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ぼくの詩集

必要ですか

作者: 桜井あんじ

ぼくってこの世に 必要ですか


あのひとは とてもかわいいかおをしていて

だれにでも にこにこと よく わらいます

みんな しあわせ

ぼくも まねしてみたいけど

じしんが ありません


あのひとは とてもあたまがよくて

りっぱなおしごとを しています

よのなかのやくに たっているのです

ぼくとは できが ちがうのです


あのひとは すごいがんばりや

しかもそれを ひけらかさないのです

そんけいすべき ひとなのです

ぼくではとても かないません


あのひとたちは やさしい おとうさんと おかあさんで

たいせつなかぞくのため まいにち がんばっています

しあわせなかぞく

ぼくには えんが ありません


あのひとは とても おかねもち

ゆいしょただしい おうちにうまれ

きよくただしく そだったのです

ぼくは ただ 恥じ入るばかり


あのひとは すてきな芸術家

すばらしいものを たくさん つくります

みんながそれを 楽しめるのです

ぼくなんかには どうせ むりなのです


みんながみんな なにかしら 

必要とされて いるようです


そっと鏡をのぞけば そこには

いまいちな ぼく

いったいなんのやくに たつのでしょうか

ぼくってこの世に 必要ですか


どこか上の方にいるひとに 尋ねてみたく

ぼくは空を見上げます


陽の光はこのぼくにもあのひとにも平等にふりそそぎ

雲はぼくらの頭の上を 風に ただ流されてゆきます

樹はざわざわと気持ちの良い音をたて ぼくは 耳を澄まします

雨のにおいが すこしづつ ちかづいてきます


世界はぼくに何も答えては くれません

だけど ぼくはそれで なんとなく

いいかなって おもっちゃうのです

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