目的
奴は剣 みこは何故ここまで俺達を殺そうとする?罪を逃れるためか?なら自分の能力でなんとかなるはずだ。となると剣は他にも目的があるのか?クソ考えて埒が明かない。とりあえず急ぐぞ。
俺は剣の企みを考えながら走る。
『〜♩〜♩〜』
俺が走ってる対角線上に楽器を弾いている女がいた。
いい音色だ。時間があればゆっくり聞きたかったよ。
俺がそう思ったのもつかの間。俺に向かって音符が飛んできた。
「なっ」
俺はギリギリその音符をかわした。
「不意打ちを避けるとはいい反射神経ですわ」
さっき楽器を引いていた女が話しかけてきた。
「ふん、あんないい音色を奏でるあんたが奴の手駒だとは思わなかったがな」
「そうでしょう。あの曲は私が作曲したものですわ」
となると奴は作曲家といったところか。
「先手必勝だ!喰らえ!『円』」
俺は『円』を飛ばす。と同時に奴は椅子に座り
空に飛んだ。
「は?どうなってんだその椅子は!」
後ろにプロペラのようなものが付いてる。あの洗脳ヘルメットと同じ奴が作ったのか?となると剣の手駒には機械技師的な奴がいるな?
「貴方の攻撃を避けるのは容易いことですわ」
奴は煽り口調で言う。
「それで避けたつもりか!」
俺は『円』の軌道を上に変えた。
「残念ですがその攻撃は当たりませんわ」
『円』は奴の目の前で消滅してしまった。
「消滅した?はっ、まさか…」
俺は気づいてしまった。
「射程距離外…」
射程距離に出たから文字が消滅したのか。
「なるほど貴方の射程距離は15…いや20mですわね」
俺に射程距離がある事を知っている。奴は一体…
「お前は一体何者だ!」
俺は叫ぶ。
「私はクリス・ローデン作曲家ですわ」
「俺の射程距離の事を何処で知った!」
「貴方の射程距離の事は剣様から伺いましたわ」
剣からだと?剣 みこ頭はいいと会った時から思っていたがここまでか。
そんな事を思っていると不意にあの時の疑問が頭をよぎる。奴、剣 みこの目的が。
「お前らは何がしたいんだ!俺はお前らに目的を達成したいという意志を感じた!お前らの目的はなんだ!」
俺は疑問を解決するためにクリスに問いかける。
「まぁ教えても大丈夫でしょう。どうせ止めることなど出来ないですから。私達の目的は剣様をこの国の女王にする事ただそれだけですわ」
は?何言ってんだこいつ剣が女王になれるわけ…いや、剣の能力を使えば可能か。しかし電話を全国の人達にするのは不可能。じゃあ何故剣は能力者に電話をかけ洗脳する事が出来ているんだ?まさか!剣の手駒の機械技師的な奴がからんでいるのか!洗脳ヘルメット、空飛ぶ椅子、これらを作り出した奴だそいつなら可能かもな。となるとまだ不完全というわけだ。完全になるのは時間の問題…俺を殺すついでに時間稼ぎをしたのはこれが理由か。
「ちなみに私は女王になった時に大量の金をくれるという条件で剣様にしたがっていますわ」
「とことんどクズだな」
「あら、そんなこと言っていいのですか?貴方の攻撃はここまで届かないのに。頭が悪いんですわね」
このクリスとかいう女とことんムカつく野郎だ。
「そろそろ話は終わりにしましょう。」
そういうとクリスは右手を前に出す。そうするとクリスの手にペンが出てきた。そしてクリスは空中に音符の『ド』を書いて飛ばしてきた。
俺は『三』で受け止める。
「似てんなお前と俺の能力」
「そうですわね。ですが少し違いますわ」
そうするとクリスは空中に『ド』の音符と『レ』の音符を書きそれをくっつけた。
「私の能力は音符を飛ばす能力と音符を繋げ、繋げた量と比例して威力とスピードが上がるという能力ですわ。ちなみに防御は出来ないですわ」
だから空中に逃げたというわけか。
「防御が出来なくてもそもそも貴方の攻撃は当たんないですしねー」
あぁー。こいつ超ムカつく。まじでムカつく。
「ほら踊りなさい」
クリスは『ドレ』飛ばしてきた。
俺は『円』で防御した。がそれを突破して頬を掠った。
人を気絶させることが出来る4画でも防げきれないのかよ。たった2つしか繋げてないんだぞ。
「一時撤退だ」
俺は近くにある建物に逃げ込んだ。
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「クソどうすりゃいいんだ!」
とりあえず奴と同じ高さまで上ったが。この建物からも20m以上離れてやがる。どうすりゃ倒せる。
「建物に逃げ込んでも無駄ですわ」
クソ。また煽るのかやあのクソ野郎。
「その建物に逃げ込んのも予測済みですから」
そう言い放つと音楽と共に建物が崩れ始めた。
「っ!?」
「私の能力にはもう1つサブ能力見たいなものがありましてその能力は音符を繋ぎ、曲になっていると建物を崩す程の火力を出すことが出来るという能力ですわ。あらかじめその建物に音符を設置して置いて正解でしたわね」
このままだと建物には潰される!どうするどうする。落ち着け。外に飛び出しても落ちて死ぬだけ。打開策はないのか?
そう考えているある打開策が頭をよぎる。
「もしのダメなら俺は死ぬな。どっちみちやらなくても死ぬんだ。なら行動した方がいいなぁ!」
俺は窓を開けそこから飛び出した。
「馬鹿の最後の抵抗ですわね」
馬鹿はどっちか教えてやるよ!俺が何の策もなしに飛び出しきたと思っているのか!
俺は空中で飛んだ。まるで地面を踏んずけたように。
「なっ!どういうことですの!空中歩行なんて貴方の能力では空を飛ぶことなんて…」
ふっ、今更気づいたのかよ。
俺は『六』という文字を書き空中で静止させそれを足場にして空中歩行を可能にしたのだ。
「クソ!クソ!クソ!」
クリスは『ド』『レ』『ミ』を繋げて飛ばしてきた。
俺は『六』と『円』と『王』という文字を書き飛ばし空中に静止させた。そして俺はその文字を踏みクリスの攻撃を避けた。
「どうやら繋げると直線にしか飛ばせないようだなぁ!」
「来るな!来るなぁー!」
「本性が出てるぞクソババァ!」
俺は射程距離20m以内に入り奴のプロペラに『億』をぶつけた。そうするとプロペラがとれ地面に落ちていく。椅子は地面に着くと同時に爆発した。
「俺は人殺しにはなりたくないんだよ。」
一応爆発からは文字で守ってやったが、気絶程度には衝撃が届くように仕向けた。
「この爆発だ警察も来るだろう。早く向かわないとな剣の目的も伝えないと」
俺はさっき習得した空中歩行で編集部に向かう。
「これならもっと早く着きそうだな」
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