ソフィアとロナルドの今後
皆と離れる少し前のこと。ロナルドとソフィアは2人で話をしていた。
「これからなかなか会えなくなるわね……」
「そうだね。ねぇ、ソフィア」
「何?」
「近々さ、両親にソフィアを紹介したいんだ」
「え?」
ソフィアの心臓は一瞬飛び跳ねた。
(それって?)
「大学出たら結婚したいんだ」
「え……?」
「嫌かな?」
ロナルドは、戸惑うようにまつ毛を揺らし不安げに目を伏せる。
「いいえ。嬉しい。でも、どこで働くの?」
「ソフィアの住むスウェーデンに行くよ」
「だって、宇宙開発の仕事は?」
「親はさ、同じ仕事してほしいって言ってるけど……僕は、ソフィアと同じ自然に関わる仕事がしたいんだ」
「自然環境を守る団体に行くつもりなのよ?」
「うん。ソフィアから話を聞いてそういう仕事も良いと思ったんだ」
「そう……私のために無理してない?」
「してないよ」
「そう?」
「うん。いつにしようか? ご両親へ挨拶」
「スウェーデンに帰ったら連絡する」
「うん、待ってるよ」
お互いがそれぞれの国へ戻ってロナルドは両親に話をした。
「パパ、ママ、話があるんだ」
「どうしたの?」
母は不思議そうにしている。
「大学を出たら、ソフィアのいるスウェーデンに行きたいんだ」
「旅行?」
母は首をかしげるが父は勘付いたようだ。
「スウェーデンで暮らすのか?」
「うん」
「待って。宇宙開発の仕事がしたいって話はどうするの?」
「ソフィアに出会って自然環境を守る仕事に興味がわいたんだ」
「本気なんだな」
「うん、そこで働きながらソフィアと結婚したい」
「その、ソフィアって子はどんな子なの?」
母は戸惑っているようだ。
「凄く良い子だよ。真面目で優しくて、僕にはもったいない位……」
「そうか……」
父はため息を付くと、諦めたように肩をすくめた。
「分かった」
「あなた!」
「良いじゃないか。ロナルドの人生だ。好きにさせよう」
「……分かったわ」
母は渋々納得してくれたようだ。
ロナルドは夜、ソフィアへ連絡を入れた。
「……両親に分かってもらえたよ」
「本当? 良かった……家はまだこれから」
「そっか……納得してくれると良いな」
「ええ」
ソフィアはソフィアで家族に翌日打ち明けることに決めた。
牧場の仕事が一段落した時を見計らい、ソフィアは両親達に声をかけた。
「パパ、ママ。話があるの」




