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4話 ハッピーバレンタイン

投稿頻度落ちます。

すみません。

 あれから、特に何かが起こったわけでもなく日は過ぎていき、2月14日が訪れた。


 男3人がファストフードの一角にいた。



「ナルさんは今日は誰からもらうの?」


 凛のことをナルと呼んだその人物は、見るからに凛よりも年下、高校生くらいに見えるが本当は凛の2つ上である。周りの人は彼のことを『優』と呼んでいる。


「優くん、ナルが推し変すると思うか?」


 そう言ったのは、少々ふくよかな体型をしている、パッと見てもオタクだと分かる人物だった。周りからは『おこげ』と呼ばれている。ちなみにおこげはファン歴が凛と同じくらいである。


「2人は?」


「アリサ一択に決まってる」


「ハルちゃん一筋なので」


 おこげが言ったアリサという人は、少し天然であるが、グループをきっちりまとめているリーダーであり、優が言ったハルちゃんことハルカは、アグレッシブな性格であり、悪戯好きで、その被害をライブやchirpで報告されている。


「ちなみに、まだもらってはないよな?もちろん俺はもらってない」


「アニメのやつで貰うの以外だとない」


「友チョコなら前にもらったけど」


「おこげさんは許せる、優くんそれは性別はどっち?」


「えっ?両方だけど…」


「「有罪(ギルティ)」」


 どうやらこの2人にとって、友チョコでも女子からもらうのは罪なようだ。


「そういえばナル?」


「なんです?おこげさん?」

「こないだの秋葉のイベ…」


「アァーアァー何も聞こえないわー」


 そう言った凛は耳を塞いで机に突っ伏した。


「珍しいですね、ナルさんのそういう姿」


「大学の課題に追われていたのと、イベントの告知に出演者書かれていなかったから、わからなかった」


「行けたのに行けなかったパターンか、それは災難だったな」


 2人とも哀れみの目で凛のことをみていた。


「だから今日、不足した分を取り戻す!!」


((立ち直り早いな))


 だいたいこんな感じで3人はイベント前の時間を潰している。




「本日はありがとうございました!この後は握手会などと共にチョコをお渡ししますので、係員誘導のもと整列をお願いします!」


「じゃあ、ここらへんで一旦解散だな」


 それぞれ違う列に並ぶので、ファストフード店を集合場所にして、分かれて行った。


(やっぱりいいなレイレイ、いつも通り可愛いかった)


 そんなことを考えていると、やがて順番が回ってきて凛の晩になった。


「いつも応援してます!今日も素敵でした!」


「ナルさん…ですよね?いつもありがとうございます!」 


 と言って、レイレイが係員の人からもらった箱を凛の目の前に出すと、


「ハッピーバレンタイン!ナルさん!」


 と言ってくれた。


 その光景と、凛の名前を覚えていてくれたことに対して、感情の高まりが限界まで行き、それ以降のチェキ撮影からファストフード店に戻るまでの記憶が、全くと言ってもいい程無かった。



「バレンタインのこともそうだけど、すごいことばっかだったな、ナル」


 おこげがそう言ったのには理由がある。


 今日のライブのフリートークの時にチームで動画サイト「high free」にチャンネルを開設し、動画を近日点に出すこと。そしてメンバーで唯一『chirp』をやっていないレイレイが、アカウントを作って、アイドルそして声優についての宣伝などをそこのアカウントで行うとの発表があった。


「とりあえずアカウント作ったならば速攻でフォローする」


「だな」


 その後も今日のライブのことについて話し合うのを、三十分くらいしてお開きになった。



(あー、食っちまったしなー。今日のご飯は軽めにするか)


 そんなことを考えながら、凛は自分の部屋があるマンションの3階まで来ていた。


 廊下を歩いていき自分の部屋の前まで来ると、ドアノブに紙袋がかけられていた。


(回覧板か?でもこないだ次の人に渡したばっかだし…)


 とりあえず紙袋を持ったままドアを開けて、自分の部屋に入っていった。



 紙袋をひっくり返して中身を机の上に出してみると、ラッピングされた袋が二つ、そして折り畳まれたメモが入っていた。


 メモを開いてみると、「どうせ誰からも貰わないだろうし、チョコ渡すわ。市販のやつが俺からで、手作りの方は妹からな。」と書かれてあった。


 とりあえず隼人には礼と、「最初の一文はいらん」とメッセージを送っておいた。


(というかドアノブにかけたってことは、こっちに来て直接渡すつもりだったんだな。わざわざありがとうな)


 そんなことを本人に言ったら、確実に調子に乗るから凛の口からは言わないが。


 ちなみに手作りのチョコの出来は、料理上手の凛が唸るほどだったことだけは伝えておく。



 いろいろやるべきことを終わらせて、凛が携帯を見てみると「wire」の応援会から大量にメッセージが来ていた。大方今日のライブのことだろうと思っていたが、見てみると


「nullさん!レイレイからフォローされてますよ!」


 と書かれていた。


 半信半疑で「chirp」を見てみると、そこには


「玲花/冷菓としても活動しています さんからフォローされました」と書かれてあった。


 その後の凛の興奮っぷりはご想像にお任せする。




 ちなみにこのことをツイートしたら、凛宛にものすごい数のお祝いのリプライが来た。

ポイント入るってこんな嬉しいんだね


@Ametosamusa1217

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