公園
遅くなりましたm(__)m
あぁー、風が気持ちいい〜。
ギコギコッギコギコッ
現在、自転車で学校に向かって走行中。
見える景色は、田んぼ田んぼ田んぼ。
「ここはいつも見ても平和だな〜。」
ギコギコギコギコッ!!
毎度、朝自転車を走らせるたびにそう思う。
だがしかし・・・・・
「朝起きてダッシュからの自転車の早漕ぎはキツすぎるわ
ー!!!!!」
家から学校までは約1時間。我が家は学校がある栄えてるA市から少し離れた、ちょっと奥まった場所にドーンと待ち構えるように建っており、周りは田んぼに囲まれている。
寝坊しかけた自分も悪いけど朝からこれは流石にやばい。
心拍数ばんばん上がってる。もう既に高速バクバクだ。
それよりもこの自転車壊れないかな、さっきから音がおかしい。これお母さんのおさがりママちゃりなのに。
壊したらお母さんからなんて言われるか...。
あー考えるだけでもう怖い。
そんなことを思いながら、自転車を高速で走らせA市に入った。
「っはぁ、はぁ、あともう少しで学校だ!」
数メートル先にいつも通りすぎる公園が見えてきた。
さあ、もう一息、頑張れ私!
ラストスパートをかけるためペダルに力を入れようとしたその時「ニャーーーーー。」という声が公園から聞こえてきた。
その声に思わずブレーキを踏む。そして公園の中を見る。
猫なんて、見当たらないけどどっから声が・・・
蛇のように首をクネクネさせて見るが、猫の姿は確認できない。
あれ?たしかに声がしたんだけどな。
幻聴だったのか。と首を傾げた時、再び猫の声がした。
その声は上の方から聞こえてきた。
「って、ええっ!!なんであんな所にいるのー!」
猫のいた場所は、地上から約5mほどの木の枝の上だった。
「えっ、ちょ助けなきゃ!」
急いで自転車を降りて、公園の中に入り猫のいる木に向かう。
「ちょっと上すぎない!?」
そう言いたくなるほど高かった。下から見ると、より高く見える。
ほんと何であんな所に。というかどうやって登ったんだ?そんな疑問を持ちつつ、どうするか考えた。
ハシゴを使って登れば・・・と思い
辺りを見回してみるが、そんなものは当然あるはずもなく、誰か人を呼ぼうかと思ったが全然人がいなかった。
「何でこんな時に限って人いないの、通学通勤時間帯なのに!」
自分の運の無さに顔を歪める。
そして決意する。
「誰かを待っててもしょうがない。やるしかない。女は度胸、待ってろ猫ちゃん!」
なんか宣戦布告みたいになったが、それはおいといて。
さっそく秘密兵器を身につける。その名もTAISOGIだ!
今日、体育あってよかった。さすがに朝からパンツ丸出しは嫌だ。
「よし、準備万端!登るぞ!」
両手両足を大きく広げてガバッと木の幹にしがみつき、芋虫のように登っていく。
木登りなんて小さい頃以来だ。しかもこの高さ、久しぶりすぎて足が震える。
だが、思ったよりいけた。
ゆっくりだが、着実に上にいる猫との距離を縮める。
そして、猫のいる枝まで到達した。
「っ着いた。」
猫は枝の根元にいた。
うわぁ、すごい美人な猫ちゃんだ。遠目からみると分からなかったが、近くで見るととても綺麗な猫だった。
目は金色に輝き、体はツヤのある真っ白な毛で覆われていた。
「さあ、猫ちゃんこっちおいで。」と言い、右手を伸ばし包み込むように猫を抱き上げた。無事助けられたと思い安堵し一瞬、気を抜いたその時・・・
しがみついていた足がズリッと滑り、木から体が離れていった。
「えっ!」驚いてる暇もなく背中から地面に向かって落ちていく。
うそっ、落ちてる!このままいけば地面にぶつかって死ぬ。
死の恐怖と襲ってくるであろう痛みに体を固くしたその時、眩しい程の光に包まれた。
そこで、私の意識はブラックアウトした。
もうすぐ異世界へ・・・。