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明日(美鳥)のために、その2

2話同時投稿になります。

しばらくして、


   ピッピン


 美華姉からメールが届く。


  なになに、


……………………<携帯>


明日(美鳥)のために、その2


別にやらなくても良いのだけれど、

やっぱり、やらせてあげよう


彼氏の役得 その2だよ。


乙女の柔肌を触ることを許してやる。

感謝しろよ。



まあ、ツボを押すだけなんだけどね。

押すとこは3箇所。

血界

三陰交

腎兪


もう一つあるけど、美鳥に聞いてからな。

殴られたって知らないよ。


兎に角、そこを抉りこむように

押すべし、押すべし、押すべし。



 美華姉のメールを読んでいると、美鳥が身じろぎをする。


「んっ? どうした?」


 俺が聞いてから、しばらくの間、体を小刻みに震わせる。そうして肩を開いてこっちを仰ぎ見て来た。


「体の向きを変えて良いですか?」


 俺は慌てた。


「どこか痛いのか」

「いえ、大丈夫ですよ。でも…」


 美鳥の顔を横合いから覗き込んだ。なんか、美鳥の顔が赤い。


「そっちへ向いて一孝さんの、お顔、見ていたいのです。いけませんか?」


 頬を染め、縋るように見てくるんだよ。断るなんてできるもんか。


「いいよ。いくらでも見てくれって」

「へへっ」


 俺が美鳥の背中からニットケースを離すと体を捻って反対側に横になり、彼女は俺の顔を仰ぎ見てくる。

 しばらく、そのままにしていたよ。頬を染め、彼女が俺を見てくるんだ。安心し切っている顔をしてるんだよ。スマホで撮影しちゃだめかな。聞いてもだめなんだろうなあ。俺も頬が熱くなっている。


 どれくらい時間が経ったのかな。ほんのちょっとかもしれないし、思ったより長かったかもしれない。


「ほぅ」


 美鳥が嘆息して体を起こして仰向けになる。


「一孝さん、ありがとうございました。美鳥は、いっぱいです」


 何がいっぱいなのかは聞かない。ヤボだからだ。



 そうだ。仰向けなら丁度良い。


「美華姉から言われたんだけどな。やっていいか?」


 これからの事は美華姉の指示ということにしておこう。


 「なっ、なんでしょう?」


 美鳥の声が緊張する。


「足とかのツボを押してくれって」

「そうなんですね。良いですよ。お願いします」


 彼女はそれを聞いて、安心したのか小さく嘆息した。


「じゃあ、失礼して」


 俺はベッドに横たわる美鳥の足下へ、位置を変える。


 「足、開くよ」


 声をかけてから足首の下に手を入れて少しだけ開く。

 美鳥の足に微かだけど力が入った。足先を外に向けてくるぶしを見つける。裾が翻って白いふくらはぎが見てとれた。そこから指4本上に親指を乗せてゆっくりと押す。

 三陰交はツボ押しの基本の一つに数えられるんだよ。


   いち、にい、さん。


 押し切ってから、そのまま、


  いち、にい、さん。


 ゆっくりと数を数えながら力を抜いて行く。


  いち、にい、さん。


 美鳥が呟く、


「ふう、ちょっとだけ痛いかな」


 反対の足のツボも同じようにした。



 今度は膝あたりのツボになる。血界と言って女性のツボとも言われている。押しやすくするのに、足首の場所を跨ぐように被さって行く。

 そして足にかかるロープを上方向へ摩り、膝のサラを見つける。その内側上の指3本上に親指を置いて、位置を決めて、ゆっくりと押し込む。


 「つっ」


 美鳥の口から小さい叫びが上がった。指の下に、すぐ痼りがあるのがわかった。体も強張る。


「そこ、痛いです」

「そっとやるから、ちょい我慢して」

「はっ、ひゃい」


 そっと押し込んでいく。


  いいち、にい、さん。。

「ゔっうぅ」


 美鳥が呻き声を出している。 


「もう少しだから」


 押し込んで痼りを少しだけ押す感じで、


   いち、にい、さん。。


 「う」


 ゆっくりと指を引いて行く。


「ふぅ」


 美鳥も体の力を抜いた。


「反対側も行くよ」

「いいのですけど、もっと優しくできませんかぁ」


 よっぽど痛いんだろうな。でも、ツボの上に親指の腹を乗せて行く。


「これでも、そんなに力を入れてないよ」

「嘘ぅ、これでぇ」


 すっと指を押し込んだ。


「あぅぅ、いぃ、ゔぅぅ」


 少し指先で、しこりをほぐす感じで差し込んでみる


「ぁあ、ぁぁ、ぐぅあっ」


 指先が痛点をついてしまったのかな、美鳥の腰が跳ねたんだ。


              フニュン


 それで慌てたせいで、指先が肌から離れてしまった。


「ふぅ、もう、これ以上はきついかも、ほぅ」


 美鳥も息絶え絶えと言っ感じだ。


「無理にはしないほうがいいからね、じゃあ美鳥、うつ伏せになれるか」

「えぇー、まだあるのぅ」


 と言いつつも、体を回して、うつ伏せになってくれた。


              フニュン


「今度は背中にあるんだよ。腎兪っていうんだ」

「そこって痛くない?」

「たぶん」

「えぇー」


 確か、肋骨の1番下を線で結んで、背骨と交わるところの指2本外だったでけ。

 美華姉のメールで教えてくれた場所を探ることにした。

  美鳥の腿の上を跨ぐ格好になる。


「美鳥、ちょっとだけ脇を触るよ」

「ちょっと待って一孝さん、私にも覚悟が、……」


 ウエストのくびれに手を置いて上に摩ってみる。


「ヒャア」


   ボスッ


 美鳥の叫び声がしたと思ったら。俺の尻が蹴られた。脇を触った反射で下腿部が跳ね上がるみたいなんだ、

 まあ、そんなに痛くない。


「なんだあ。、美鳥。膝のツボの復讐か」

「違うの、脇を触られるからビクってなって脚が動いちゃうの」


 美鳥はうつ伏せから上体を起こして振り返って話してくる。


               フリフリ


 頬を染めて、少し口を尖らせて俺だけに話してくるんだよ。微笑ましいと言うか、可愛い。


 だけどなぁ


「美鳥、頼みがある」

「なんですか?」

「さっき、うつ伏せにしたけど、ベッドで座る体制に変えてもらって良いか?」

「?…、いいですけど」


 彼女は、ベッドに手をついて四つん這いになってくれた。  

 

               フリフリ


 ただ起き上がる前に背を伸ばす仕草をするものだから、尻が突き出される形になってしまった。

 ロープの生地が伸ばされて、ヒップラインが顕になる。少しでも身じろぎしようものなら、フルフルと動いているのがわかるんだ。


 さっきから、フリュンだ、フリフリだって、どれだけ誘惑されているのか。

美鳥にそんな意識がないだけに余計、たちが悪い。我慢できている自分を褒めたい。



 誰か俺の魂の叫びを聞いてくれ。


次話につづきます。

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