05:手の平の中に小さな膨らみ
「……クソ! もう来たか」
天井を見上げたレザリーが舌打ちする。
なんかヤバい。
俺の中の本能のようなものが大音量で警笛を鳴らしている。
「なんだよ、今の揺れは!」
「これが貴様を呼んだ理由だ。魔族がこの地に攻めて来たのだ」
レザリーが俺を見据える。
試すような視線だ。
俺の中の何かを見極めようとするような。
いや、なんだよ魔族って。
というか、なんだ?
こいつらのこの落ち着きようは。
ヤバいんじゃないのか、この状況は。
「ですが、安心してください。そう簡単にここまで突破されることはありませんので」
いや、違う。
金髪ロリ姫も焦っているんだ。
それを隠しているだけ。
「大丈夫です。この儀式を続けます」
金髪ロリ姫は自分自身に言い聞かせるように言って、俺に微笑んだ。
もしかして、勇者である俺に余計な心配をかけないようにしているのか?
だとしたらなんて頼もしい姿なんだろう。
まだ幼い少女のその姿に、自分が情けなくなる。
ちょっと嫌な予感がしたくらいで何をビビッているんだ、俺は。
俺は勇者!
この程度でビビッてちゃ嘘ってもんだろ。
再び地面が揺れる。
今度は二度、三度と続く。
遠くから轟音が響く。
天井からパラパラと壁の破片が落ちてくる。
何が起きてるのかわからないが、とにかく魔族とやらに攻撃を受けているのだろう。
大地を揺るがすような攻撃。
このままじゃヤバいって事くらいは俺にもわかる。
だが焦ってビビっても仕方がない。
金髪ロリ姫達を見らなって、俺も冷静になろう。
「だだだ大丈夫でです! こ、ここは安全でしので!!」
かみかみである。
金髪ロリ姫はめちゃくちゃビビっていた。
頼りねぇな!
「姫様、落ち着いて下さい!」
そういうレザリーの額にも冷や汗が滲んでいる。
だがどうする?
のこのこと外に出れば、攻撃のまとになるだけだろう。
かといってここに籠城もできるとも思えない。
というか俺は全裸で張り付け状態のままだ。
……敵が攻めてきたら一番危険なの俺じゃねぇか!
「最早、一刻の猶予もございません! 急いで力の解放を!」
「は、はい! 儀式を続けます! 」
いやいや、その前にこの枷はずそうよ!
俺の心の叫びが声になる間際、再び轟音が響いた。
天井が崩壊し、巨大な影が落ちてきた。
一段と激しい地響きと共に、着地の衝撃が突風となって吹き荒れる。
レザリーはその場に踏ん張ったようだが、体の小さな金髪ロリ姫はその風に吹き飛ばされた。
「くそったれ!」
とっさに叫んで、俺は枷をぶち壊していた。
跳ぶように駆ける。
自由になった全身で、飛びつくように金髪ロリ姫を抱きとめた。
その時、偶然にも衝撃ではだけた胸元に俺の手が滑り込んだ。
小さいが確かに主張する幼い膨らみ。
上質なシルクのようなきめ細やかな肌が吸い付くように手になじむ。
暖かい感覚が指先から手の平へ伝ってきた。
あっ。
瞬間、意識がぶっ飛んだ。
先生、ラッキースケベはセクハラに含まれますか?