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地球へ愛のハーモニー  作者: 宮守 美妃
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作戦

 皆で集まっているということもあり、これからの作戦を立てることになった。


 皆が誘拐されてから一週間近く経っていた。テレビのニュースでは行方不明者が突然帰ってきたと、話題になっていた。しかし、愛音達が行方不明になったことは騒がれなかった。


「このまま隠れても見つかるのは時間の問題だよな」

 大知が軽くため息をつきながら話すと愛音がそれに返事をする。


「うん、リーダーを倒しに行かないと駄目だよね」


「リーダーって誰なんだ?」とピーター。


「それは……あの方?」ソフィアも奏太も首をかしげる。


「誰?」


「政府の人間でトップのあの方って言えば、総理大臣とか?」

 奏太はあるわけないと言いそうな顔をする。


「そうかも!」


「総理大臣に取り憑いたりする?」


「闇の存在だよ? 何だってしちゃうんだから」


 愛音と奏太、大知と凛、ソフィアとロナルドは顔を見合わせる。


「行ってみるか? 総理官邸へ」


「行ってみて楽器を弾くの?」


「うん」


「私は歌えないけど……」


「うん。それは痛いよな……」


「でもさ、話すことは出来て良かったよね」

 奏太が慰める。


「話すことも出来なかったら、アイツを殴ってたかも」

 大知は拳を握りしめる。


「落ち着いて、お兄ちゃん」


「愛音……オレ、これでも相当我慢したんだよ」


 その瞳は悲しげに揺れている。


「うん、分かってる。ありがとう、お兄ちゃん」


「僕も、あいつ等が許せない!」


「私もよ」


「私も! よくもお姉ちゃんの歌声を奪って!」


「俺も……早く、愛音の歌声を取り戻そう」


「皆……ありがとう」


 愛音は皆の気持ちに心が震えた。涙が流れそうになったが、ここで泣く訳にはいかないとこらえていた。


 翌日、電車を乗り継ぎ皆で総理官邸へ向かった。官邸前へ付くと、皆は楽器を取り出し、チューニングを始める。警備員に止められるが無視をして演奏を始めた。

 歌が歌えない愛音は大知と凛と一緒に、傍で見守る。


 奏太がまず伴奏を始めると、辺りに光の粒子が見えるようだった。続いてソフィアのハープ、ロナルドの胡弓と加わり音の渦がどんどん広がって行く。その音色は強い浄化作用を持ち、総理官邸の中まで届いた。


 闇の存在に狙われないように大知は周りに結界を張り、凛が音を風に乗せ遠くへ飛ばした。結界のお陰で警備員も中へ入れない。


 その頃、地底世界では地底人の生生が、魔法で作られたランプに灯りが灯った部屋で1人。宙に浮かぶモニターに映る皆の姿を見守っていた。

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