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イレモノ  作者: アメツチ
3/3

さよなら

さっきからたくさん私にはなしてくれていますが、なぜですか。

「人は出会うべき時に出会うべき人と出会うからね。すべては必然さ。」


なるほど。

「では、私は生まれ変わることにするよ。生まれ変わったら、そうだな、君みたいな女がいいね。顔はそこそこだけど、子をうめる。神話にもあるように男でも人は作れるが、やはり子を産むのは女性のほうがいい。そして君は何より、僕に似ている。顔も、性格もね。」


ありがとうございます。嬉しくないです。

「ははは、君は面白いね。僕は君が気に入った!君はとても大切な人だよ。」


さっきあったばかりですけど。

「時間なんて関係ない。僕は君が気に入った。いいものだ、最期を君のような人と過ごせるのだからね。」


口説いてるんですか?

「まさか!僕は今から神になる。」


死ぬんですか。

「何度も言わせないでくれ。生まれ変わるのさ」


そうでしたね。

「では、さよなら。」




そうして男は、首吊りの樹に体を委ねました。

景色がゆがみました。目の前にたったいたはずの

女性が、いつの間にか遠くで悲しい顔をしながら

何かをいいました。














朝だ。美しい。

こんなに朝は美しかったのか。

涙が出る。手を見る。まるで女性のような手だ。

近くに泉があったので、水を飲んだ。すると、僕の顔がうつった。あぁ、さっきまで話した女性そっくりじゃないか。でも、違うな。僕にも似ている。


なにがあったんだろうか。

生まれ変わろうとして、あの樹の下で女性に出会って。なぜ、僕は生きている?いや、これが神になったということか。そうか。きっとそうなんだな。



男は喜びに満ちた様子で立ち上がると、何かに気づきました。


これは、なんだ。手紙か?


あけると、そこにはとても几帳面な字で

こう書かれていました。


「あなたは人は神になれる、前までは神であったと言った。貴方の自論は間違ってもいないし正しくもないと思う。しかし、貴方は神になると言って死のうとした。死などと言う言葉で表したくないだろうが、肉体をなくす、それ即ち死だ。肉体から開放されたもの、そうだな、魂は何処へ行く?魂だけでは何もできない。器がなければ、イレモノがなければ。それに気付けないのなら、貴方はまだ死んではならない。



さぁ、生きなさい。その答えを導くまで。」



僕は震えた。これを書いたのは、きっとあの女だ

。してやられた。僕は生きねばならなくなった。

このイレモノと共に。さぁ、答えを導こう。

そして、神にならなくては。


あなたは、この答えを導き、神になれるか?





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