03:光る股間
「……え?」
金髪ロリは困惑していた。
大きな瞳をパチクリさせて、必死に俺の言葉の意図を探ろうとしているように見えた。
この攻撃は予想外だったようだな。
まだまだここからだ!
「人を全裸にしておいて、自分の格好はそれで良いのか? それとも、勇者と対等な格好をしてはいけないルールでも?」
さっきは互いに認めたルールをここで押す!
これならば逃げられまい。
「そ、それは……!」
俺の意図に気がついたらしい金髪ロリが焦りの表情を浮かべる。
やはり幼女の表情豊かな方が良い。
だが、可愛くたった容赦はしないぜ!
むしろ可愛いからこそ容赦しないぜ!
さぁ、止めだ!
「でしたら、その意思、行動で見せていただきたい!」
「貴様、良くもそのような戯言を!」
我慢の限界を超えたダイナマイトボディが吠えた。
だが暴力に屈する俺ではない。
その鞭が振るわれれば、俺はさらに有利に立ち回れるだけだ。
覚悟を決めた俺は頑丈だぜ!
さぁ来い!
「よいのです、レザリー。これからのわたし達は、対等でなければなりません。この方の言葉は正しい」
鞭を振り上げだダイナマイトボディを金髪ロリが制した。
ダイナマイトボディはレザリーと言う名前らしい。
ほーう、なるほど、その名前覚えたからな。
「……しかし!」
「わたしは、わたしの務めを果たすだけです」
覚悟を決めるように、一度だけ強く瞼を閉じると、金髪ロリが真っ直ぐに俺を見据えてきた。
良い目だ。
「わたしとあなたは、これからは共に世界のために戦う身。そこに恥などはございません」
ほっそりとした指先が、絹のような羽織物を一枚一枚はだけていく。
強がってはいるが、その手が震えているのが見て取れた。
雪のように透明で白い肌が、少し少しと露出を広げていく。
うっひょー! たまんねぇ!
息子が爆発しそうだぜ!!
「……ん?」
なんだか、息子の様子がおかしいぞ。
すでに息子はギンギラギンだ。
だがこれは……ただのエレクチオンじゃない!!
な、なんだコレは……!
こんなの初めてぇ!?
「う、うおおおおおおっ!?」
息子、ではない。
股間全体に全身から熱が集まって行くような感覚だ。
比喩でもなんでもなく、本当に爆発してしまいそうだ。
「い、いけない! 聖力が暴走しかけています!」
「姫様、無駄話をしている時間はなかったようです! 抜剣を!」
二人が慌てている。
俺の股間はついに発光し始めていた。
すごい光りだ。
「す、すごいよ……。こんなの初めてだよ……」
金髪ロリが驚きのあまり喉を鳴らした。
俺も初めてだよ。
「姫様、時間がありません!」
「は、はい!」
ナニを思ったのか、金髪ロリが俺の息子に手を添えてきた。
いや、息子ではない。
俺の股間全体に集まった力そのものに触れていた。
俺自身の力を通して、俺はそれを理解できた。
というか金髪ロリ、お姫様なのかよ。
「う、おおおお!?」
力の集中が止まらない。むしろ増した。
まさか……こ、これが噂のテクノブレイクか!?
「聖なる力よ、我が器を満たせ! 今ここに勇なる証を立てよ!」
金髪ロリ姫が呪文のように何か言っていた。
もうよくわからない。
……意識が光りに包まれていく。
「間に合って下さいっ……聖力、抜剣!!」
ズンッ! と腹の底からナニカが伝った。
そのナニカは、一瞬にして俺の全身駆け巡った。
「おおおおおおおおお!?」
その衝撃に俺の意識が引き戻された。
「くぅうぅぅ……!」
金髪ロリ姫が苦しそうに叫んでいる。
腰が内側から引っ張られるような感覚がした。
「っ姫様!! ……な、なんなんだコレは!?」
レザリーが驚愕の声を上げている。
俺の股間で光りが爆ぜた。
爆発しそうなほどに収束していた俺の力の塊が抜き取られたのだと、自然とわかった。
光の霧が晴れた時、金髪ロリ姫の手には7mもの巨体な黒剣が握られていた。
「おっきい……」
※テクノブレイクは本件とは全く関係ありません