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花道闊歩 -異世界ガイドとして死ぬ運命の少女たちを幸せな老衰エンドへ導きます-  作者: ガリガリワン
第一部 第二章 天才お嬢様編

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第九話 新生活・剣士とは何か


 異世界転生十六日目。


 フリィアちゃんは人生を一発逆転させた。


 貴族のリルメスに柑鮮(フルジュア)がウケて、

 ボロついた古家から屋敷の部屋へ住まいが変わった。


「フリィアちゃん。起きて起きて、仕事」

「んぅ〜」


 フリィアちゃんはたくましい女の子だ。

 七歳、言わば小学二年生の女の子、なのにギャンギャン泣いたり愚痴(ぐち)を垂れたりもしない。


 いつだって頑張り続ける子だ。


 ただ、寝起きはちょっと年相応になる。

 やっぱり根は七歳の女の子か。


 予想だが、リルメスも同い年で七歳なはず。


 ただなんでここまで性格に差があるかと言われると、

 (きび)しい世界を知っているか否かだろうな。


「まだ寝たいです……」

「寝たらクビにされちゃいますよ〜」


 俺は口調を綺麗にすることを決めた。

 幼い頃、影響(えいきょう)を受けた大人の口調は引き継がれる。


 母さんは優しかった。でも俺が関わる友達は口が悪い奴ばかりで、俺はこんな口調になってる。


「なら……起きます!」


 ちゃんと礼儀正しい賢そうな大人として話そう。

 そしたらフリィアちゃんも今のような、すごく丁寧(ていねい)で優しい口調のまま育ってくれるはずだ。


『おうおう! わたしゃぁ剣士だからよぉ!

 売られた喧嘩(けんか)は買ってやるからぁ!』


 こんなんになったら洒落(しゃれ)にならない。


「えらい、とってもえらいですよ」

「うへへ、えらいですか〜?」


 チョロ、まあ七歳はこんなもんか。

 フリィアちゃんは喜ぶ時は顔が一気に(ゆる)くなる。

 その顔面偏差値(がんめんへんさち)ならアイドルだって目指せるぞ。



 * * *



 この世界の時間だとか日付だとかの文化は、

 俺が元いた世界と全く同じだった。


 ので、屋敷での生活をまとめるとこんな感じだ。


 午前8時起床、午前10時から柑鮮(フルジュア)作り開始。

 午後1時には屋敷のお昼ご飯を食べる。


 ちなみにお風呂にご飯、洋服とかは、

 全部屋敷側が負担してくれている。


 ので、稼いだお金はフリィアちゃんの意思で、

 ほとんどおばあちゃんへと渡している。


 だから今、手持ちには白金貨1枚しかない。


 午後1時お昼ご飯を食べて、午後2時から作業再開。

 午後4時には作業は終わってそこからは自由時間だ。


 七歳の女の子がこのスケジュールなのは(こく)だが、

 貧乏生活の頃より100倍マシだろう。



 はっきり言って午後4時までは特に言うことはない。

 ただ作るだけだ。他愛(たあい)のない会話ばかりしてる。


 本題は自由時間。

 そもそもお金を稼ぐ理由はフリィアちゃんの生活を豊かにし、身体作りを始める準備を済ませることだ。


 フリィアちゃんが目指すのは剣士。

 とにかく身体は丈夫にしないとダメだ。


 食生活に運動、そして睡眠(すいみん)

 鍛えるなら三つのうちどれも欠かせない。


 だが、今のところ運動以外の心配はいらないだろう。


 屋敷が出す食事は豪華だった。

 栄養バランスは完璧、タンパク質が絶対入ってるであろう料理も多かった。それに味も良い。


 フリィアちゃんがすごく美味しそうに食べてて、

 (うらや)ましく思ってる俺にも飯が出された。


 俺は分類じゃ妖精(サルェタ)族で口もないのに、

 どうやって飯を食うのかと思ったら──


 光属性の魔力が込められた果実があるらしい。


 妖精(サルェタ)族は果実は食わないが、

 物質に宿る光の魔力を吸収して食べたりできる。


 これがマジで美味い。


 本当に美味かった。超高級フルーツの味だった。

 とにかく甘くて、ドロっとした甘さじゃない。


 後味爽快、パーフェクト甘々果実。


 美味さに感動すると共に、俺は全知脳(ぜんちのう)欠陥(けっかん)を再確認した。そう、俺が知りたいと思わないと発動しない。


 俺は勝手に妖精(サルェタ)族が食えるものはないと、

 自分の中での予想を結論として常識にしていた。


 こう言うミスは多発(たはつ)する気がする。

 当然と認識したものほど疑えなくなるからな。



 * * *



「フリィアちゃん。今日の仕事は終わったし、

 今は自由時間なので早速外出しましょうか」

「外出……どこに行くんですか?」


 フリィアちゃんは剣士、なら何が必要だ?


「フリィアちゃんの″剣″を買いに行きますよ」


 剣士には当たり前だが、″剣″が必要だ。



「剣……剣が買えるんですかっ!?」

「なんせ私たちは稼ぎましたからね〜」


 フリィアちゃんがなんで剣士志望なのかはわからない。ただ焦って聞く必要はない、これから知れば良い。


 さて、剣士というかこの世界について深く知る時がきた。フリィアちゃんは学校なんて行っていないから、俺も知識を得ながら教えていこう。


全知脳(ぜんちのう)発動】



「まずフリィアちゃんは″等級制度(とうきゅうせいど)″を知ってるか?」


 俺とフリィアちゃんは道を歩きながら授業をする。

 この世界の基礎知識、剣士に必要な知識だ。


「等級制度……?」


 クエスチョンマークが浮かび上がってる。

 まあ、知ろうにも知る機会なんてない。


 この世界の生命は例外なく、全員が級を持ってる。


等級制度(とうきゅうせいど) この世界の強さの指標 以下表


 無級(むきゅう)  戦えない一般人


 下級(かきゅう)  剣を持った一般人


 準中級(じゅんちゅうきゅう) 剣に慣れた一般人


 中級(ちゅうきゅう)  剣を扱える戦士


 準上級(じゅんじょうきゅう) 剣術を使用する戦士


 上級(じょうきゅう)  剣術をほぼ完璧に扱う戦士


 英級(えいきゅう)  達人、剣術を極めた戦士


 準俊級(じゅんしゅんきゅう) 等級が上級以下の者を圧倒する戦士


 俊級(しゅんきゅう)  怪物、負けることは基本ない戦士


 天級(てんきゅう)  伝説的存在、理不尽なほど強い戦士】



「たくさんあるんですね……!

 わたし天級(てんきゅう)しか知りませんでした……」


 そうフリィアちゃんの反応通り、

 教養がなくても天級(てんきゅう)という級は周知のレベルだ。


「わたしは今、無級とかですか?」

「正解、フリィアちゃんは無級だ」


 大体下級から準上級は誰でもなれる。

 ただ上級以上、そこら辺からは才能だとかが関わってきて、天級に関してはなれないものだと思っていい。


 この等級制度(とうきゅうせいど)、今は剣士の話をしてるが、基本的に魔法使いだとか、【兇徒(きょうと)】・【暴野(ぼうや)】にも通ずる制度だ。


兇徒(きょうと)】は簡単に言えば犯罪者。

暴野(ぼうや)】は野生動物的な獣族(じゅうぞく)魔族(まぞく)水族(すいぞく)

 森の熊だったり、触食(スラペード)族とかが【暴野(ぼうや)】だ。


 大体四個。剣士と魔法使い。兇徒(きょうと)暴野(ぼうや)

 全部に共通して言えるが、″天級(てんきゅう)″ってのはヤバい。


 強さは説明できないほど強い。

 全知脳もこの級に関しては、【最強】の一点張り。

 多分、本当にえげつない強さだ。


「なんかややこしいですね……」

「大体感覚でいいんですよ。それよりも剣士ならば、

 ″流派″を決めておきましょうか」


「知ってますよ! 確か五つあるんですよね!」


 お、少し物知りだな。


 フリィアちゃんが言った通り剣には五つ流派がある。


【流派 剣士が扱う剣術の流派のことを指す。


 地剣(ちけん)流 シンプルな剣術、使用者が最多。

 天剣(てんけん)流 素早い動きが特徴の流派。

 水剣(すいけん)流 型が非常に多く応用は最も多い流派。

 蒼剣(そうけん)流 二つの剣を扱う剣術がメインの流派。

 赫剣(かくけん)流 突き技や一撃に賭けた剣術が多い流派】


「その……わたしまだ決めてなくて……」

「決めると言っても仮決めですよ」


 剣士だったら基礎知識は……

 とりあえずこれだけあれば良い。


 色々教えることはまだ多いが、

 実際に剣を持たせて学び始めてからが本番だ。


 知識だけを教え尽くしても、面白くない。

 やるなら楽しんでほしい。俺は学生の頃、つまらない授業をする教師が本当に嫌いだった。


 ああはなりたくない。だからフリィアちゃんには、

 剣術がどう言ったものかを楽しんで覚えてもらおう。



「さて、とりあえずお話はここまで。

 お店に着きましたから早速、剣を見て買いましょう」


 数分歩くうちに店に着いた。

 記念すべき初めての剣……フリィアちゃんの目は、

 この武具店を前にして星のように輝いてた。

この後【18:15】に第十話投稿されます!

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