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ゼロスキルの料理番  作者: 延野正行
第6章
168/209

menu147 天が呼ぶにゃ! 地が呼ぶにゃ!! 人が呼ぶにゃ!! 猫の手も借りたいと、助けを呼ぶにゃ!!

本日コミカライズ更新日となります。

そちらもどうぞ召し上がれ!

「んで? 肝心の商売の方はどうなんだ?」


 エーリクの講釈を聞いた後、ディッシュは質問した。

 ディッシュの講義を聴き、感心し、小さく拍手を送っていたアセルスやキャリルは固まる。


 それはエーリク自身も同じだ。


 半ば興奮気味に、ラニクランド王家の新たな名物を説明してた王子だったが、ディッシュの質問を聞いて、さっと顔から血の気が引いていく。


 微妙な雰囲気が流れた。

 咎めるようにアセルスとキャリルが、ディッシュの方を向く。


「ディッシュ、今それを聞くか」

「空気を読まないにしても程がありますわ」

「うぉん!」


 アセルスとキャリルはポカポカとディッシュを叩く。

 ついにはウォンにまで責められる始末だ。


「みなさん、ディッシュさんを責めないで下さい」


 エーリクは意気消沈する。

 はあ、と息を吐いた。


 周りは耳が痛くなるほど騒がしい。

 祭りなのだから仕方ない。

 だが、エーリクの店の前だけ、見えない壁があるかのように人の姿がない。

 耳をそばだてれば、閑古鳥の鳴き声が聞こえてきそうだ。


「やはり、ラニクランド王家というのがネックなのだろうな」


 アセルスは神妙な表情を浮かべて、腕を組む。


 吸血鬼の王家が出す名物料理。

 こう聞けばそそられるが、好奇心よりもやはり恐怖が勝ってしまうのだろう。

 朝から開いていて、1杯も売れていないらしい。


 エーリクは店の方に振り返る。

 店の両サイドには、物々しい雰囲気の兵士が2人並んで立っていた。


「王女の計らいで、嫌がらせの類いはないんだけど、これだけずっと無視されるとね……。さすがに気落ちするよ」


「なるほどな。でも、まあ仕方ねぇんじゃないか?」


「仕方ない?」


 ディッシュの言葉を聞いて、エーリクは顔を上げる。


「だって、吸血鬼が怖いもんだって、子どもの頃から刷り込まれて、俺たちは生きてきたんだぜ。その認識をいきなり改めろってのが、結構無理難題だと思うんだよな」


「ディッシュ、そういう言い方は……」


「いや、ディッシュくんの言う通りだよ、アセルス殿。…………いけると思ったんだけどなあ。僕の考えは甘かったんだろうか」


 エーリクはがっくりと項垂れる。

 気弱な王子に自信をつけさせたかった。

 その思惑が今や風前の灯火だ。

 これでは元のエーリクに戻ってしまう。


 いや、人間と吸血鬼は一生わかり合えない。


 そう心に刻まれたエーリクは、さらに内に引きこもる可能性がある。

 もしかしたら、2度とカルバニア王国にやってこないかもしれない。


 暗い雰囲気になる中、ディッシュはキングアップルジュースを飲み干す。

 満足そうな表情を浮かべ、唇をペロリとなめた。

 カンッと気持ちの良い音を立て、ジュースを屋台のカウンターに置く。


「吸血鬼が恐ろしいって認識は変わらないけどよ。吸血鬼が作るジュースがおいしいって認識は変えてもらおうぜ」


 ディッシュは「にししし」と笑う。


 そのいつもの笑みを見たアセルスは、ディッシュが何かを企んでいることを看破した。


「ディッシュ、何か方法があるのか?」

「もしかして、またゼロスキルの料理を作るんですの?」


 アセルスとキャリルは興味津々だ。


「いや、今新しい料理を出したって、多分ダメだ。だから――――」



 多少無理矢理でも、みんなの腹に入れてもらう……。



「え? いや、ディッシュくん……。無理矢理というのはちょっと。僕たちの地位がさらに下がっちゃうよ」


「心配するな。乱暴なことはしねぇ。実はすでに専門家を呼んでる。俺が知る限り、最強の助っ人だ。もうすぐここに来るはずなんだがな」


「専門家?」

「助っ人?」


 アセルスとキャリルの主従コンビは首を傾げる。


 すると、騒がしい祭りの日に、どこからともなく聞き覚えのある声が聞こえてきた。



 にゃ――――――はっはっはっはっはっはっは!

   にゃ――――――はっはっはっはっはっはっは!!



「この声って……」

「まさか――――」


 アセルスとキャリルは反射的に顔を上げる。

 ウォンもまた天を仰いだ。


 周辺にいた民も高笑いに気付いたらしい。

 皆、足を止めて、王都では珍しくない増築に増築を重ねた4階建てのアパートの屋上を指差す。


「なんだ、あれ?」

「鳥?」

「ドラゴン?」

「いや、ネココ族じゃね?」


 そう。

 それは1匹のネココ族少女だった。

 元来、身軽な種族である。

 高いところに侵入するなどお手の物だから、誰もそのことについては驚かない。


 皆が戸惑っていたのは、ネココ族の少女が目元だけを隠す仮面をつけていた事だった。


「キャリル……。私――あのネココ族に見覚えがあるのだが」

「え、ええ……。偶然ですね。わたくしもどこかで――――」


 なんか色々と察したアセルスとキャリルが若干引いていた。


 その間も、ネココ族の少女のワンマンショーは続く。


「天が呼ぶにゃ! 地が呼ぶにゃ!! 人が呼ぶにゃ!! 猫の手も借りたいと、助けを呼ぶにゃ!! みんな、聞くにゃ! ニャリスは正義のネココ族! えっと……。えっと…………ニャ、ニャリス仮面にゃあああああああああああ!!


皆様のご支援のおかげで新作『魔物を取るな、とハンターギルドに言われたので、料理ギルドに転職したら、好待遇な上においしいものまで食べれて幸せです。魔物が増えたから復帰してくれと言われたけど、もう遅い。』が、日間総合1位を取ることができました。


読みに来てくれた方、本当にありがとうございます。


まだ読んでないと言う方は、実食回も近づいておりますので是非お願いします。


ヤングエースUPにて「ゼロスキルの料理番」のコミカライズが更新されました。

そちらの方も合わせてよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回も美味しく頂きました。 ディシユがアセルスからポカポカと叩かれてる様子はニマニマしました。キャロルも一緒になってやってるのは、キャロル、さては、ディシユに・・・・。 ウォンは、ただ単に…
[一言] どっかに2号とかV3とかストロンガーとかもいるんだろう?ニャリス仮面
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