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地球へ愛のハーモニー  作者: 宮守 美妃
14/47

不穏

 朝、目を覚ましスマホのニュースを確認した愛音は、目を見開いた。


「スウェーデンから記憶を失う原因不明の病が発症した?」


 急いで愛音は奏太にライモする。


『奏ちゃん、ニュース見た?』


『うん。スウェーデンから発症したニュースでしょ?』


『そう。ソフィアさん、大丈夫かな?』


『うん。心配だね』


『そろそろ学校行く準備しなきゃ。またあとでね』


『うん、またあとで』




☆ ☆ ☆



 ニュースで流れてからすぐにネットの中でスウェーデンに対する誹謗中傷が書かれた。

 

(ソフィアさん達は悪くないのに)


もやもやした思いを抱えながら1日を過ごした愛音は放課後、2人でパソコンの前に座りソフィアにメッセージを送った。



『ソフィアさん、こんにちは。スウェーデンのニュース見ました。大丈夫ですか?』


 すると、すぐに返信が来た。


『困ってます。周りの人がかかり始めてます』


 2人は顔を見合わせる。


『私達はソフィアさんの味方です。何かできることありますか?』


『気持ちだけで大丈夫。ありがとう』



 そのやりとりの後。ソフィアの母も感染してしまった。


ソフィアは2人の言葉に胸が暖かく感じていた。


 病気が広がり始める数日前、スウェーデンでは、ソフィアの母の様子がいつもと違っていた。


「ねえ、ソフィ」


「なに? ママ」


「羊にご飯あげたかしら?」


「さっきあげてたでしょ?」


「……覚えてないのよね」


「もう、大丈夫? ママ。まだ若いのに」


「ええ……」


 ソフィアは少し気になったものの、牧場の羊の世話を手伝いに行っていた。ところが、翌日。母は自分の名前が分からなくなった。


 嫌な予感がしたソフィアは、医師に診てもらう。



「原因不明の記憶の病ですね」と告げられた。

 認知症ではないし、脳に異常もない。けれど、記憶だけがすっぽりと消えてしまう。



「そんな……治療法は?」


「今出来るのは新薬を待つことです」


「悪化したらどうするんですか?」


「落ち着いてください。このようなことは前代未聞です。脳に異常もなく、心因性でもなく、記憶だけが抜けるなど。とにかく、できることは近くで見守ることです」



 肉体のない闇の存在は人間に取り憑き、製薬会社や政府に紛れ込み、ワクチンや新薬を作ろうとしていた。


 そして、再びニュースが流れる。


「ワクチンと新薬が開発されました! 発売はまもなくです。 皆さん、これで安心です!」

 

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