第三話 のぞみちゃん大暴走! 後編
「おい浅野、てめー‥‥‥」
わー!どうしよう!のぞみちゃん助けてー!!!
「あん?なんだよ、ブス。」
のぞみちゃん(実際は、喋っているのは私の身体)が藤田さん達に火花を散らす。
「ウチにブスとかいうんじゃねーよ!!」
「ふーん。あっそ。じゃあ、おブスさん達。」
「‥‥‥ぁんだとぉ!」
藤田さん達が立ち上がった。お互い戦闘モードになっている!
「だいたい何よ、浅野さん!いきなりそんなに強気になって!!いつもはウジウジしてるくせに!」
「あのあたしは本当のあたしじゃない。それに何だ?黙って聞いてりゃ、生意気な口たたきやがって!!やるって言った
のにやんなかった、だ?ざけんな!!てめーらがやれって言ったんだろ!?てめーらみたいな人を道具扱いするやつは
”人間のクズ”だ!」
そう吐き捨てるとのぞみちゃんは、藤田さん達のイスを蹴飛ばした。そしてその次には机を持ち上げて投げ飛ばした!
藤田さん達はがたがた震えている。
ま、まずいよ、のぞみちゃんをとめなきゃ!
(の、のぞみちゃん!!罵声飛ばし過ぎだよ!!もうちょっとやわらくやってよ!)
(なんで?)
(だって‥‥‥‥)
私に昔の記憶がよみがえる‥‥‥そう遠い昔の記憶が‥‥‥‥
(だって‥‥‥今ののぞみちゃんは、藤田さん達とまったく変わらないよ!!)
(‥‥‥どうしてだ?)
のぞみちゃんは机を投げ飛ばすのをやめて、私の言葉を聞き入った。
(のぞみちゃんはさっき、藤田さん達にヒドい事をたくさん言ったよね?私もそれと同じぐらいヒドい事を言われてるん
だよ!?これじゃあ、のぞみちゃん、藤田さん達と同じになっちゃうよ!!だから、もうやめて‥‥‥‥)
ふいに涙があふれはじめた。どうして?私の身体乗っ取られてて涙ながせないはずなのに‥‥‥‥そっか。二人とも悲しいんだね。
「‥‥‥‥今日は勘弁してやる。ただし。あたしにまた何か言ったら許さないから。」
のぞみちゃんはそう言って、教室を出た。そのとたん、身体がふと軽くなった。のぞみちゃんが身体から出たんだ。でも‥‥‥のぞみちゃんは、どこ?
「のぞみちゃん!どこに行ったの?のぞみちゃん!?」
どこをさがしてもいない。もしかして‥‥‥消えちゃった?私がヒドい事を言ったから?やだ‥‥‥そんなの。いやだ!
「のぞみちゃん!!」
私はとっさに走り出した。消えちゃうなんて‥‥‥‥私を応援してくれてたのに‥‥‥あの暴言だって、私を助けてくれたから‥‥‥‥‥どんどん、自分を責めてしまう。
私は自分の部屋の前にいた。ここにいるかもしれない。でも、いなかったらどうしよう‥‥‥そんな時のぞみちゃんの言葉がよみがえる。
『勇気を出せ、ひかり!』
そうだよね。私は思いっきりドアを開けた。
「のぞみちゃん!」
中には‥‥‥‥‥‥いた。ベッドに寝っころがって漫画を読んでいるのぞみちゃんが。のぞみちゃんは私がいるのに気がついてギクッとしていた。
「ひ、ひかり‥‥‥ごめ‥‥」
その言葉が言い終わらないうちに、私はぎゅっとのぞみちゃんを抱きしめていた。
「ひかり‥‥‥‥?」
「バカ‥‥‥‥だめだよ、勝手にいなくなっちゃ。のぞみちゃんは‥‥‥私の大切な”友達”なんだから‥‥‥‥」
「ひかり‥‥‥ありがとな、ひかり‥‥‥‥‥」
のぞみちゃんも私をぎゅっと抱きしめていた。
今日、初めて”友達”の意味が分かった気がする。
ーいっぽう、藤田達のグループではー
「何、今日の浅野。」
「いつもと全然キャラ違ってたよね‥‥‥‥」
「机、投げ飛ばしてたし‥‥‥‥‥」
「そう‥‥‥‥まるで‥‥‥四年前の”ひかり”みたい。」
藤田は腕にある、昔の”古傷”をなでながらそう言った。
「なあ、浅野に仕返ししてやんね?」
「でも、今日みたいに暴れたら‥‥‥」
「暴れないようにする、いい方法がある。それは‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥いいわね、それ。やりましょう。‥‥‥‥‥見てなさい、ひかり。四年前の恨み、今はらしてあげる‥‥‥‥‥」
藤田は、ある写真を見ながらつぶやいた。その写真には‥‥‥‥今は心が通じ合っていないかつての親友の姿があった。
どーもみなさん、はーぴんです!
今回はどうでしたか?
次回は藤田とひかりの過去にせまってみようと思います。
それでは皆さん、またこんど! by はーぴん