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花道闊歩 -異世界ガイドとして死ぬ運命の少女たちを幸せな老衰エンドへ導きます-  作者: ガリガリワン
第一部 第六章 旅立ち編

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 間話 執念


 * *【マテラ視点】* *



 今日で戦争からちょうど3週間。


 ウチらは前線から引いて占領済みのレオニド領で、

 休憩っちゅうか……ま、のんびり過ごしとった。


 ダグンドとグロワールの戦争は、

 常にこっちが優位で負ける気がせぇへん。


 現に戦況はレオニド領とリアバダ領にカカテア領、

 五つの領の内三つは占領済み。


 三大将軍たちも王領に向こぉてるし、

 もうウチらの出番は無しって感じ。


 みんな言うとる。勝ちは確定してるって。

 やのにまだグロワールは抵抗をやめへん。


 変にきばっても意味ないっちゅうのに……


「エンヌ、食べもん持ってきたで」

「あぁ、置いといてくれ」


 こいつはエンヌ。

 英級(えいきゅう)の剣士で蒼剣流、

 ダグンドでも有名な将来有望な剣士……


 せやけど、今回の戦争じゃ強敵との戦闘じゃ完敗。

 一度だって勝ち星を上げることはできなんだ(できなかった)

「…… おい(おれ)って強かよな……マテラ」

「あんたが弱いなら世界がイカれてんで」


 エンヌは普段、うざったいくらいに自信満々で、

 誰よりも優れとるって自負しとった。


 せやさかい(だから)こそ……今回みたいな敗北は初。

 エンヌはこれ以上なく悔しいやろうな。


「ウチはしょーじき嬉しいで。

 エンヌも負けるってわかったし、

 ウチが相棒として立つ意味も出てきたんや」


 ウチがそう言うたらエンヌはウチから顔を逸らして、

 ボソボソっと聞こえるくらいの声で口を開いた。


「なんねそれ……おいが強うても弱うてん(強くても弱くても)

 マテラはおいん(おれの)横にいとけ……

 おいもそん方がやりやすか」


 ……なんや、ウチは(はな)から必要かい。


「……エンヌ、これからはどうすんの?

 多分やけどこの戦争が終わったら、

 長い間戦える機会は減り続けるやろし。


 あんたん言う異名持ち俊級(しゅんきゅう)……

 あれからかなり遠ざかるんやない?」


 ウチは疑問をぶつけた。

 エンヌの目標は異名持ち俊級(しゅんきゅう)、別名準天級(じゅんてんきゅう)


 現存する異名持ちは十六人、

 全員本に乗るくらいには有名でバケモノ。


 ただエンヌはそれになれると思う。

 せやけど、どれだけ強い奴でも環境が悪ければ、

 その才能を腐らせることだってある。


 せやさかいウチは不安なんや。



「グロワール王国()貴族がまだ何人か捕まっとらん、

 おい(おれ)たちが対峙したあん(あの)女子供もな。

 やけん(だから)おい(おれ)はそいつら()探す……


 見つけて捕まえるっちゅう前提で、

 おいはこん(この)大陸から抜けて旅するわ」


 エンヌの目は執念深さを表すように、

 ギラギラと輝いとった。そりゃそっか……


 エンヌが今回犯した最大のミスは、

 あの貴族の子供、リルメスを逃したこと。


 探すのも半々強くなりたいのも半々、

 エンヌからしたらこれ以上ない美味しい話。


 あんな目になるのも納得してまうな。


「旅ってもどう旅すんの?

 旅しとるだけじゃ強い奴は出てこあれへんやろ。

 一応探すのが前提なんやから、

 寄り道ばっかしてらんおまへん(ないよ)?」


そがん(そんな)ことわかっとーわ。

 寄り道なんかせん、探すって言うてんな、

 おいたちがわざわざ動くことなかろ?」


 エンヌはウチの肩を触ってその場を去る際、

 捨て台詞みたいにこう言ってきた。



「おいが一番になるには、

 周りがそうなるごと動けば良か」

短いですが敵視点に移してみました。

明日は18:15に投稿です。

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