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年下幼馴染は同級生 でも1/3は俺が嫌い  作者: つむら湯
2度目の登校。再会、出会
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玄関にて候

「あんたヴァカよ」


 親のあんたには言われたくない。気安く言われたのは努力の結果。


「全く何をしているのだか」


 ママは呆れて、嘆息している。


「一孝くんの連絡先を知らない? 1週間どうしてたの?」


 自分でもヴァカだと思う。お兄ぃのマンションに行った時。ゴミ係だと伝えた時、捨て方を教えた時、聞くことは出来たはず。お兄ぃの連絡先聞いてなかった。マンションの場所は聞いた。階数も聞いた。でもね、連絡先を聞いてなかった。クラス内のSNSにも参加してないし。

 ママから言付けを頼まれた。伝えようとしたら、この体たらく。仕方なくお兄ぃのマンションに行くことになった。少し頑張れば徒歩でも行ける距離。夕方といえる時間帯にマンションのエントランスについた。インターホンでお兄ぃのルームナンバーをプレートにあるテンキーへ打ち込む。呼び出し音が数回鳴っているが繋がらない。出かけるとは朝に聞いている。まだ帰ってないのかな。もう一度打ち込んでみる。最後のエンターは押し続けた。

ブツっ。インターホンのスピーカーと私の頭の中と両方で同じ音がした。


「ヤッタァ繋がった。はいはーい!どなたです?」


 インターホンから小さい時によく聞いた声がした。聞き慣れた声だ。そのうちに中扉が開く。私は走ってエレベーターまで行き6階のボタンを押した。何度も押した。


「いるの?」


 チン、降りてきたエレベーターに乗り込み、閉のボタン、6のボタンを矢継ぎ早に押す。エレベーターの階数表示の動きがもどかしい。6階で降りるとお兄ぃの部屋の玄関へ行きドアノブをつかんだ。体の一部が伸ばされ吸い出させる不思議な感じの後、

 ガチんと耳と私の頭の中で鍵が開く音がした。ドアノブを引っ張り開けると、内側のドアノブに片手でぶら下がる子供が見えた。亜麻色の髪でつむじがわかる。するとこちらを見上げてきた。


「美鳥ちゃんだ、こんにちはぁ」


 ヒイィ

 私は息を呑んだ。


「いっしょにいよぅよ。あそぼ 遊ぼう!何して遊ぼう」


 私は引き込まれた。

朝は琴守宅、その後、病院で検査、診察。午後から体育館に詰めていた。

最近、ルーチン化してきた薬局スーパーでコトリのお菓子を買って帰る。エレベーターで6階に上がり玄関を開ける。

 ドアの向こうには亜麻色の髪のつむじが2つ。玄関に寄りかかってきたのだろう、支えを失い抱き合う2人は俺の方へに倒れてきた。


「危ない」


 背中から支えてあげた。頭を打たなくてよかったよ。


「てっ誰?」 

「コトリだよ」


 それはわかる。もう1人は?亜麻色のロングヘアーで編み込みハーフアップ。見たことのある髪色髪型。美鳥だよ。


「……お兄ぃ」


 美鳥の声が聞こえた。声に力が感じられない。


「膝が笑ってる、腰に力が入んないよぅ」

「わかった。少し我慢して」


 俺は美鳥の脇に腕を差し込み引き上げる。そのまま体を返して玄関の中に入れた。

「コトリ、体離してね」


「はいなっ」


 コトリが離れたのを見て美鳥をゆっくりと降ろして三和土に座らせた。


「お兄ぃ…」

「どこか痛いのか?」

「この娘、この子誰?」

「えっと…」


 どう答えて良いのか分からず言い淀んでしまう。


「コトリは美鳥だよ」


 そばに立っていたコトリが返事をした。


「ヒイィ」


 美鳥は小さい悲鳴を上げて動かなくなった。気を失ったのだろう。このまま玄関に居させるわけにもいかず、美鳥をだきあけ、俺とコトリが使っているベット

まで移動させ横たえた。


「さあ、どう話をしようか」

「ケセラセラだよ」

「おっ難しい言葉知ってるね」

「えへへ」

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