ハーバープレイス入り口 到着
「盗撮は犯罪だろ!」
マゼンタは、声を荒げて周りを見渡す。
「油断も隙もないよ』
すると、
『次はハーバープレイス入り口、ハーバープレイス入り口。出口は左側です。お降りの客様は…』
とアナウンスが入る、
『列車かホームに入りある際、左右に揺れますので、足元にご注意ください』
すぐさま、足元が右、左と振れた。
「「きゃあ、きゃあ」」
女の子はライムに抱きつき、ライムは俺の腕にしがみついて、倒れずに済んだ。
「なんか荒っぽい運転だね」
マゼンタさんもシートに付いているグリップを握っていた。
盗撮騒ぎも、この揺れに絆されてしまった。
くうっと言った感じで電車が止まる
「じゃあね、蒼生ちゃん。お姉ちゃんたちは、ここで降りるの」
マゼンタがしゃがんで、目の高さを合わせて、話しかけている。
すると女の子のお母さんが、
「蒼生、私たちもここで降りるから、バックから降りよう」
「はぁい」
女の子は、母親が抱きついてバックから降ろした。
「メイドのお姉ちゃんたちも、ここで降りるんだ。一緒だね」
マゼンタさんが笑顔で答えながら、ホームへ降りていく。
「そうだね。また、会いたいね」
二人は手を振ってバイバイしている。
「ところでライム」
「はい、なんでしょう?」
ライムは、俺の腕にしがみついたまま返事をする。
「いつまで抱いてるのでしょう? 気に入ったのか?」
「うん! 抱き心地いーの。安心できると言うか」
ライムは、うっとりとした顔で俺の腕に頬擦りをしてる。
「お楽しみのところ、ごめん。会場に着いたから降りるよ」
「そうだった』
俺はライムに手を貸してあげて、立ち上がらせた。
「さあ、早く降りないと、ドア閉まっちゃうよ」
「手伝います」
ライムの手を借りながら2つのバックのスリングを引っ張りあげて、俺たちはドアからホームへ向かう。
ホームでは、シアンさんたちが待っていてくれた。
「遅いから、心配しましたよ。どうかしたの?」
「 いや、なんだか、盗み撮りされたと言うか、便乗で撮られたというか……ん?」
マゼンタさんが、答えようとして、言葉を止める。そして下を向いた。
「ねえねえ、青いお姉ちゃんもいるよ。キレーだねぇ」
マゼンタさんのスカートの端を持って蒼生ちゃんが付いてきたんだ。
「『綺麗』なんて、かわゆい子ね」
シアンさんがしゃがみ込んで、嬉しそうに蒼生ちゃんの頭を撫で出す。
「青いお姉ちゃん、赤と緑のお姉ちゃんと同じ、お顔してるのね。え〜と三つ子だっけ」
蒼生ちゃんがシアンさん、マゼンタさんと順番に見て、後ろにいたライムを振り返り見て聞いてきた。
シアンさんは頬を両手で押さえて嬉しそうにしている。
「嬉しいこと、言ってくれるのね、ありがとう」
蒼生ちゃんはスマホを持ち出して、
「えへへ、私も蒼なんだよ。お姉ちゃんも青いし同じだね。ねえ写真撮ろ?」
「良いですよ、みんなで撮りましょう。マゼンタ、ライムこっちきて」
すると、マゼンタさんがボソリ、
「魔女としか言えないわ」
「なんか言ったマゼンタ」
シアンさんが鋭い目線をマゼンタさんに送る。
「い〜え、何も」
あーすっとぼけたあ。美華さん、中々の強心臓です。俺はすくみ上がってます。
「ケンカはダァめだよ。にっこり撮ろうよ」
「「ごめんね」」
小さい子に諭されている二人でした。
「いくよー1たす1はー」
シアンとライムとマゼンタが蒼生ちゃんを真ん中にして、両サイドで手をヒラヒラさせてアピールしで
「「「に」」」
今度は無事に撮影をしました。




