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1話 心中症

「今日のニュースです。各地で心中する人が増えています。昨日の犠牲者数は124人でした」


 嫌なニュースだ。最近はこの話題で持ちっきり。


 心中症、巷ではそう呼ばれている。心中したくて仕方なくなるそうだ。原因不明。治療法なし。


 とりあえず学校に行こう。今日は終業式で、明日から夏休みだ。夏休みは何をしよっかな。

 やっぱり、海には行きたいよな。後は、花火大会も行きたいし、夏祭りもだし......


 いっぱい思い浮かぶなぁ。胸がわくわくしている。


「きょうちゃん、おはよっさん~!」


 明るい声で後ろから背中に乗っかってくる。


「結衣、おはよう」


 結衣は僕の彼女だ。付き合って一か月。僕から告白した。普段は大人しいわりに話している時は明るくて、とても笑顔がかわいい。2000点くらい。いや、もっとか。


「朝からぽけーっとしてるけど、どしたん?」


 ど、どうしよう。頭の中お花畑だったのがばれちゃうや。でも、隠してたら誘う機会失っちゃうかもだしな。


「夏休みに、結衣とどこいこーかなーって悩んでた」


 少し間が空く。結衣の顔を見るとほんのり赤い。急に僕にも照れがやって来る。


「おぉ!! 私とどこに行きたいの??」


「海とか、花火大会とか......」


「ふむふむ。私の水着と浴衣が見たいと。いいよいいよ。きょうちゃんには特別にみせちゃろう」


 やったね。夏休みの予定が二つも埋まった。


 ジジジジッ


 ......忘れ物があるや。


「ちょっとごめんよ。忘れ物思い出した! 取りに帰るよ」


「私も!! 一緒だぁねぇ」


 僕は家に帰る。


 忘れ物を取って、家を出る。さっき結衣といた場所に戻ってくる。結衣は先に来て待っていた。

 右手を後ろにして、左手でカバンを持ちながらこちらに手を振っている。


 僕はカバンから包丁を取り出す。結衣を殺さなきゃ......ね?


 ベチャッ


 目の前から血が飛んでくる。


 僕はフッと全身から力が抜けその場に崩れ落ちる。



 誰かが結衣を斬り殺していた。

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