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花道闊歩 -異世界ガイドとして死ぬ運命の少女たちを幸せな老衰エンドへ導きます-  作者: ガリガリワン
第一部 第一章 貧乏少女編

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第四話 腹の中の舞


『腹の中の舞を見よ』


 俺は小さい頃、よくおとぎ話をばあちゃんに読んでもらってた。何回も同じ本を読ませたもんだ。


 思えば、俺は意外に色々ハマってはいる。

 推し活はしなかったが、ゲームもアニメも普通に好きだったし、ゲームはかなりやり込むタイプだった。


 ただ、誰かに越えられた瞬間、やめてしまった。

 俺はプライドが高いんだろう。


 ……こんな方法、側から見たら哀れな攻撃方法だ。

 でも、今の俺はもう居酒屋店員坂田じゃない。


 生まれ変わって、もう一度人として人生をやり直すために働く、″異世界ガイド・坂田″なんだ。


 泥臭くやってやる。これはフリィアちゃんのためでもあり、俺のためでもある行為だ。



「グピュルララララァッ!!?」


 俺は無敵だ。だから触食(スラペード)族の口の中から体内に入って暴れまくった。


 胃ってのは多少の衝撃じゃ(もだ)えない。

 しかもこいつは丸呑みするタイプの種族だ。


 おとぎ話の中じゃ胃の中で暴れてたが──


 俺はこいつの″喉″で暴れてる。


 全知脳(ぜんちのう)……これがなかったら多分これはできなかった。胃の中で暴れてもダメージは与えられなかった。


 これしかない。このままこいつの喉を、

 ぐちゃぐちゃにかき回してやるッ!


「……っ、妖精(サルェタ)さん? ありがとう……!」


 フリィアちゃんは俺が暴れてる隙に逃げたっぽい。

 つまり、ミッションコンプリートだ。



 俺が数分暴れた後、

 触食(スラペード)族のこいつはぶっ倒れた。


「グピュアァア……ッ」


 喉をあんなに刺激されたんだ。

 しばらくは動けないだろうな。


 俺は体内から出てきて日差しを身に浴びる。

 疲れた。ヘロヘロになったが気は抜けない。


 死のリスト的には……おっ

 全部薄い緑文字だ。でも安心はできない。


 また今日も一仕事……やりがいが凄まじいな〜。


 だが……これからどうするか。

 今回ばかりは奇跡的に策を思いついたが、

 俺はなにもこんなことを何回もできる気がしない。


 はぁ〜……二週間なっげぇ〜。

 あと何回フリィアちゃん死にかけるんだよ。

 不安すぎて吐きそうだぞ。吐く口もないけど。



 * * *



 さて、無事に俺とフリィアちゃんは家に帰ってきた。


 フリィアちゃんは慣れたのか泣きもせず、さっきのことを一緒に住んでるばあちゃんにも言わない。


 とりあえず、俺は死のリストの確認だ。


 ……こっから先ほとんどうっすい緑だな。

 転倒死とか焼死、色々あるけど全部緑文字だ。


 ん……?


 ページを60くらい進ませた時。

 ドデカく真っ黒な文字が見えた。


【十二歳、戦争に巻き込まれ死亡】


 ……まさか。


『大体十代の時には確実に死ぬ』


 あの眼球が言ってたのはこれか……?


刺殺(しさつ)されて死亡】【鎌に切り裂かれ死亡】

【出血多量により死亡】……


 この後の1ページ分全部真っ赤じゃん……

 戦争に巻き込まれて死ぬってのは、この赤い文字全部をまとめて言ってるってことなのか?


 そりゃ……黒文字にもなる。

 多分、濃い赤の上が黒で、黒は確実に死ぬんだろう。


 それを変えるのが俺の役目……


 フリィアちゃんは今七歳。

 そんでもう一人の女の子も多分年齢は近い。


 どっちの死のリストも十二歳で真っ黒文字が出てくる。てことは……そこがターニングポイントか。


 ……それよりもう一人の女の子ってどこにいるんだ。

 まさか別の大陸じゃないよな……?


 いやそれはない。だって同時期(どうじき)の戦争だ。

 起こるならこの大陸内だろ。



 ……とりあえず二週間だ。

 二週間経てば俺はフリィアちゃんと話せる。


 怖がられたりしたら最悪だ……

 ていうか名前も決めなきゃな。


 全知脳(ぜんちのう)ってスキルは知識を勝手に入れてくれるのは助かるんだが、なにせ整理整頓(せいりせいとん)はこっちでしなきゃいけない。だから、頭を整理する時間は取らなきゃな。


 生憎(あいにく)、時間ばかりはたっぷりある。


 緑文字は基本気にする程度で、

 黄色文字は警戒。赤文字はすごく警戒。

 黒文字は勝負時だ。


 緑文字でも今日みたいなことはあるかもしれない。

 でも、そこまで気を使ってちゃ俺が保たない。


 とりあえず……今はまとめよう。



 * * *



 まずだ。俺が今いる場所を把握しよう。


全知脳(ぜんちのう)発動】


 ……うん。手に入れたぞこの大陸の知識。


 ここは【緑峰(りょくほう)大陸】っていう場所で、

 中央にデカい山脈があって右の海沿いは断崖絶壁(だんがいぜっぺき)


 中央の山脈は【天星(てんせい)山脈】って名前だ。

 どうやら世界一過酷な山脈で山頂は前人未到(ぜんじんみとう)の地。


 この大陸の名前通り、山脈と森が特徴らしいな。


 フリィアちゃんがよく行ってる森はわけわからんくらいの大森林。アマゾンみたいな感じだな。


 入ってきた知識じゃ奥地に行って帰ってきたやつは、

 誰一人いないとされてる超危険区域だ。


 俺が転生して初めて訪れた場所もあの森の中、

 でも、あそこ自体かなり浅めの森だろう。


 あと、この大陸の特徴として、

 山脈で北部と南部が分かれてる。


 大陸自体涼しい気候で北部は秋夏秋冬(しゅうかしゅうとう)って感じだ。

 そんで、北部は雨が多くて南部は雨が少ない。


 真ん中の山脈が完全に境界線(きょうかいせん)みたいになってる。


 まあ、俺みたいな地理平凡男じゃ、

 これ以上深く知っても意味がない。


 こう言うのは知ってる程度の知識でいいな。


 本題の俺のいる場所だが、ここは【緑峰(りょくほう)大陸北部】

【グロワール王国】の【リアバダ領】だ。


 まず【グロワール王国】ってのは、

緑峰(りょくほう)大陸】の北部を統治する王国で、

 四人の領主に領を与えて統治を固めてる。


 んで、ここは【リアバダ領】って言うんだが、

 俺は薄々勘づいてきている。


 もう一人の女の子の死因を見たんだが、

【十二歳、戦争に敗北後公開斬首】なんて書かれてる。


 それ以外も【誘拐の後死亡】【″兇徒(きょうと)″に惨殺(ざんさつ)される】

 ″兇徒″(きょうと)……なんだそれ。


全知脳(ぜんちのう)発動】


 あ、さすが全知脳(ぜんちのう)

 盗賊(とうぞく)とかそういう奴らね。言っちゃえば犯罪者か。


 まあまあ、それはまたまとめるとして、

 もう一人は死因がほとんど″他殺″なんだ。


 一般人が生きていく中で他殺されるのは、

 大体恨みだったりとかなんだが……


 まだ子供がそんな恨みを買うとは思わない。


 ってのを踏まえると俺はもう一人の女の子は──


 ″リアバダ領の領主の身内″だと思う。


 暗殺やら誘拐(ゆうかい)やらが多すぎるんだ。

 だから、多分、絶対……! 領主の娘だ。



『二人の女の子を″幸せ″にするんだよ』



 俺の役目は二人の女の子を幸せにすること。

 ……となると、フリィアちゃんにはその領主の娘と、

 親しい友達、いわば親友になってもらう。


 っふー……無理だろこれ。

 超貧乏人と超金持ちが友達に……?


 そんなマンガじゃないんだから……

 ああでも、ここもマンガみたいなものか。


 あ〜っ……色々考えなければ。

 フリィアちゃんとコンタクトが取れるようになったら、友達になるように仕向けなきゃいけない。


 考えよう。ひたすらに考えよう。

 そしたら、色々わかってくるはずだ。



 とりあえず、今はこのフリィアちゃんに干渉できない中で、絶対に死なないでもらおう。


 じゃなきゃ、本末転倒だしな。

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