これが俺の第1話
突然だが俺は能力者だ。
厨二病ではない。
この能力が発現したのは小説家になって2年後だ。そんなことより能力の内容が聞きたいって?わかったわかった。教えるから。俺の能力はペンと手帳を出して手帳に出したペンで文字を書きその書いた文字を操る能力。防御に使ったり、シンプルに攻撃に使ったり、軌道をかえて相手を攻撃したりできる。ちなみに射程距離は20mだ。この能力にはもう1つ能力がある。それは書いた文字の画数によって防御力、攻撃力、速度が上がる。まぁこれからどんどん成長して今の俺になるのだがな。そういえばあの日からだったか。俺の人生というストーリーが急激に変化したのは。
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「担当が来るまで後5時間もあんのか」
俺の名前は神園 景色。今コンビニから帰ってる途中だ。
「早く帰ってスマホゲームでもするか」
俺は近道するために路地裏に入っていった。普段20分ぐらいで家に着くがこの近道を通れば5分ぐらいで着いてしまうのだ。良い近道なのだがこの路地裏は不良の溜まり場となっているのが残念なところだ。
「不良に目をつけられる前にさっさと退散しよう」
俺は駆け足で最後の角を曲がった時俺は見てしまった、殺人現場を。
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俺は本能的にペンと手帳を出した。そして俺が構えた瞬間殺人犯は一瞬で25mプールぐらいの距離をつめてきた。俺はとっさにペンで殺人犯のナイフをガードした。そしてカキンといった金属が当たった音がした。
「おや?意外に頑丈ですねそのペン。私のナイフでは斬れないみたいですね」
殺人犯はニヤリと笑う。
「お前何者だ?」
「何者?どうお答えすばいいのでしょうか?そうですねー、『ジャック』とでも名乗っておきますか」
再びニヤリと笑う。
今の速さ、こいつまさか…
「お前能力者か?」
「Yes、私も驚きましたよ。能力者が私以外にいるとは」
「それにかんしては俺も同感だ」
そして数秒間静かな時間がながれる。静かな時間を邪魔するかのように血の水滴音が鳴り響いた瞬間2人は動き出した。
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俺はまず『あ』という文字を書き真っ直ぐ飛ばす。ジッャクに命中したがダメージはないようだ。
「クソ。こいつ鍛えてんのか?」
ジッャクのナイフをペンで再び受け流す。
「おっと、失礼しました。私の能力の説明をするのを忘れていました」
俺は少しイラッとした。
「なんだ?舐めプか?」
「いえいえ違いますよ。私は紳士ですからね。平等にいきましょう」
「平等?俺の能力がわかったと言うのか?今の1回の攻撃で?」
俺は煽り口調で言う。
「はい、大体は分かりました。」
「ならしゃーないかいいぜ。言えばいいさ。後悔しても知らねぇけど、紳士さん」
「そうさせていただきます。私の能力は殺意です。相手にたいする殺意が高ければ高いほど身体能力が高くなる。私の元の筋力とあわせて使えばとてつもない身体能力を手に入れることができるということです。」
なるほど、攻撃が効かないわけだ。やはり3画の攻撃力ではダメか。もっと画数あげるか。
「次はこの文字で…」
ジャックがまた距離をつめてきた。
俺はすぐに『百』を書き真っ直ぐ飛ばす。そうすると今度はナイフで文字を斬りさいた。
しまった!間合に入られた。ペンでナイフをガードしないと。
俺は腹辺りにペンを近ずけ防御体制になった。
「そういった読み合いは慣れていますので」
ジャックはそう言うとペンとは逆側に蹴りを入れる。ドゴンといった鈍い音が鳴り響く。
「がはぁ」
体勢が崩れたところにナイフで攻撃してくる。
俺は左腕でそのナイフの攻撃を受け腹への攻撃を回避した。しかし、その後腹を蹴られ壁に激突する。
「汚いと思っていたのですが、あなたとても綺麗な血の色をしていますね。あぁ興奮してきましたよ。あなたが死んでいく姿を見るのを想像すると」
ジャックはゆっくりこっちに近ずいてくる。
「馬鹿かお前は!喰らいな!」
俺は手帳をジャックの方に向ける。
「『衝』画数15画だ!」
俺はジャックの顔面に向かって真っ直ぐ『衝』の文字を飛ばす。
しかしジャックはその攻撃を余裕の顔で避ける。
「なっ」
「真っ直ぐ来ると分かれば避けるのは簡単ですよ」
そしてジャックはナイフを上に振りあげる。
「今私はとても機嫌がいいです。なので最後に言い残したことを言ってもらってもかまいませんよ。」
俺はニヤリと笑う。
「さっきの言葉で俺は確信した」
「?」
「俺はただ思い込ませただけなんだ。弾丸のように真っ直ぐ飛ばす能力だと思い込ませただけなんだ。馬鹿みてぇーに書いた文字で防御もせず軌道もかえなかった。俺の能力が文字を『操る』能力だと悟られないように。俺は真っ直ぐ飛ばしていたんだ!」
そして俺は指パッチンをする。
「まさか!」
ジッャクは後ろを向いた。
「もう遅い」
さっきの飛ばした『衝』という文字がジャックの腹に直撃した。
「お前は『衝』を避けもせずナイフで斬りもしなかった。その理由は体で受けることもできず、ナイフで斬ることもできないということだ。お前は俺に文字を描かせる時間をあたえてしまった。それがお前の敗因だ」
俺は倒れてるジャックに言い放つ。
「て、もう聞いてないか。」
これからどうしよう。警察事は面倒くさいしな。
「大丈夫っすか!」
後ろから声が聞こえる。
そこには不良のリーダー的なやつがたっていた。
「大丈夫、それと警察呼んでくれないか?」
「わかったっす、救急車も呼びますね」
こいつ良い奴かよ!
「いや救急車はいい」
「でも、」
「俺は警察事は面倒くさいからここから少し離れたところで救急車を呼ぶ。だから安心して警察だけ呼びな。それとそいつ多分起きないと思うけど縄で縛っておいて」
「わかったっす」
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俺はジャックと戦った場所から1kmぐらいの離れたところで救急車を呼んだ。
俺は正直手術などをすると思っていたのだが、俺は今診察室にいる。
「あのー、何故俺は包帯だけ巻かれてる状態なのでしょう」
「大丈夫です。『今』治しますから」
「今?」
俺は今という言葉に違和感を感じていた。
「これ飲んでください」
薬を渡された。
「薬を飲んだだけで治ると言いたいんですか?」
「そうです。飲んでください」
俺は半信半疑でその薬を飲んだ。みるみるうちに傷が塞がっていく感じがした。
「な!もう完治したのか!」
そこに1つの言葉が思い浮かんだ。
「あんた、能力者か?」
「はい」
まじかよ。
「自己紹介がまだでしたね私の名前は神崎 隆一郎です。能力は病気や傷などを治す薬を作ることができる能力です」
俺も自己紹介と能力の説明をする。
「なるほど。あなた職業はなんですか?」
「小説家ですけど」
そう言えと隆一郎は何か確信したような顔をした。
「やはりこの能力は職業やよくしている事に関したまたは似たような能力が発現するという事です。」
なるほど確かに俺は小説家だし。あのジャックだって殺人をしていたし。
「けどあんたは医師じゃないか」
「私は能力が発現した時は薬剤師をやっていたんです」
「なるほど」
「そろそろ後ろがつっかえているんでこれで。あっ、それとこれ電話番号です。」
隆一郎が電話番号が書いてある紙を出す。
「電話番号ではなくメールでお願いします。俺電話は絶対しないと決めているんで」
「わ、分かりました」
隆一郎のメールアドレスをもらった。
「最後に聞きたいことがある」
「なんですか?」
「能力者と会ったのは俺と初めてか?」
「いえ、1人会ってます」
「名前は?」
「名前は知りませんが彼はこう名乗りました『ファントム』と」
ファントムか。
「わかった。ありがとう」
俺はそう言い病院から出た。
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「それにしても生きてて良かったな」
俺は殺人現場を見たと言っていたがまだやられてた人は死んでいなかった。そしてその人は隆一郎の病院に連れて行かれて薬を飲まして完治したそうだ。
「そういえば時間大丈夫か?」
俺はスマホの時計を見た。
「やばい!後10分しかない。ここから走っても1時間かかるし。まぁ、あいつよく遅刻するし少し遅れても大丈夫か」
そして俺は駆け足で家に向かった。
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俺は家の玄関を開けた。
「遅いですよ」
「ふん、お前だってよく遅刻するだろ。剣 みこ」
今思い返せばこの1日が俺の人生というストーリーが変わった1日だったのかもしれない。これが俺の人生の第1話だ。
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