ロリ殺人事件〜ロリコンは誰だ〜
あなたはロリコンを見つけられるか
俺は探偵である。
遠い親戚を名乗る者から招待状を貰い、ある館へと足を運ばせ、慣れないながらも館でのひとときを送っていたところだ。
俺が招待された館は、来る時に民家のひとつも見かけないような山の山頂付近に位置する。もちろんあなたの他にも呼ばれているものはいて、その人数は8名。招待主とその使用人を加えると合計は10名。
俺は友人のキモデブと猥談をしていると、遠くから悲鳴のようなものを聞き取った。
✣1日目✣
「きゃあぁぁぁぁぁーーー!」
キモデブと俺の視線が叫び声の方向へと向けられる。互いに思ったことは一致していたようで、特別なアイコンタクトは交わさずとも何事かが起きたようだと察した俺たちはその声のする場所へと足を急がせた。
曖昧な地図を頭の中に広げて少なくとも2階であるのは間違いないだろうと判断し、しかしその後に向かうべき場所はあまりよくわからないので、階段を駆け上がりながらさてどうしたものかと思っていたのだが、そんな事は不要なようだった。
一室の前に人が集まっていたので、近くにいた男、たしかほぼ他人と言って差し支えないくらい家系図が離れているらしい男に状況の説明を仰いだ。
「そ、それが、幼女ちゃんが息をしていないって……。」
ツインテ幼女ちゃんは俺のはとこにあたる存在で、今回は家族3人と、今回は親が急用で来れない、これまたはとこの黒髪短髪ちゃんとの4人で来ていたはずだ。
俺は衝撃を覚えながらも部屋の中を覗くと、ぐったりとした幼女ちゃんと、側で涙を流しながら幼女ちゃんを抱く、幼女父と幼女母の姿があった。
「おいおい、誰かがロングブレスダイエットやってると思ったらとんでもないことになってんじゃないかよ。」
「ああ、そうみたいだな。」
キモデブの呟きに俺は同調する。
事件は起こってしまったようだ。
******
混乱する場を落ち着かせ、眼鏡をかけたメガネが、一旦全員を広間に集めるように促した。
「さて、もう知っていると思いますが、この館で殺人事件が起きました。」
「お、おい、せやかて、なんやて、ほんまか、メガネ。」
動揺する褐色の男性。こいつは死亡フラグ1級建築士っぽい発言をしたので、死ぬのは遠い未来ではないだろうと俺の明晰な推理脳は推測した。
俺は周りを見渡す。
*状況整理
死体:
首にくっきりと手の跡がある
死因は窒息死で間違いない
死んでから1時間も経たずに発見されたようだ
見つけられた時刻は午後の8時ジャスト
現場を一番最初に見つけたのは親では なくメガネ野郎らしい。幼女ちゃんの死体は幼女ちゃんの個室にあったが、果たしてなぜ彼が幼女ちゃんの個室に入っているのだろうか。
容疑者:
1人目、俺。探偵である。その情報は友人であるアツヒロにしか開示されていない
2人目、キモデブ。俺のいとこ兼友人。俺とキモデブの親はどちらも来ていない
3,4,5人目、死んだツインテ幼女ちゃんと、幼女父と、幼女母。父が落ち着きすぎているのは気のせいだろうか
6人目、黒髪短髪ちゃん。
幼女ちゃんと仲が良かった。小学3年生だがもっと幼く見えるし、何より愛くるしい顔立ちのせいでみんなからは未だにちゃん付けで呼ばれている。目が虚ろであるが今は気にかけれる大人はいない
7人目、関西弁くん。
俺が部屋で事情を聞かせてもらった人兼死にそうな人。たしか関東住みである
8人目、メガネ。
なんか急に仕切り始めたイキリメガネ
9人目、この館の主。
この場に来ていないようだが何故だろうか
10人目、ババア。
メイドの初老の女性。この人が幼女ちゃんを絞め殺せる程の力を持っているようには思えない。
その他:
今の天候は雪。ここに来る途中の橋が壊れてしまい、外とは隔絶されている。警察にはもう連絡したようだがここに来るまでには時間がかかるだろう。
メガネは状況の確認を交えつつ、話し合いを進めていった。
「つまり、この中に幼女ちゃんを殺害した犯人はいます。」
「な、なんだってそんなことが言えんだよ、しょ、証拠はあんのかよ。」
キモデブの迫真の顔に冷や汗が垂れる。まるで自分が犯人かのような迫真っぷりだ。
「と、とにかく俺は殺人鬼となんか一緒にいられない、お、俺は部屋に帰らせてもらうぞ。」
こいつは1人で犯人と被害者をやりでもするのだろうか。地産地消は褒められるべきことだが、これでは何も進まないので何とかこの場にとどまらせる。
「まあ、私から言わせてもらうと犯人像はもう絞られているんですがね。」
「ほ、ホントですか。私たちの娘を殺した犯人は一体誰なんですか。」
「というか自分、さっきから勝手に話し合い進めてもうてるけども、何者なんや。」
まあ、俺も大体の犯人像は絞れているが、ここは静観でいこう。
「ふっ、名乗るほどのものでもないんですがねぇ。まあ、強いて言うならただのサラリーマンですかねぇ。」
何を強いたのだろうか。
「まあ、つまりですね。幼女ちゃんを殺した犯人は『ロリコン』ということです。」
そう、そう考えると辻褄が合う。この事件の解決方法はロリコンを見つけることだ。
しかしそう簡単にロリコンがしっぽを出すことも無く、ロリ踏み絵なるものは無意味に終わり、夜も遅くなってきたこともあって自然に解散の流れとなった。
******
メガネ
は?なんで幼女ちゃんの部屋にいたかって?ああ、それは少女ちゃんから探すように頼まれたからだよ。黒髪短髪ちゃんと遊んでいたはずなんだがいつの間にかいなくなってたらしいんだ。
おい、お前。それは私のカバンだ。触るんじゃない。
ちらりと見えたスマホの壁紙が短髪幼女だったような気がしたが、確証は得られなかった。
黒髪短髪ちゃん
……犯人のこと絶対に許さない。あなたの事も、信じてないから。……分かってる。今夜は幼女ちゃんの親と一緒に寝ることにする。
幼女母
今は放っておいてちょうだい
幼女父
ごめんね、母は今あの状態だから。ん?幼女ちゃんを最後に見たのはいつかって?幼女ちゃんを直接見ては無いけど、黒髪短髪ちゃんと遊んでいたのは知ってるね。
ああ、そういえば、僕が調理場に飲み物を取りに行った時、黒髪短髪ちゃんを見かけたから話しかけたら、「今幼女ちゃんと遊んでるの」って言ってたなあ。多分飲み物を取りに来たんだろうね。
その時刻かあ。7時半くらいだった気もするけど…メイドのババアが居たから彼女なら覚えているかもね。
そうだね、今夜はしっかりと黒髪ちゃんを見とくよ。
メイド(ババア)
あら、そうですね。確かに幼女父さんは調理場に来ましたよ。時刻ですか。私が夕ご飯の食器洗いを済ませたあたりで来たのでねぇ、多分7時40分辺りじゃないでしょうか。
誰と一緒にいたかって?ほとんど1人で作業してましたからなんとも。
まあ、旦那様の食事にはお付き合いしましたが。旦那様は仕事が終わって遅くにご食事を取られますので、皆さんの食器を洗った後に旦那様の食事に20分程度付き合いましたところ、悲鳴が聞こえてきましたわね。
館の主
ああ、入っていいぞ。
聞いておるわ、そんな事。いやはや残念な事だったがまさかお主ワシを疑っておるんじゃあるまいな。言っておくがワシは今日一日この部屋におったぞ。
ったく、せっかく親族を招待して楽しい催しでも開こうと思ったのに急に仕事は入るし、事件は起きるし散々じゃわい。
ああ、そうじゃ、事件の起こる前からババアはワシと一緒にいたぞ。
関西弁
おいどんか?いや、何してたって言われても困るどすえ。わっちはずっと一人でいてなすったからなあ。いや、でも小生が犯人では無いでござる。あっ、でもメガネ怪しくないかい?いやね、しきりにメガネはツインテ幼女ちゃんと黒髪短髪ちゃんに話しかけてたんだよ。
******
キモデブと俺は7時20分頃から一緒にいた。悲鳴の聞こえた部屋に行く前に時計を見ていたからこれは確定だ。
そして、7時40分頃に黒髪短髪ちゃんは「幼女ちゃんと遊んでいる」と言っているから、その時刻までは幼女ちゃんはいたはずだ。よってキモデブにはアリバイが確立する
また、メイドと館の主にも犯行は厳しいだろう。しかし不可能という訳では無い。
幼女の母からはあまり情報を引き出せなかった
現段階で、メガネにロリコンの疑いがある
関西弁の関西弁の崩壊が著しい
まあ、一応キモデブにも話を聞いてみるか。
******
キモデブ
どう?情報は集まった?ちょっと俺、今から風呂入ってくるわ
……俺はキモデブのスマホを拝借した。
考えられる全ての番号を入れていく。
まずは0000...あ、解除できた。
写真には目立ったものは無いが、気になるファイルを見つけた。「エロ」と書いてある。まさか、お前...。
少しの逡巡の末、ファイルを開けてみると───
大量の触手のえろ画像がでてきた。
......メモに追加しておこう。
✣2日目✣ (解答フェーズ)
*状況
朝が訪れる。天候は相変わらず豪雪。たいして状況は変わらず、帰宅は望めない。
*行動
翌日、黒髪短髪ちゃんが行方不明になった。
黒髪短髪ちゃんと幼女親の部屋は寝る前に鍵をかけており、翌朝、その鍵は空いていた。
早く探し出そうとはやるものたちを落ち着かせ、俺は全員を集め、自分が探偵であることを明かし、昨日集めた全ての情報を開示した。
「と、いうわけです」
「あんた探偵やったんか」
「まあ、そういうことです。
そして犯人の目処ももう着いています
更にその過程で黒髪短髪ちゃんの行方もわかる」
「何、それは本当か」
メガネと関西弁以外もこの答えは意外だったのか、俺の方に目線が集められる。
キモデブが問う。
「おいおい、一体誰なんだよそいつは」
「落ち着け、まだ確証は得ていないんだ」
「まあ、でも今の話を聞くに、ワシと、ババアと、そこのキモデブの犯行ではないんじゃろう。ワシは今日も忙しくてのう。そういうことなら先に部屋に帰らせてもらっていいか」
「それは困りますね。別にあなたがたにアリバイはないんですから」
「!?」
「おい、どういうことなんだ俺?
お前がさっき、7時40分頃までは幼女ちゃんがいたって言ったんだから、7時20分からお前と一緒にいた俺に、犯行は無理だってことじゃないのかよ」
と、キモデブが気持ちの悪い吐息がかかる距離まで詰め寄ってきて主張した。
「別に俺は7時40分に幼女ちゃんがいたなんて一言も言ってない。ただ幼女父が、7時40分に黒髪短髪ちゃんから『今、幼女ちゃんと遊んでる』と言われた、と言っただけだ」
「それの何が違うんだ。まさかその時には幼女ちゃんは黒髪短髪ちゃんと遊んでなかったって言うのか」
「そんなことは言っていない。ちゃんと一緒に遊んでいたさ。なあ、幼女父はさっきの黒髪短髪ちゃんの言葉を、飲み物を取りに来た、と解釈したらしいがそれって合ってると思うか」
「何か関係あんのか、それ」
「なあ、黒髪短髪ちゃんと幼女ちゃんは何をして遊んでいたんだと思う」
「そりゃカードゲームとかじゃないのか。確か黒髪短髪ちゃんがそういうの沢山持ってきてたし。あ、もしかして7時40分に黒髪短髪ちゃんが調理室に居たのだけだとその時刻に幼女ちゃんがまだいたってことにはならないとかか?
いや、そうだけどさ、部屋から調理室まで5分もかからないんだから少なく見積っても7時30分くらいにはいたはずだろ。じゃあ俺には無理だよ」
「全然違うな」
「じゃあ何してたんだよ」
「ここまできたら、もう分かると思ったんだがな。いいか、黒髪短髪ちゃんは別に飲み物をとりにきた訳でもなく、別の目的で調理場に向かい、なおかつそのまんまの意味で、少女ちゃんは現在進行形で遊んでいたんだ。
ババア、別に黒髪短髪ちゃんは飲み物を取りに来たわけじゃないんですよね」
「はい。私も最初はそう思ったんですが、ウロウロと歩き回ってすぐに出ていってしまいました」
「なるほどそういうことか」
ここで納得を示すメガネ。
「そのふたりがやってたのは【かくれんぼ】だな」
「そういうことです。そしてそうなると一気に状況は変わる。調理場には幼女ちゃんが隠れていないか探すために来ていた。この館はかなり広く、探すのにもかなり時間が経っていたでしょうね。子供の足ともなると下手したらその時点で30分以上はたっていたかもしれません」
「そうか、てっきり俺は黒髪短髪ちゃんから探すのを頼まれたのは急に行方をくらましたからだと思っていたが、単にかくれんぼを手伝って貰いたかっただけなのか(メガネクイッ)」
「となるとあなたがたのアリバイは崩れることになるんだ」
ここで幼女父が
「ちょっと待ってくれ。私は2人がかくれんぼをしているなんて聞いてないぞ。やってたら会った時に『今かくれんぼしてるの』という方が自然じゃないのか」
「あなた、この館に着いた時に何か2人に言ったりしませんでしたか」
「と言うと?」
「そうですね。例えば『あまり歩き回るんじゃないぞ』とか『他人の家なんだから礼儀正しくしなさい』とか、そんなこと」
「…確かに言ったかもしれない」
「普通に考えたら、他人の家でかくれんぼというのもどうかと思いますし、その類とことを言われてたんなら尚更。バレたら怒られると言わないまでも少しうしろめたさを持っており、そのせいで濁した言い方になったことは十分考えられます」
納得したようで幼女父は引き下がる。
俺もここまでで一旦の話の区切りは着いたので近くにあった椅子に腰かける。
「せやけど、これだけじゃアリバイが崩れたってだけで誰が犯人かは分かってないやん」
「それより先に、黒髪短髪ちゃんを見つけましょうか」
「居場所がわかるのか(メガネクイッ)」
「あんたがよーく知ってるんじゃないのか」
「……どういう意味だ(メガネクイッ)」
「順を追って整理をしようか。と言っても順なんてないな。あんたの部屋に黒髪短髪ちゃんはいるはずだ」
「証拠がないのに好き放題言ってくれるな」
「あんたのとこに昨日、黒髪短髪ちゃんがいったんだろう?どうやら黒髪短髪ちゃんは幼女ちゃんのことであんたを疑ってたらしいからな。犯人を許さないとも言ってた。おおかた何かしらの武器を持ってあんたの部屋に行ったんだろう」
「!!」
「おい、俺!メガネの部屋のクローゼットに黒髪短髪ちゃんがいたぞ!」
幼女父がいつの間にかメガネの部屋に行き、黒髪短髪ちゃんを探してきてくれていたようだ。
メガネは苦悶の表情を浮かべ、それにキモデブが詰寄る。
「くっ(メガネクイッ)(苦悶)」
「おいっ。おまえが犯人だったのか!
ロリでなくとも、若ければ何でも良かったってことかよ」
「あなたが…あなたが私たちの娘を殺したんですか……?」
「違う!確かに黒髪短髪ちゃんをクローゼットの中に入れたのは私だが、幼女ちゃんは違う!」
俺は今にも殴りかかろうと激高するキモデブを押さえ込みながら続ける。
「それも本当だ」
「なんでそんなことが言えんだよ。こいつがやったと考える方が普通だろ」
「いや、違う。
何故ならメガネは、いや、【彼女】は。
【ショタコン】だから。
だから【ショタ】の黒髪短髪ちゃんを閉じ込めたんだ。関西弁が見た、幼女ちゃんに話しかけるメガネの本当の目的は、黒髪短髪ちゃんだった。あと、多分幼女ちゃん探しも頼まれたんじゃなく、1人だった黒髪短髪ちゃんに下心丸出しで話しかけて、しつこくなった黒髪短髪ちゃんがおいやる理由付けで頼まざるを得なかったんだろう」
「なんだってそんなことが言えるんだ」
「メガネのスマホを見るといい。
最初は俺もコイツは女ながらにロリコンだと思ったんだが、よくよく思い返すとホーム画面のあれはショタだったような気がしたんだ。なにせショタとロリはイラストの造形が似ているからな。極端に言えばロリの黒髪短髪なんてほぼショタだ。
これでショタの画像が大量に出てきたら黒だろう」
案の定、メガネのスマホからは大量のショタ画像がでてきた。
「うぅ(メガネクイッ)。すまない…てっきり黒髪短髪ちゃんが私に夜這いしにきたものだと……。」
「ショタコンも立派な犯罪だ。後で警察が来たらロリコンと一緒に突き出してやる」
「せやけど、コイツが幼女ちゃんを殺してないってんなら一体誰が幼女ちゃんを殺したんや」
「それは……」
できれば俺の思い違いであって欲しい。しかし、どうしても気になることがある。俺の推理が正しければ犯人は……。
「キモデブ」
「んっ?どうした?」
「お前のスマホを見せてくれないか」
「えっ、急になんで」
この反応で疑問は確信へと変わってしまった。昨日見た画像ファイル。触手のインパクトが強すぎて気が付かなかったが、まあ、触手単体の画像では当然無く、それに付随するものがあったはずだ。
俺はキモデブからスマホを半ば強引に引ったくり、昨日と同じファイルを開いた。
そこには触手に襲われる【ロリ】の画像が大量にあった。
「……キモデブ」
「…へっ、全部バレちまったか。探偵の友達なんて持つもんじゃねぇな。」
「じゃあ本当にお前が」
「ああ、そうだよ。俺が【ロリコン】だ。でもな、幼女ちゃんは俺に感謝しているはずだぜ。なにせ永遠にロリでいさせてあげたんだからな。それにしても可愛かったなあ」
分かっていたこととはいえ、ショックが大きい。キモデブがロリコンならば、キモデブが俺と同じで熟女が好きっていうのも全部嘘なのかよ。あの暑く語り合った時間はなんだったんだ。
裏切られた気分だ、いや、実際に俺は裏切られたんだ。
その日の夕方、天候は回復し、警察がロリコンとショタコンを連行していった。
次は「俺と目の前の俺と妹と」を書きます。SFチックです。良かったら読んでください。