「世界樹に生まれ直してくるわ」と言った彼女の結末
心の広い方以外はUターン!
グロいことは一切ないよ!
つまらない!この世界はつまらない!私のいるべき世界はこんなつまらない世界じゃないはずよ!親に与えられた選択肢しか選べない進路!(いや、最もこの世界でやりたいことなんて惰眠をむさぼることぐらいなんだけどさ)みんな生き急いでいるとしか思えないスピードで進んでいく世界!そのくせなんの代わり映えもしない穏やかな日常!そう!穏やか!もうつまんない!
それに、何かに縛られて生きるのは疲れた!うん、やめよう。鳥になりたいなぁ。自由にどこでもいけるし。でも鳥も鳥で家族とかしがらみあるよな。ゆっくりした隠居生活もできなさそうだし。もっとゆっくり生きれて、色んな楽しいことがあって、なぁんにも縛られない生き物ってないかなぁ。
あ!いいこと思いついた!
「ということで」
「どういうことで?」
「世界樹に生まれ直してくるわ」
「いやだからどういうとこ!?」
「飽きた!」
「はあ!?」
「もうこの世界に要はない!さらばだ!」
「おいこら待たんかっ!この中二病が!」
「いーやーだー!世界樹になってゆっくりした老後を過ごすの!」
「いや、わけわかんないこと言うなよ」
「だって世界樹って言ったら長寿で長樹で超樹でしょう!?」
「いやだからわけわかんないって」
「あ!生まれ直すのに時間かかるんだから!もう逝くよっ!?」
「んー?今どの字を当てたのかなぁ?」
「ばいばいっ」
「あっちょっ!ここ8階!」
玄関への道は封鎖されてたけど結果オーライかな?窓への道はがら空きだったもんね!さあ楽しい世界樹ライフが待ってるぜ!
✽✽✽✽✽✽
「はぁーい!楽しい楽しいお嬢さん!転生システムに何かご用なようでぇ?何でもー、世界樹になりたいとかぁ?」
「うん!かっこいいお兄さん!」
「あらぁ。お褒めに預かり光栄ね。でもぉ、あなたの次の転生先候補にはぁ世界樹の文字がないのよねぇ。だからぁ褒められても世界樹にはしてあげられないのぉ。ごめんねぇ?」
「そ、そんなっ!じゃあじゃあ!ゆっくり生きれて、色んな楽しいことがあって、縛りのない生き物って何がありますか!?」
「んー。そもそも縛りのない生き物っていうのがいないのよぉ。あなたがなりたがってた世界樹だってぇ世界を見守るっていう使命で世界に縛られているしねぇ?」
「そんな!めっちゃ楽しそうな縛りですね!そういう縛りならどんとこいです!」
「わがままなのね、あなた。そうねぇ。楽しければいいのかしら?」
「はいっ!楽しければ縛り有りでもオッケーです!」
「そう。決めたわあなたの転生先」
「ええっ!な、なんですかっ!?」
「それはぁ。おたのしみぃ?じゃ、いってらっしゃーい」
✽✽✽✽✽
「そもそも記憶は持ち越しできないことに気がついてないのかしら。お馬鹿ちゃんねぇ。ふふっ。楽しい楽しい縛りライフをお楽しみあれお嬢さん?」