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異世界転移でレベル上げ。  作者: ビッグリップ
4/5

#4絹の情報

今回で、やっと異世界の人間との対面です。

日本ではないが、日本風な世界と思って下さい。


鬼か?

俺は瞬時に槍を構え、扉が開くのを待つ。

「すみません。開けて貰えませんか?」

先程の鬼の様な低い声でなく、女性の声がした。

俺は黙って、恐る恐る窓の前に行き、扉を叩いた何者かを確認した。


そこに立って居たのは、和風の巫女さんぽい感じの着物を来た美少女だった。

着物も元の世界の巫女の服ぽいが、上が赤で下が白と色合いが違うし、上着の着物が派手な感じの花柄が描かれていた。

少し驚いたが、取り敢えず扉を開ける事にした。

「君は誰だ?」


「あ!はい、私はこの村出身の(キヌ)と申します。」

先程の手紙に書かれていた女性か…

「取り敢えず中に。」

このまま外に居たら鬼がやって来るかも知れないので、俺は絹を部屋に入れた。


暫くお互いに沈黙した状態だったが、何も話さないならと、昼食の仕上げを黙々とやる。

聴きたい事は山程あるけど、焦りは禁物。

「あの~貴方は、この封土村の人でもないですよね?」

空気に耐えかねた絹が喋り出す。


「ああ、旅人だよ。名前は真だ。」

別の世界から来た旅人だけどな。


「絹さん、鬼の事は知ってるんだよね?」


「はい。先程、家に帰る途中で確認しました。」


「まだ家に帰ってないのか?」


「はい。家に帰る寸前で鬼の声が聞こえたので、静の家に隠れてました。あ、静ってのは、私の友達です。」


「そうか。あと、君に見せたい物がある。」

そう言って手紙を絹に渡す。

「悪いが君の家に勝手に入り、鬼の情報が欲しくて手紙を読ませて貰った。」

まぁ鬼だけじゃなく、この世界の情報とかも欲しかったのだけどね。


「…構いません。緊急時ですから。」

そう言いながらも、絹は手紙を読んだ。


「そんな…鬼が数十なんて。だけど少しだけ安心しました。お父様と村の皆さんが無事みたいで。何人か拐われたみたいですが…」


「不味いよな。俺もそれを見た時、急いで街に行こうと思ったよ。」

街の場所知らないけどな。

出来れば街の場所を教えて欲しいなと、考えていた。


「無理ですよ。街迄行くには、歩いて片道でも3日は必要です。更には鬼が付近を徘徊してるのですよ。最低でも6日は必要です。それなら封土の祠に行きましょう。あそこなら、数刻でたどり着けます。お父様の事も心配ですし。」


「手紙には、街まで行って助けを呼んで欲しいと書かれてたけど良いのか?」

俺は街に行きたい。

滅茶苦茶行きたいし、鬼が超怖いんだけど。


「はい。手紙の通りに行動すれば食料が尽きて、村の人達は恐らく全滅します。ならば私達で鬼を退治しましょう。」


はい?何言ってるのか、俺にはわからない。

私達で鬼を倒す?は?相手はプロレスラーみたいな体格の鬼なのですが?

しかも数十人の鬼ですよ?

勝てる訳がないだろうが!

「む、無理だろ?あの体格見たよね?あの体格の鬼が数十人居るんだよ。」


「それなら大丈夫ですよ。過去の文献によると、鬼の群れには、大抵、先程偵察に来ていた小鬼の道具を使う戦士系が3、4人で、兵士の鬼は弱鬼と言って、子供と間違えるくらい小さいのです。問題は群れの頭と、小鬼の数と、通常の鬼の数が、どれだけの強さと数…ですが、村の人数と私達で戦えば、恐らく勝てる見込みはあります。」


まだ、話が理解出来ないんだけど…

この娘…なんて好戦的なんだろうか。


少しビビってた小鬼プロレスラーが3、4人。

子供みたいな弱鬼が数十人。

別の小鬼が複数。

通常の鬼と呼ばれるヤツが複数これ絶対小鬼のプロレスラーより強いだろ。

極めつけにボスに群れの数が正確に把握出来てない…


村人数人集めたって勝てねーよ!

数すら把握出来てないのに、何故勝てる気で居るのか…

しかも、何故か俺も数に含まれてるし。

封土村の村人は、そんなに強いと思えないしな。

鬼の話を聞いただけで、不安要素が膨れ上がっただくだった。


「処で、先程から煮詰めてる鍋のお食事、私にも頂けないでしょうか?恥ずかしながら、私は今日まだ何も口にしてませので…」


「あ、あぁ、別に良いけど?」

そう言われ、絹に食事を分ける。


「頂きます。」


「沢山あるから気にしないで食べてね。」


「え?え?美味しいし、なに?この力が湧いてくる感じ。何が入ってるのですか?」


「あ、これ?、そこに置いてある川の大きな魚と、この革袋に入ってる胡桃と、銀色と金色の果物と野草と茸だよ。」

絹を見ると、目を丸くして食材と自分のお椀の中の料理と見比べて驚いている。


「こ、これ、ど、どれも物凄く効果の高い食材で、貴重な品ですよ?川の魚は知魚と言って、不思議な声が聞き取れるとかで、野草って言ってますが、よく見ると百年草も入ってますし、百年草は、数年寿命が伸びるとか、茸は効能はありませんが、香りと味を楽しめる花茸、胡桃は幻の紅力の実と言いまして、人への大きな力を与えるとか、残りの果実は知りませんが、不思議な力を宿してそうですね。……えっと…私、お金余りありませんよ?」

貴重な食材と思い、お金を取られると思ったのか絹は額に汗を掻いている。


「全部の食材は普通に山の森で収穫した物だから、気にしないで食べて良いよ。」

貴重な食材だったとしても、拾ったり簡単に捕まえた物なのだから、金を取る気は全くない。

それに金には興味あるが、今後、売買するなら、また森に行き集めれば良いだけだ。

何より今は鬼の事が第一だ。

それより、先程の加護と思ってた話声や文字の読み書きが魚の効果だったとは、思いもしなかった。


絹を見ると、嬉しそうに、じっくり味わいながら、食事をしている。

「本当ですか?私も昔から何度も封土の森に行きましたが、この様な食材は見付けた事がありませんよ。」


「そうなのか?偶然に見つけた食材だから、そんなに貴重な食材と思わなかったよ。」

俺は、この食材を見付けた事を加護が働いているのかと思った。

何しろ地元の人間が、何度も森に行ってるにも関わらず見付けられないが、俺には簡単に見付けれて収穫しているのだから。


「本当にあの森で採取したのですか?信じられません。」


「現に食材があるのだから、信じないならそれでも良いよ。」


「あ、ごめんなさい。別に悪気があって言った訳じゃありません。ただ、これだけの食材を、何年間も村の人達や、私が見付けられてないのが不思議に思っただけですので。」


「ん?怒ってないから大丈夫だよ。」

俺からすれば、恐らく加護で見付けてるので、不思議に思われても仕方ないだろうな。

「兎に角、食べよう。君は祠に行くんだろ?」


「そうですね。食事を済ませてお父様の所に行かないと。」


「花茸の香りと、紅力も実の辛さがピリッとして

最高ですね。」


「わかる?この辛さと香りが良いんだよ。魚も旨味が溢れて最高だし。」

そう言いながらお互い食事を済ませた。

「ごちそうさまでした。凄く美味しかったです。」


食事の片付けをした後、俺は絹と今後の事に話し合う事にした。


「絹さん、俺はどうしても、鬼に勝てる見込みはないと思ってるんだが。何故君は勝てるとおもうのかな?」


「真さん。貴方は手紙を読ましたよね?だから話しますが、私は封魔士です。封魔士は鬼を討伐出来る力を持ってます。だからと言って絶対に勝てる訳でもありませんが、私だけでなく、村の人達も数人封魔士なので、皆がその気になれば、ある程度は戦えますよ。それに、真さんも居ます。」


「その事だけど、俺は普通の人間だから、戦えないよ?」

やはりこの子、俺も戦力の一つとして

考えてた訳だな。


「本当にそうですか?真さんから、凄まじい霊力と、別の何かを感じますけど?普通の人には、いいえ、人と言えるレベルの人には有り得ない程の力を感じるのですけど?」


いやいや、凄まじい霊力?霊感なんて俺、前の世界で持ってなかったぞ。

だとしたらアルテの加護か?加護の力は、まだ未知数だし、扱えてない上に、霊力なんて、幽霊とかを除霊したり、感じたり、話したりするだけの力だろ?

鬼には関係ないだろ。

「霊力ね…もし、もしもだよ、俺が霊力を持っていたとしても、俺は霊力を扱えてないから確実に戦闘は無理だよ。」


そう言うと絹は黙り、何かを考えていた。


数分後。

「まだ覚醒してないだけですね。わかりました。貴方の力を、どれだけ引き出せるかは、わかりませんが頑張ります。その為には、やはり祠に行かないと駄目ですね。」


「祠ね…やっぱり行かないと駄目かな?」

明らかに鬼と戦うフラグが立ってるよこれ。


「駄目に決まってます。まだ、わかりませんか?このままだと、私も貴方も村の人達も全滅する確率の方が高いのですよ。だけど、戦えば、生き残る確率はかなり上がります。ここで話してても仕方がないので、行きましょう。」

絹は立ち上がり、祠に行く準備をしだした。


「……俺も男だ。覚悟を決めるわ。」

なんだかんだ考えた所で、今の現状を変えるには、取り敢えず祠に行き、絹に俺の覚醒?をして貰うしか方法がない。

俺も準備をして、祠行きの覚悟を決めた。

鬼と戦うかは、その後で決めても良いだろうしな。


鬼に見付からない様に、絹が御札を俺の胸に付け、祠に向かっている。

絹が言うには、この絹の御札を胸に付けると、悪魔や鬼等に感知されにくいらしい。

「今、祠までの道を半分は来ましたよ。もう少しです。頑張りましょう。」


「もう半分来たの?意外と早いね。」

しかし、御札の力なのか、何者もあらわれなく、二人だけで歩いてる感じだった。


また暫く歩いてると、獣臭い…熊か?

周囲に獣臭が漂う。


「真さん、気付いてますよね?」

絹が小声で話し掛けてくる。


「ああ…近くに居るな…」

二人で歩きながら、俺も小声で返事をする。


「恐らく…獣魔ですよ。それも大きい獣か複数か…警戒しつつ歩きましょう。」


「わかった。」

緊張しながら歩くのってかなりきつい…

所で、獣魔?…やはり異世界か?怪物(モンスター)の類いが存在する言葉だな。

それにしても御札の効果は獣には効かないのか?

鬼や悪魔に効果があって獣には効かないのも、種族的な物なのか?

「絹さん、この御札は獣魔には効果がないのかな?」


「はい。御札は霊的な怪物には効果がありますが、獣魔には効果がありません。ですが、封土の森の獣魔は余程の事がない限り人を襲いませんよ。」


パープルの事もあるし、確かに人を襲う事はないかも知れない。

そう思ってたのだが、俺達が行く前の道にバキバキと木の枝を抜けて獣魔が出てきた。


「え?」


「あ!」

絹は驚いたが、俺はこの獣魔の種族を知っている。

熊…紫色の超でかい熊だ。










































鬼との対決いつになるやら

この物語は、当然ながらまだまだ続きます。



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