか。

 使う例は以下の自作です。

 

-----

「お前には情熱がない!」

部活の先輩に叱られた。

「言われたメニューを淡々と練習するだけ。試合に出れば淡々と勝つだけ」

「はあ」

ひとしきり言うと先輩は帰ってしまう。


すると同級生が

「えっ、あの人説教だけして帰ったのかよ。試合どころか、練習やってる姿すら、しばらく見たことないぞ」

-----


 先に言っておくとボクはオチの技法だけで三十個ほど持ってます。その中でも「どんでん返し」として強めで、割とメジャーなオチ。

 「皮肉オチ」を紹介するよ。


 まず作例の冒頭での状態、つまり起点とは「情熱家の先輩が、シラケた後輩に説教をしている」ということになる。

 普通は情熱家といえばポジティブで、シラケはネガティブな印象があるだろう。

 だがこれはミスリード。


 皮肉オチとは、同じ状態のままポジティブとネガティブを入れ換える。

 これが全てです。


「ポジティブな情熱家が、ネガティブなシラケに説教をしている」

 このネガポジを入れ換えると

「ネガティブな情熱家が、ポジティブなシラケに説教をしている」

 となります。


 この入れ換えたものを、物語の最後に配置する。

 はい、これでどんでん返しオチが完成。


 後は細部の辻褄を合わせるだけ。

 というわけで少し辻褄について考えてみましょう。


 ネガティブな情熱家とは何か。口先だけで、手を動かさない奴かな?

 ポジティブなシラケとは何か。不言実行で結果を出してる人だろう。


 ならば冒頭でミスリードさせている。

 ポジティブな情熱家が、ネガティブなシラケに説教をしていると。

 けど実はシラケの方は結果を出している。情熱家は口先だけ。なんてどうだろう?


 というわけで伏線として先輩に「練習して結果を出してるだけだ」と説教させる。

 すると、さぞかし説教している人はもっと凄いのだろうな、とミスリードしてしまう。


 けど実は口先だけでした、でオチ。読者の予想を裏切って、意外性が出る。

 とまあ、皮肉オチとはこんな技法です。


 他の作例なら、こんなのもあります。

 

-----

「今日はキャンプ日和だね」

と思ったら雨が降り出した。

「本当にキャンプ日和ね」

-----


 これも「キャンプ日和」のネガティブ・ポジティブを入れ換えている。

 こちらの方が「皮肉オチ」の作例としては分かりやすいかな。


 ただ皮肉オチで注意して欲しいのは、あくまで同じモチーフに対して、評価や意味のポジティブ・ネガティブを入れ換えるものだということ。

 ストーリー展開まで変えてしまうと、御都合主義になってしまう。作者の意見が表に出すぎた、嫌味な小説になってしまう。


 またこの皮肉オチは、ロシアのアネクドートでも多用されています。いわゆる風刺。

 文学的には古式ゆかしき伝統的な手法だということ。知っておけば他にも応用の利く便利な技法ですよ。


 ボクは他にオチの技法を三十個ほど持っていると言ったけど。この皮肉オチを切っ掛けとして、あなたの「オチ方」も探してみるのも楽しいでしょうね。

 目指せ、ショートショートの達人。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これは物語のオチではなく、ひとつの会話のオチではないでしょうか。ただぶった切りにするだけの。 皮肉なオチというので、主観ではなく、物語を客体化した表現で語られるものかと思いましたが、これは陰口をセリ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ