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小説にもなっていないなにか置き場

オスかメスかそれが問題だ。

深夜テンションの謎のお話です。

 真っ白いなにも無い空間。


 私、ひとり。

 天から降る声。


 はい、これ神の奇跡キター!!


「性別、ですか?」

『うん、そう。性別です。男と女どちらがいいですか?』

「ふむ、ちょっと考えていいですかね?」

『もちろん。選択できるのは今だけですからね。慎重に決めて下さいね』




 ある日マンホールに落ちて天に召された。

 私こと、飯倉なお(22)。彼氏募集中。

 ただ今、神様らしき人に絶賛、異世界転生の勧誘を受けています。


 それで、先程、性別について聞かれたんですけどもね。


 ぶっちゃけ、貴方ならどうします?

 男か女、どちらが楽だと思います?


 私、時々、女ってめんどいわー。男に生まれたかった~って、思う時もあったし。

 逆に女で生まれて良かった~って、時もあった。


 あざと女子に辟易し、うざい男子に鳥肌を立て、痛い自分にさよならしたい。

 そんな時代が私にもありました。


 つまりは、どっち選んでいいか分かりません。


 後ね、男は女に適わないとか巷で言うじゃないですかぁ。

 でもね。あはんうっふんしたら、女って大概、男に情が湧いて。

 男は熱が冷めて次ぎに行っちゃうでしょ?

 あれね、ずるい。


 神はなぜ、男女の身体をそのように作りたもうたか。

 キミのことですよキミ。


 乙女ゲームで悪徳令嬢さんが暴走するのも大体、嫉妬ですよね~。

 いや、食われてたかどーかは知らないけども。

 婚約者でしょ?10代前半の煩悩男子にとっちゃ、

 食べ放題のエサでしかないよね~。食うでしょ?へへ下種顔。


 その上で婚約破棄とか殺意沸いて当然だよね~。

 うんうん、無いわ~。寝取られとか嫌いだわー。

 あや、脱線した。


 つまりは、女に生まれ変わって色恋に振り回されされるのも、

 今は勘弁なんすよね~。


 けどねぇ。男は男で、なんて言うかめんどくさい。

 大概、私が地雷を踏んだ時の野郎って、

 なんでそれが地雷?って私からしたら妙なとこばかり気にしていたし。

 大きな声や態度で恫喝するような気性が苦手だった。

 でっかい価値観の相違を感じてた。


 社会ってほとんどが男性社会だから、そのなかでオスとして立っていかないとっていう、謎なしばりに振り回されるのも嫌だわ。だったらメスがいいわ。



 『……あの」


 いやいや、しかし。

 体力や力は男の方がはるかに優れるからにして、異世界転生なら男の方がいいかもなぁ。戦争とかあったら、女子供は悲惨だ。


『あの…。もしもーし?』


 やっぱり男かなぁ?


『あの!お決まりでしょうか?』

「うぇい!!はい?」


 あははは。ごめんね。ちょっと没頭していた。


「そうだ。つかぬ事をお聞きしますが」

『はい』

「転生先の世界ってどのようなところですか?」

『乙女がキャッキャウフフする世界です』

「ほお、して私の役回りは?」

『侯爵家でひと枠ほど空きがありますねぇ』

「……女で」

『はい。承りました~』

「あの、出来れば転生したくないんですけど」

『却下ですー』


 ペカーと世界が白く発光して、私の意識は白く飛んだ。


 乙女ゲームで男子力ってまるっと不必要じゃないか。


 はぁ。乙女ゲームの令嬢か。食われるのは嫌だなぁ。

 ネット小説やラノベで読んだあれやこれやに巻き込まれるの嫌だなぁ。

 なんにもなくて貴族するのもやっぱ嫌だなぁ。

 でも侯爵家の男で悪役とか攻略対象だともっと嫌だし仕方ないのか。


 これほどテンションの上がらない転生は初めてですね。

 いや、転生自体が初めてですけども。


『ものすごい打算的な貴方なら大丈夫だと思いますよ』

 

 良く分からん励ましを戴きました。

 さて、貴方ならオスとメス、どちらに生まれ変わりたいですか?




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