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5話 ラブコメの波動を感じない

投稿だいぶ遅れてすみませんでした!!!

 おとといに町にそれなりに積もるほどの雪が降ったものの、暖かくなってきたのかほとんど溶けており、消えていく雪に替わるように、道路に植えられている桜の木にはつぼみがつき始めていた。


 春が近づいている道を、凛は歩いていた。


 いつもスーパーに行く時は、全身スポーツブランドやジャージなどを着ているが、今日はそんな彼には珍しくお洒落をしていた。


 今の彼を見てみても、パッとみて凛だと気づく人は少ないのではないか。そのぐらい普段の彼の雰囲気とは異なっていた。


 そしてなぜ彼がそんな格好をしているか?その答えは凛の隣にいた。


 時は少し遡って一週間くらい前に戻る。


 家でゴロゴロしていた彼は、自分の携帯に通知が来ていたことに気づいた。


(玲歌からか)


 あれから時々メッセージが来たり、隼人と一緒に家に泊まりに来ることもあった。


(客人が増えた為、ふとんをもう一つ買うか本気で迷っている)


 彼女とは、そのような仲になっていた。


 話を戻して、メッセージを凛が開くとそこには


「お願いなんですけど」


「兄さんの誕生日プレゼント選びを手伝ってくれませんか?」


と書かれていた。


 隼人の誕生日は3月28日。この日から1ヶ月ぐらいははなれているが、玲歌はアイドル関係の仕事や、声優関係の仕事やオーディションなどがあるため、早めに日にちを決めておきたいとのことだった。


 すぐさま了解の返信をし、お互いの暇な日を出していった結果、今日になった。


「わざわざありがとうございます」


 凛の隣にいた玲歌が、話しかけてきた。


「いいよ、礼なんて。どうせ家でゴロゴロしているだけだったし」


「そういや28日って、うちに来るんですか?」


「あぁ、行くよ。隼人のために料理頑張んないとな」


 去年は隼人のために唐揚げを作り、その美味しさから「来年も祝ってくれるなら、作ってくれ!」と頼まれている。


「兄さんに何をプレゼントすればいいですかね?」


「アニメ系を抜きにすると、眼鏡ケースとか、コードレスイヤホンとか、後は衣類だな」


 そんな感じで、二人が喋りながら歩くと目的地である大型ショッピングモールについた。


 まず最初に、ワイヤレスイヤホンを見るために家電量販店に来たのだが、


「周りの人も結構持ってるから、そんな高くないって思ってたけど2万って…」


「出せなくはないんですけど…」


「あいつのことだから『一年に一度あるイベントに高校生がそんな高いもの送らないでくれ』とか言うぞ」


「じゃあなしですね」


 結果イヤホンという選択肢は無くなった。


 「せっかく来たのですし、他のものも見てみませんか?」という玲歌の誘いに乗ってみたものの、


「目覚ましとかどうですか?」


「あいつ寝坊したこと一回もないから、いらないかも」



「ゲームソフトは悪くないんだけどなぁ…あいつだいたい好きなゲームもってるしな。エロゲをプレゼントでも僕はいいと思うんだけど」


「私がプレゼントするんですよ!?」


「だよな。仮にもらっても反応に困るだろうし」


と、特に良い収穫を得ることができずに、二人は家電量販店から遠ざかっていった。



 時刻は11時30分、キリがいいし食べるか!という理由で少し早めの昼食を食べるために、フードコートに来ていた。


 少し席が埋まっていたが、食べる場所を確保することが出来た。


「荷物見ておくから、先に注文とってきていいよ!」


と、凛が先に行くように促すと財布を持って、玲歌はフードコートにある店の一つのうどん屋へと向かっていった。




 アイドルオタクであれば、推しと一対一で食べようとする行為は夢のようなイベントである。


 だが、凛にとって今の彼女は、「アイドルである玲花」ではなく、「隼人の妹である玲歌」なのでそんな認識はしていなかった。


(つーか友人に見られたら大変だな)


どちらかといえば、そっちの心配をしていた。


(まぁ、事情を話せばわかってくれるでしょ。あからさまに釣り合ってないし)


と、この時は軽く考えていた。




食事中の話題は、隼人のプレゼントのことについてだった。


「個人的には衣服がいいと思うんだけど、どう?」


「衣類ですか…私、男の人の服選んだことないし、好みもわからないんで…」


「それは僕も手伝うよ」


 いろいろ相談した結果、買うものは帽子ということになった。会話が終わる頃にはもう2人とも食べ終わっていた頃だった。


 いざ片付けようとした時、凛は隅っこにあるとある店を見つけた。


「アイス奢るから、何味がいい?」


「えーと、チョコミントお願いします」


「了解!」


 時刻は正午を過ぎており、人もだいぶ並び始めていた。


「チョコミントとバニラひとつずつ」


「はい、710円です」


 ぴったりお金を渡して、店員から凛はアイスを受け取るが、


(うーん、これは俺が悪いな)


 カップの中にアイスが二つ入っていたのだった。


 とりあえず、今から移し替えてもらうわけにもいかないのでスプーンをもう一つ貰って、席の方へ向かっていった。

@Ametosamusa1217

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