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悪役令嬢は夜告鳥をめざす  作者: さと
とりあえずの4歩目
46/60

[番外編] という夢を見たんだ

日々励みをいただきここまで続けられ、おかげさまで優秀賞をいただくことができました(*´◒`*)

20万文字セルフ祝いでしたが、それどころじゃなく喜んでおります。

ちょい甘めの、しかしてコメディ。これのみでも読めるようにできているかも?です。

番外編ですので、本編には影響いたしません。

「ギルベルトと踊っている君がとても楽しそうで。どうか、僕とも一曲」

「よ、よろこんで……!」

どこの居酒屋だ、とつっこまれそうな応えを返し、差し出された手を取る。

知らないご令息たちに囲まれ、あうあうしていたところを救い出してくれたのは、優し気に金の目を細めるファルス殿下だ。

ここは王城で開かれた夜会、中央に設けられたダンスホール。

壁際ではお誘いの攻防が、ホールの中央には着飾った男女が並び立ち、次に踊る曲が流れるのを待っている。

「助かりましたわ。このような場は不慣れなもので、どう振舞ったものかと」

「あんな風に踊れば、衆目を集めるのも無理ないよ」

それはギルベルト殿下に言ってくれ。

一曲披露してさっさとこの場を離脱した、あなたさまの弟殿下にね。


引きつった笑みを浮かべているうちに進んだ先で、お誘いの文句が方便ではなかったことを知る。

今度もてっきりワルツかと思っていたのに、流れてきたのはチークタイムで踊るようなゆったりとしたものだった。

この手の曲はちょっと苦手だ。

雰囲気のある大人の女性か、瞳をキラキラ輝かせたヒロインならまだしも、相手が私では。

こんなに密着してたら踊るに踊れないし。

服越しとはいえ体のラインが如実に伝わっていそうで、だいぶ恥ずかしい。

「あの、もう少し離れた方が」

「そう? 僕はむしろ、もっと君に近づきたい」


引き気味になる腰をぐいと寄せられ、はずみで上向く。

間近に合わさった視線は逸らされることはなく、何かに耐えるような表情に目を瞬かせた。

「ファルス殿下? どこかお体の調子が……?」

怪訝に思いかけた声への返答はなく、かぶさる陰に私の顔が翳る。

そのまま髪に、瞼に、頬にと顔じゅうにキスを振らせられて──


目が醒めた。 

なんだこれ……

エレノア嬢にもファルス殿下にも顔向けできない……



「……何の真似だこれは」

ギルベルト殿下が不審に思うのも無理はなかろう。

顔を合わせるなり背中に体当たりしてきたかと思えば、そのまま額をぐりぐりと押し付けているのだ。

「ちょっとした浄化作業ですわ、お気になさらず」

「おまえの奇行は今に始まったことじゃないが、さすがに何かあったのかとは邪推するぞ」

殿下が体をひねったために、腕の下から私がひょっこりと顔を出す。

その情けなくへにゃりと下がった眉を哀れとでも思ったか、頭突きで乱れた前髪を整えてくれる。

「なんだ、疲れでもしたのか」

意地の悪い顔を向けるくせに、表情にそぐわない優しい手つきに心臓がぎゅんとなる。

「べ、別に、これといってなにも?!」

跳ねるように背中から退いて、訝しむ殿下をひとり置き去りにしたのだった。



◇ ◇ ◇



「そこはこの数式を使った方が早く求められるし、期待している結果が反映されやすいと思う」

さらさらと綴られる数字とアルファベットの組み合わせは、言葉通り最も有効な方法だ。

自分では思いつきもしない、画期的な数式。

感動とともに顔を上げると、先生は涼やかな目元を緩めて頬を染めた。

「大変参考になりますわ!」

嬉々として手元の紙にペンを走らせたのだが、インク壺の中身はほとんどなかったようだ。

かすれた文字に、インク壺を取り換えようと席を立ったところで、バランスを崩してひっくり返そうになる。

「ひょわああ」

ソファに腰かけていた先生の咄嗟の機転で受け止めてもらえはしたが、受け身も取れずに先生の上へと倒れこんだのだ、さぞや重かろう。

「すみません先生、すぐにどきますわ」

身を起こそうとしたものの、体に巻き付いた腕に引き戻される。

それどころか後ろから羽交い絞めにされ、少しの身動きもとれなくなった。

この感じ……

前世で赴いたスキー場で、リフト下のネットに引っかかった時に似ている……!

必死に手足を動かして抜けようとしたのに、かえってスキー板とストックにネットが絡みつく結果となったあの苦い記憶。

かつての切なさが蘇り、すん、と遠い目になる私をよそに、背後の先生は腕の力を緩める気配はない。

「……レスター先生?」


後ろの様子を伺おうとしたのだが、耳の後ろに吸い付かれ熱のこもった吐息をあてられて、ぴしりと固まった。

ぞわぞわしたものを覚えて、再び腕を外そうと試みる。

「先生、手をお放し下さい」

「ごめん、できない……したくないんだ、ごめん」

身をよじったせいで首筋に先生の鼻先が触れ、くすぐったさにひょ、と首をすくめた。

乱れた髪の間から覗く鏡つきのシャンデリアには、なんか……私なのに私じゃないような姿が映っていて──


目が醒めるなり、ベッドをごろごろ転がった。



「……何をしている」

一定の距離を保ち、手を広げて立つ私の様子では、こちらの意図など伝わっているはずもない。

私の姿は例えるならそう、カバディを唱える選手のような気迫を伴っていた。

「どうか、私を助けると思って、殿下のお好きなところに触れてほしいのです」

「…………は?」

じりじりと距離を詰める私は、決して殿下とカバディに興じたいわけではない。

元喪女のなせる必死の嘆願なのだ。


意図を理解したらしく、殿下の頬がじわじわと赤く染まっていく。

「……俺は、婚前から手を出すつもりはないからな」

話は終わりだと横をすり抜けようとする殿下の前へと足を進め、再び立ちはだかる。

「ギルベルト殿下には、誰よりも私に触れる権利がおありでしょう?」

いっぱい触ってくださいと、カバディもとい、どこからでもどうぞポーズで迎え撃つ。

「……っ、は……、くそ……っ」

殿下は一瞬逡巡したのち、握りしめた拳を私へと伸ばす。

拳骨を覚悟して目を瞑った私の、髪をわしゃわしゃとかきまぜたのだった。



◇ ◇ ◇




「ちょっと、それじゃ培地がダメになるでしょ。こうだよ」

私用にと分けてもらった培地の調整中。

作業台で格闘していたら後ろから覆いかぶさられ、手を握りこまれた。

どきりとこわばってしまった体を見とがめられたらしい。

「何、君。もしかして意識してるの。ただこうして指導しているだけなのに?」

耳に息を吹き込むように揶揄され、セドリック様の掌が、器具を持ったままの私の手首をなぞり上げていく。

その明らかな意図をもった動きに翻弄される。

「あのさ、そういう反応、期待させるからやめなよって言ったよね?」

そういう反応ってなんだと問う前に、セドリック様のもう片方の手が私の顎先に伸びる。

横を向かされたかと思うと、マスク代わりの布越しに、唇へとあたたかいものが触れた。

「んむ……っ????」

「布越しだから問題ないよね」

いやいやいやいや、それどう考えても無理があるでしょっ。

その理屈で言えば、服の上からならどこ触ってもいいってことになっちゃうでしょうが!


シャーレ同士がぶつかる、ガラスのガチャリという音が耳に届く。

逃げようにも後ろは言わずもがな、前はシャーレがずらりと並んだ作業机、右手は捕らわれたままでどうすることもできない。

満足に動けない状態で何度も何度もついばむようにされ、時折下唇を食まれて身をすくめた。

布越しだからなのか、唇を擦り合わされるだけでじんと痺れたようになる。

顎に沿わされた手をつかんでいたのに、外すどころか縋るようになって、それに気をよくしたセドリック様が碧い目でうっそりと笑う。

間を阻む布をはぎ取られそうになって──


目が醒めた。

…………????

何事……?



「おい……っ」

「お願いですから、ちょっとだけぎゅうってしてください」

出会い頭にお腹へとタックルを決めた私へと、なんとか倒れずにすんだギルベルト殿下が苦言を呈す。

呆れたような雰囲気は感じるものの、顔も上げずにしがみつくことしかできない。

「何があった」

髪を梳く優しい手に、罪悪感を覚える。

「……その、……ふらちな夢を、見てしまって」

触れた部分から、殿下がぎょっとしたのがわかる。

「相手は」

「黙秘いたしますわ」


それだけ答えると、殿下は深い溜息をつき、私を引き剥がそうとする。

「その夢の相手のところに行ってくればいいだろう。夢は願望の表れだと言うしな」

敏い殿下のことだ、相手が自分でないことは明白なのだろう。

いや、そりゃ考えなくともわかるか……

もし夢の相手が殿下なら、私はきっと脱兎のごとく逃げ回るだろうしね。


とはいえ、ここで引き剥がされたり逃がしたりすれば、私の知らないところでしょんぼりと肩を落とすに違いないのだ。

この不器用で意地っぱりな王子さまは。

剥がされまいといっそう腕を回し、殿下の力に抵抗する。

「私は、殿下にしてほしいのですわ……!」

「…………っ、くそ」

小さく毒づき、肩を押し返していた掌がゆっくりと背に回る。

「……おまえが言ったんだからな」

背中に熱い掌の体温を感じる。

望む通りになったというのにむずがゆいものを覚え、2人まんじりと時を過ごした。



◇ ◇ ◇




どさりとカウチソファに横たえられ、私の上へと乗り上げている従弟を見上げる。

「レ、レヴィ?」

「リゼ姉さま、ご褒美をいただきに参りました」

ふんわりとした可愛らしい笑顔で顔の前にかざされたのは、一枚の羊皮紙である。

正式な書類であることを示すその書面に目を通すと、そこにはご褒美は私とのキスとあった。

「は?! キス?」

レヴィの手から羊皮紙を奪い取ってかぶりつく。

覚えのない約束事には、しっかり私の字でサインが刻まれている。

どっからどう見ても私の字だわ。

でもこんな契約、記憶にないんだけど。

「姉さまが言ったんですよ? 願いを叶えてくれたら、ちゃんとあげるって」

どんな願いだと目を走らせれば、この世界では逆立ちしたって作り出せない代物の名が羅列されていた。

なにそれ、どこの輝夜姫それ。

喪女のくせに、どんな条件課してんの、私。


「僕、寝る間も惜しんで完成させたんです。姉さまお願い、リゼ姉さまとキスがしたい。これっきりにするから」

悲しげな声に、うっすらと浮かぶ隈に、ほだされそうになる。

……けど!

ここまで大事に取ってきたファーストキスを、ご褒美でっていうのはいかがなものか。

横目でテーブルを見やれば羊皮紙に書かれた通りの品がずらりと並び、見上げればレヴィが諦めたように瞼を下ろす。

うう…………これを一蹴するなんて私にできようか。


「…………ちょ、ちょっとだけなら……」

「姉さま……!」

勢いよく身を乗り出すレヴィに、思わず両手が前に出る。

「いい? ちょっとだか、はむ、」

再度の忠告は最後まで告げられることはなく。

深々と重ねられた唇の隙間から熱い舌が入り込んできて、思わず身をこわばらせた。

押し返そうとした舌をからみ取られて擦り合わされ、溢れた唾液を吸い上げられる。

ちゅぽ、と音を立てて次に唇が離れた頃には、もう何が何やら何とやら。

「ねえさますごい、かわいい……」

恍惚とした表情のレヴィが再び唇を寄せようとして──


目が醒めてすぐに手で顔を覆った。

夢とはいえ、婚約者を差し置いてこれでいいのか。



「またおまえは……変な夢でも見たのか」

袖を控えめに掴み項垂れたままの私に、呆れたような声がかかる。

まあ、丸わかりですよね。

「お願いがあります」

「今度はなんだ」

「わたしに、く、…………くち、づけを……、その……」

してくださいませんかとまでは言えずに、袖を掴む指先に力を籠めた。


意図は伝わったはずなのに、何の返答もない。

意を決して、目をぎゅうとつむったまま顔を上げる。

キス待ち顔がどんなかわからなくて、ただただ恥ずかしさにたえるだけの表情で。

指先にギルベルト殿下の動揺を感じるが、手が外されることはない。

心臓の音がどっどっとうるさい。

顔にたまった熱で頭がぐらぐらするんだ、倒れる前になんとかしてくれ。


どのくらい経ったのか、ふにと唇に柔らかいものが触れ、ちょっとした感動とともに目を開けた。

だというのに、唇だと思ったものは殿下の指の背だったらしい。

殿下はそのままその指を自分の唇へと持っていき、ふにりとあてた。

「…………今はこれで勘弁しろ」

すぐにそっぽを向かれてしまったが、首まで真っ赤に染まっている様子に心臓がぎゅんと鳴った。



◇ ◇ ◇



「ひよえぁああぁぁぁ」

なんとも情けない悲鳴が風に流れる。

悲鳴の出どころたる私はまさに今、暴れる馬の首にしがみつき、振り落とされまいと踏ん張っていた。

乗馬にはちょっと自信があります、なんて言うんじゃなかった。

あてがわれた馬を少しも乗りこなせていない、こんな惨状では。


このまま地面にたたきつけられてしまうのかとゾッとするが、腕の力がなくなった時点でそれは現実になる。

誰か、との心中での求めに応じてくれたのか、赤毛の騎士が颯爽と前に躍り出た。

救いの神参上かと思ったのもつかの間、暴れ馬は突然現れたランドール様の馬に驚き、後ろ足で立ち上がり。

首っ玉に巻きついていた私はそのまま宙ぶらりんになる。

ラ、ラ、ラッ、ランドール~~~!

全っ然助けになってねええええ!

むしろ悪化したわ!

あ、やべって呟き、しかと聞いたんだからね!


「リーゼリット嬢、こちらへ!」

後方からかけられた声にそちらに視線を走らせると、黒髪をたなびかせたキース様が馬上で手を伸ばしていた。

意を決して馬の首に回した腕をほどき、キース様へと倒れこむ。

なんとかキャッチしてくれたキース様に力の限りしがみつく。

し、し、死ぬかと思った……っ!

「感謝いたしますわ、本当に、感謝いたしますわ」

「リ、リーゼリット嬢……その、もう大丈夫ですので」

「ちぇ。キースの奴、役得だよな~」

ランドール様が暴れ馬の手綱を手に戻ってきたようだ。

馬の乗りこなし方を教えるよ、と満面の笑みで手を広げている。

その申し出、断固として辞退させていただくわ!



「リーゼリット嬢、お怪我は!」

「だ、大丈夫ですわ……」

駆け寄るクレイヴ様に、驚きつつも何とか返す。

どうにかこうにか訓練場へと戻ってきた私は、つまづいた拍子に、武具の立てかけてあった場所に突っ込んでしまったのだ。

訓練用だから先は尖っていないとはいえ、さすがに乗り上げれば細かな怪我もする。

小さく顰めた眉に気づいたようで、クレイヴ様が足首を確かめる。

「捻ったようですね。腫れる前に冷やしましょう」

ブーツを脱いだ足首に、濡らした布をあてがわれる。

「ひんやりとして心地いいですわ。助かりました」

即座に取られた処置の謝辞を述べれば、無表情なりにもわずかに眦を下げた。


「すごい音がしたかと来てみれば。派手にやったね。怪我したんだ?」

ぐいと後ろに腕を引かれて振り向けば、気だるげな藍色の瞳にかち合った。

捕まれた腕の痛みで呻いたのが悪かったのか。

「……他にも痛めてそうだな」

そう言ってコンラッド様が鍛錬服のジャケットに手をかける。

「へっ?」

「気が回りませんでした」

足元ではクレイヴ様がドレスの裾に手をかけ、するすると布地をたくし上げていく。

ちょちょちょちょっと待てえい!

裾を戻したいのに、コンラッド様にジャケットを脱がされてるせいで片手でしか防げない。

同時は卑怯でしょ、同時は、卑怯だから!

2人が真剣に傷の有無を探しているのはわかるんだけど、少しは状況にも気を配ってくれ!

「ああ、こんなところまで」

どこだよ、と視線を向けると、クレイヴ様とばっちり目が合った。

膝裏を恭しく持ち上げると、内ももの柔らかい部分へと舌を伸ばされて──



「今度はなんだ!」

「あ、足をなめてくださいぃ」

「…………はぁ!!??」

半泣きで頼めば、真っ赤に茹で上がった殿下から、いい加減にしろとげんこつが飛んできたのだった。



◇ ◇ ◇



「いったあ、……ん?」

盛大にげんこつを食らったわりに、覚悟していたような痛みはない。

しかもここは、私の部屋のような……?

ベッドから見えるいつもの景色とは少し違うし、なぜだか頭が足より低い位置にある。

背中に伝わる感触も、ベッドとは違うものだ。

「どこか捻ったりぶつけたりしましたか」

面食らったままの私を覗き込んでくるのは、護衛のカイルだ。

どうやらベッドからずり落ちかけた私を、ぎりぎりのところで抱えてくれたらしい。

なんだ、全部夢だったのか。


「夜分に申し訳ありません。うなされておいでのようでしたので入室いたしました」

危なげなく横抱きに抱え上げられ、ベッドへと下ろされる。

24時間体制とは、なんとも申し訳ないことをした。

「大丈夫よ、心配をかけたわね」

「眠れますか」

隈でもできていたのだろうか、ついと頬から目元までを指の背で撫でられ、片目を閉じた。

あんなでは眠った気がしないし、もう一度寝入ろうにも続きが怖くて躊躇してしまうに違いない。

苦笑で返すと、カイルはどうやら察してくれたらしい。

「……夢も見ないほどに、ぐっすり眠れるお手伝いをいたしましょうか」

羊の数でも数えてくれるのか。

まったくもって、実にできた侍従である。

「じゃあお願いしようかしら」


へらりと笑ってそう返し、瞼を下ろす。

侍女のナキアがいつもそうしてくれるように毛布がかけられるものと疑ってもみなかったのだが、顔の横あたりのベッドが沈み込むように感じて、再びぱちりと目を開ける。

カイルの腕が顔の傍にまっすぐに下ろされ、上から覗き込まれていた。

ついさっきと同じような体勢なのに、安心感がまるでないのはなぜなんだ。

混乱中の私をよそに、カイルの手によって寝衣の胸元にあるリボンがゆっくりとほどかれていく。


…………ん?

ひ、羊を数えるのではない、ということか?

こめかみにひやりと冷たい汗が伝う。


お願いだから、夢なら醒めてくれ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 盛りだくさんでサイコーです! 特にマスク越し! ただ殿下が気の毒なような…(笑)。 [一言] きっといつかは、殿下が、最後に一番美味しい思いを!
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