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異世界転移でレベル上げ。  作者: ビッグリップ
3/5

#3森の中の熊と小鬼

作者の勝手な思い込みと、都合の良い解釈もありますが、許して下さい。


「もう朝か。結局、人は来なかったな。」

小屋で2日を過ごし、小屋の小窓から日射しが射していた。

「今日は人と出会える様に、頑張ってみるか。」

小屋から出て、川沿いを歩き、食材を集めながら、変な事に気が付いた。

茸や木の実、魚にしても、何故か簡単に発見し、捕獲出来る。

元の世界では、魚を見付けるのも、茸、木の実、野草等も、プロでなければ簡単には見つからない。

しかも俺自身は、サバイバルのド素人だ。

こうも簡単だと少し気味が悪い。

しかも、今回の魚は鮭みたいな川魚の大物を3匹も素手で獲れた。


「これって加護のお陰かな?」

少し違和感を感じながらも、川沿いを歩く。

空や木々を眺めながら歩いて行くと前方に紫色の大きな塊が見える。

「な、なんだあれ?」

近付き確めると、立ったら5~6メートルはある大きな大きな熊が後ろ姿で歩いていた。


「………………………………!!く、ま…か!」

ヤバイと思い、熊を見ながら、ゆっくりゆっくり後退り逃げようとする。

だが、熊が振り向き此方を見た。

「どうしたの?」


「!!……え!?」

熊が喋ったので、またもや固まった。

気付かれただけでも、失神する様な大きな熊なのに喋って来たのだ。

「ねぇどうしたの?」


「あ、あ…あ」

驚きで、声が出ない。

不思議な事に恐怖は感じない。

余りの出来事に神経が麻痺してるのかも知れない。


「う~ん、僕は貴方を食べないよ?」


「!!…そ、そうか…それは良かったよ。」

熊が、俺を食べないと返事言ってきたので、襲われないと心底安心した。

逃げようと思ったが、取り敢えず話す事にした。


「あ!僕と喋れるね。」


「喋れる?いや、ちょっと意味がわからないが、君が喋ってるから、会話が成立してるのだろう?」

熊が話して来たのに、喋れると言われるとは意味がわからない。


「ん~~いつもなら貴方みたいなのは、怪物だ~~って逃げるだけだから、話が出来ないんだよ?」

熊はそう言って、体を此方に向ける。


「話が出来ないか…無理もないな。君みたいな大きな熊に話し掛けられたら、恐ろしくなるだろうし。あと、俺は人、人間だ。」


「人、人間って言うの?」


「あ~そこからか。種族で言えば君は熊って生き物だ。俺は人間と言う種族で、言葉で簡単に伝える為に、人とも言う。因みに俺の名前は【真】だ。」


「まこ、マコト、ま、真、真、うん。真、宜しく。」


「あ、あぁ宜しく。」


「ねぇ真は何しに来たの?食べ物捜しに来たのかな?」


「いや、森を抜けて、人間が集まる場所に行こうと思ってる。」


「え~もっと話そうよ。せっかく出会えたのに~~。」


「じゃあ、この森を抜ける方法は知ってるか?」


「知ってるよ。僕の背中に乗る?教えてあげるよ。」

熊が俺に背中に乗れと言って来たが、流石野生動物、獣臭い!非常に臭い。

近くに居るだけでも、強烈な匂いがするので、背中に乗ったら、絶対気分が悪くなる。


「み、道を教えて貰えるだけで良いよ。話はまた今度にしよう。」

気持ちは嬉しいが、強烈な臭いに限界が近い。

正直、この森に来る事はもうないかも知れないが、一応そう伝えてみる。


「そっか残念。この川沿いに行けば貴方と同じ種類の人間?が居るよ。」


「おお!ありがとう。処で君は何処で言葉を覚えたんだ?」

流石に話すだけでなく、ある程度、人間との会話が出来るには、それなりの知性が必要だからな。

気になるっちゃぁ気になる。


「もう死んじゃったけど、お母さんに教えて貰ったよ。お母さんが、人間達が話すのを聞いて覚えたみたい。」


「そうか、お母さんは賢かったんだな。それにそれは悪い事聞いたな。ゴメン。」


「大丈夫だよ?僕には、この森に兄弟と仲間が居るからね。そうだ!君が襲われない様に皆に話しとくよ。」


「それは有難い!是非そう言って欲しい。」

おいおい、このまま行ってたら何回この熊の種族に出くわしたんだ。ヤッベー、マジでやばかった。


「そうだ!最後に君の名前は?」


「名前?名前なんてないよ。」


「名前もないのか…じゃあ次に話す時に不便だな。よし、俺が君の名前を付けても良いかな?」


「うん。良いよ。」


「紫の大きな熊、…ん~~よし!【パープル】ってのはどうだ?」


「パープル…なにかカッコいいね。今から僕はパープルありがとう真。」


「今度会う時は名前を呼んで、パープルか訪ねるから、返事しろよ。」

パープルなんて名前は適当なのだが、本人が喜んでるしヨシとしよう。


「うん。わかったよ。」


「じゃあな。」


「バイバ~イ!」

そう言ってお互い別れた。


体感的に小一時間程度だろうか、川沿いを歩いてると、一度熊らしき動物を見掛けるが、去っていく。

パープル様々だな。

パープルに感謝しつつ、また数時間歩くと、森を抜けて草原に出た。

更に歩くと、道が表れ、家が見えて来た。

村である。


村の外側から見ても人の気配がない。

「誰か居ませんか~!」

俺は村に入り、村の道や、家々の扉を開けて、大きな声で何度も声を掛けた。

だが、全く返事がなく、人が居ないのだ。

各家は、木造建築で小さいながらも、立派な造りで、家具等も揃っている。

また、家電はないが、本や紙等もあり、それなりに文明は発達しているのもわかる。

各家には、少し前には生活していたのだろうと思う生活感が残っていた。


「ギガァー!ガァー!」

突然、何処からか大きな奇声を上げながら、何かが近付いて来るのを感じる。

何か不味いと感じ、咄嗟に家の中に隠れ、窓から外の様子を伺う。


やって来たのは、日光にでも焼けた茶色の肌に、大きいブツブツの吹き出物が出て、髪はなく、鍛えられた筋肉質で、腰布を巻き、それ意外は全裸、右手には大きい鈍器を持っている。

身長は約1m90cmくらいの怪物。

それが2匹、ゆっくり歩きながら、各家の扉を開け、立ち止まり、扉を閉めて、何かを探しているのだ。


「まさか…俺を捜してる?」

少し前、大声で人を捜してた時に気付かれたのだろうか?

そう考えると、俺は恐くなり今居る家のタンスの影に隠れる事にした。


「ギャー!ガァー!」

2匹が何やら話し合いながら、一軒一軒確認して来る。

何故か2匹の話し合いに、突然耳鳴りがして耳が痛い。


村には約15軒程の家があり、順番的に最後がこの隠れてる家だ。

音でわかるのだが、隣の家を確認した後、静かになり、此方にやって来る気配がした。


とうとうこの家に来た。

俺は息を殺し、タンスの影に隠れて大人しくしている。

先程の耳鳴りがまだ少し痛い。


バァーン!

豪快な扉を開く音がする。

暫く音や声もしない静寂な静けさが更に恐怖を惹き付ける。


バタン!

扉が閉まる音がした。

「グカー!ガァー!いねえ!」

最後に、言葉を聞いた様な気がしたのには驚いた。


2匹の足音が遠ざかり、家の窓から恐る恐る確認

すると、村から出て行くのが見えた。


「あれは妖怪か?間違いなく人間じゃない。」

いや…違う此処は異世界だ。

あれは、異世界漫画とかに出てくる鬼か?

漫画や小説等に出てくる鬼とは全然違うぞ。

別物だ別物。

正直言って怖い。

元の世界のプロレスラーが武器を持ってる様なもんだ。

何とかしないと、状況は変わらない。

また、いつ戻って来るかわからないからだ。


「武器だ。何か武器になる物はないか。あとはこの世界の情報と、可能なら奴らの情報が欲しい。」

俺は、あの鬼達に気付かれない様に、付近の各家をしらみ潰して、武器になる物や情報となる物を探し回った。


見付けたのが、武器になりそうな棒と2本のナイフの様な刃物に数冊の本と手紙だ。


棒に刃物を巻き付け槍として武器を作り。

続いて本を読もうとするが、全く文字が読めない。

仕方なく本の挿絵で、何か情報はないかと思い本を捲り探してると、急に目と頭が痛くなり、約1、2分悶絶しながら耐えていた。


痛みがなくなり、また本を読もうとすると、おかしな事に、本の書いてある事が読める様になっていた。


本を確認するが、この世界の情報でなく、物語や調理の本ばかりだった。

これはこれで大事な情報源だが、今欲しい情報ではない。


次に手紙を見てみると、こう書かれてた。


【絹よ、この手紙を読んだと言う事は、帰って来たのだね。

封魔士の資格を得たのだろう。

本当におめでとう。

だが、今直ぐに逃げなさい。

今、この封土村は数十匹の鬼達に狙われている。

村人の女性が数人、鬼に拐われてしまった。

一時は戦い善戦したが、数の多さに逃げるしかなかった。

私達は今、地下の封土の祭壇付近に身を潜めてます。

奴らは強いが、性格は悪く、頭も悪い、致命的な弱点もある。

鬼は酒が好きだが、酒に滅法弱い。

酒に酔ってる時は、子供でも倒せるが、弱点がわかっても絹1人で、アイツ等に敵わないだろう。

だから、街に戻り助けを呼んで欲しい。

父より。 】


「鬼が数十匹ってかなり不味いな。」

身長は高くないが、何かの訓練をしたかの様な体格。

俺も早く街に逃げないと行けない。

性格と頭の方は見た目でわかったが、鬼の致命的な弱点である酒は、酒に酔いやすいと言う意味だろう。

だが、酒その物が此処にあるんだよって話だ。


「しかし加護か、文字が読めるし、話が聞ける様になる。部分的に痛みが来る副作用は最低だが、すごいな。」

真は、加護が働いて、この世界の文字を即座に理解出来る能力がある事に気が付いた。


「よし、取り敢えず飯にしよう。腹が減っては戦はできんってね。」

朝方から森を抜けて、既に昼過ぎになっていた。

持参していた食材を、調理して、さぁ食べるぞって時に、ドンドンと扉を叩く音がした。






































さて、次の話は別世界の人間と接触します。

何が待っているのやら。

作者も、余り分かってませんww

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