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第三の目とか
そんなこんなで、採血室のナースさんとの他愛もない会話に戻る。 右斜め上からの毒舌にもポーカーフェイスを貫きつつ、心の中で突っ込みを入れるのも忘れない。 困ったことに、ナースさんの会話と"みえ"の会話噛み合ってるんだよねー。
「今年の暑さ、本当にどうにかならないかしら」 「神様じゃないし、どうにもならないわね。」「なんかいい事ないかなぁ。職場と家の往復なんだよね。出会いとか、出会いとか、出会いとか?」 「出会い限定だし。患者とか付き添いの男でって訳にもいかないか。」
ふふ。ナースさんには合コンとか? で返して、"みえ"には苦笑いで返す。そうこうしていると、右目の片隅に影が映った。…そう。最近、何かが右目の片隅に引っ掛かる。
気づいたのはこの2、3ヶ月だけど確かに見える。 動いていたり、じっとてたり。 大きさもまばらで独特の威圧感がある。 "みえ"と知り合う前なら即〈オバケ〉決定の。でも、しゃべるわけじゃないし、しっかりと見えるわけでもない。 ただ、それが見える時、右目方向にいる人には、何かがおこる。