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モーニングアタック

ゴールデンウィークになる。一孝さんと遊べるかとワクワクしてなかなか寝付けなかった。

 明るくなって起きると、なんか痒いし違和感かある。トイレでショーツを脱いだ。やっぱりだった。


「ママぁ、ライナーシート貸して。私のなくなってたぁ」

「いいわよ、使っても。そろそろなのね。せっかくのお休みなのに」

「外れることを祈りたいな」


 このお休みを一孝さんと楽しみたいの。


今日からゴーデンウィークということで昨夜からネットで遊びすぎてしまった。寝不足で瞼が重い。簡易のシステムキッチンに備え付けの冷蔵庫から無糖のボトルコーヒーを取り、飲んでいるとインターフォンが来客を告げてきた。

 応答スイッチを押すとミニモニターへ来客者の顔を映し出した。亜麻色の髪を編み込みハーフアップで綺麗に後ろに流し、ヘイゼルの瞳が印象的な女の子、今日は休日なんでか、ホワイトのTシャツにサーモンピンクのカーディガン。美鳥だ。2歳年下の彼女。いい響きだね。幼馴染だったのが思いを告げ、告げられて一歩進んだと思う。

 インターホンからは


『おはようございます。きちゃいましたぁ』


 確か、なんかの琴守家の用事の準備で朝は来れないという話は聞いていたのだけれど、モニター越しに見ても、


「カワイィなぁ」


 思わずつぶやいてしまう。


 するとモニターのなかで頬を赤く染めて、手でそれを隠して頭をイヤンイヤンと降り出している。仕草もかわいいよ。


「もう、いきなり。恥ずかし嬉しい言葉、イヤン、です」


 俺の頬もあったくなったよ。


「早く開けてくださいな」


 すぐさま、openのスイッチを押した。来るまで待ち遠しいよ。

 ドアホンがなり、鍵を開けて中に入れて上げる。すると中にスッと入り込んで俺を抱きしめてきた。嬉し然で頬が熱くなる。俺も背中に手を回して抱きしめ返してあげた。サラサラとした亜麻色の髪のさわりこごちとカーディガン越しの感じる柔らかいものに心が揺さぶられる。


  でも…


「いらっしゃい。朝からホットなハグありがとな」

「私もギュってしてもらって嬉しいよぅ」


 お互い、唇を見合って近づけていく、


「ちょっと待って」

「なんですか!いいとこなのに」


 ほんのちょっとの違和感にキスは躊躇した。彼女は不満をあらわにしている。周りが静かすぎるのだ。

 いつもなら、ドアが開くと俺より先に彼女をハグして出迎える。ニコニコと話をしだす、キスなんぞしようものなら、2人の世界なんかつくるなと俺との間に手のヒラを振って抗議する子がいない。あまりに静かなんだ。振り返り部屋の奥に声をかける。


「コトリ、いるんだろう。美鳥きたよ」


 奥から


「ハイハーイ、コトリちゃんでーす。お姉ちゃんきたの?」


 背の小さい女の子が歩いてくる。


 オフホワイトのプルオーバー青いサロペットスカートをきている。よく見ると膝下や手の色がない。空けて見えている。


「あっ、いらっしゃーい。コトリでーす」


 ニコニコとこっちに話しかけてきてる。でも視線がおかしい。俺を見てる。向き直って、彼女の顔を見ると…


 キョトンしている。何があったのかと不思議そうな顔をしている。まるでコトリが見えていないような仕草をしている。


  コトリが見えていない。


「コトリ、美鳥だよ」


 彼女が怪訝な声をあげる。


「一孝さん、誰かいるんですか? 私がいるのに変ですよ」「違うよ、お姉ちゃんのお姉ちゃんだよ。お姉ちゃんじゃない」


 コトリは俺の顔を見上げながら話してきた。 


 やっぱりか。



「美華姉、美鳥の真似はやめましょう」


 この人は美鳥のお姉さん。俺のひとつ上の大学生って聞いてる。


「なんでバレたの?、もともとそっくりだし、仕草も真似たはず」


 俺は、言っていいものか悩んだけど、


「見えてない」


「何が?」


「それに」


「それに、抱きつかれた時の柔らかいもののボリュームが違ってたりします」


「えっ……。そんなこと? そんなに?」


 俺は首肯する。頬も熱い。そっぽ向いて、照れ隠し。


「ねえ、お兄ぃ。美華姉、ぎゅっとして良い?」


 コトリの髪の毛をくしゃっとしてあげたのを返事にした。




 すると、携帯から着メロ。美鳥からだ。


「美華姉、そっちにいませんか? コトリ経由で気配きましたから。」




 マンションのエントランスにある、インターホンのスイッチを押す。


私は美鳥、今は美鳥なんだよ。自分に言い聞かせる。一緒に過ごした時間とこの前、変装までして近づいて見聞きしたから、真似られる。私は美鳥!


「おはようございます。きちゃいましたぁ」


モニターに美鳥の彼がうつっている。頬が熱くなってきた。なんで私には和也という彼氏がいる。今は訳あってお一人様だけど、立派な彼氏持ちなんだ。


『カワイィなぁ』 


モニターから呟きが聞こえる。熱い、熱い頬が熱い。にやけてしまう。熱い頬を手で庇い、体はくねってしまう。


「もう、いきなり。恥ずかし嬉しい言葉、イヤン、です」


はずか死んでしまいそう。


「早く開けてくださいな」


そういうので精一杯。おい、美鳥、いつもこんなにお熱いことしてるのか? 美鳥をシュミレートして行動しているのだが、ここまでとは。和也にはそこまで態度を出してない。はず、多分、いやぁ周りから見ればダダ漏れかぁ。

エレベーターで上階まで行き、ドアホンを鳴らす。程なくドアを中から開けてくれた。開くのも擬かしく空いた隙間に体を滑らせて中に入る。もう抱きついた。思考はなかった。体が当然ですとのように動いてる。


「いらっしゃい。朝からホットなハグありがとな」

「私もギュってしてもらって嬉しいよぅ」


お互い、唇を見合って近づけていく、抱きしめ返されて、体の中は'すき'’大好き''♡'が溢れてラッシュアワー状態。その出口を求めて目の前の唇を凝視する。相手から見られていることもわかる距離しかない。いいのか美鳥、お前の彼氏は他の女とキスしようとしてるんだよ。私も彼氏は和也なのに。抱き寄せられたら、そんな考えは消し飛んだ。魂までひとつになることをのぞんでいる。


と、ここでフリーズした。


「ちょっと待って」

「なんですか!いいとこなのに」


'好き大好き'の気持ちが体の中でデモ行進をしている。なんでというバリケードを壊そうとしてる。


「コトリ、いるんだろう。美鳥きたよ」


 彼は振り返って奥の部屋へ声をかけている。誰かいる? コトリってだれ? 好きの気持ちはどんでん返しで舞台の裏に引き込まれた。新たに出てきたのは、


「?」


彼は誰かと話をしている。背が低い何かと。


「コトリ、美鳥だよ」


 だれと話をしてる? 思い出した。'コトリ'は美鳥が自分のこと言う時に使ってたんだ。


「一孝さん、誰かいるんですか? 私がいるのに変ですよ」


 彼は首肯してこちらを見る。


「美華姉、美鳥の真似はやめましょう」


  バレた!


 なんで?何がいけなかった


「なんでバレたの?、もともとそっくりだし、仕草も真似たはず。教えて?」


 彼は何か言いづらそうに上を向いたり、下を向いたり、


「見えてない」


 何にが見えていないの? 彼は見えているの?


「何が?」


 話を逸らされた。


「それに」


 今度もなんで言いづらそうなの?


「それに、抱きつかれた時の柔らかいもののボリュームが違ってたりします」


 思わず自分の胸を腕で庇った。


「えっ……。そんなこと? そんなに?」


 俺は首肯する。頬も紅い。そっぽ向いて、照れ隠ししている。


 美鳥ーっ、今度剥いて確認してあげるかるね。待ってなさい!




 すると、彼の携帯から着メロ。音声がスピーカーから声が漏れてる。


「美華姉、そっちにいませんか? コトリ経由で気配きましたから。」


  

 また、'コトリ' ?

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