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この感情の正体は…?

作者: 冬瀬りん

主人公の名前はなぜか作者と同じ。

定時制高校に通いながら、いろんな問題に遭遇。

感情というのはいったい何なのか?

ねえ、なんで?

好きって言ったのそっちじゃん

付き合うってなに?


『何もわからなくなりました。ごめんなさい』


.

.


冬瀬りん。2回目の高校2年生をやっています。

私がいるのは、市内の某商業高校の定時制。

現在クラスメイトは男子3人女子2人の5人クラス。

どうやら担任によると、男子1人が2学期になってずっと来てなくて、もう高卒の必要が無いから来ない…みたいな事を言っていたらしい。


そういえば私も最後に見たのは遠足だけだったけれど、中間考査あたりから来てなかったなぁ。

遠足は11月にあったので、それは担任が無理やり呼んだとの事。

そんなことを言っていたらもう11月の27日に日付が変わっていたのだ。

中学の時の先輩の誕生日だな~なんて思いながら、数年前の恋を思い出していた。



それは初めての市内の吹奏楽の音楽祭での事だった。

その当時1番絡んでいた男の子から、告白された。

私も彼のことが気になっていて、付き合うことになった。


仮にそいつの名前を「月島アルト」としよう。

月島はもともと泣き虫で、小学校の頃はよく私が慰めていたもんだ。

そんな月島は、私と同じで異性といた方が楽らしい。


それが付き合う前に、きちんと確認しておく点だった。

なんやかんや告白される前も女性先輩と一緒にいることが多かった月島。

私はその頃は片思いだと思っていたので、別に付き合ってる訳でもないのに、と気にせずにいた。


そもそも、私がこんなに嫉妬するなんて思ってもいなかったんだ。

自分で自分にびっくりした。

あいつが女性といることの方が多いのは小学校の時からだし、私が悪かったんだと思う。

付き合ってからも、女性先輩と2人で帰ってる事が多かった月島に、私は10ヶ月もすれば嫌気がさしていた。

それでもやっぱり好きだった。

嫌なのに好きなのは、本当に辛いよなぁ…。

約2ヶ月、本当に頑張ったと思っている。

結局あと数日で一年、というところで別れた。

別れたあとも、ずっと好きだった。

あぁ、私醜いなって。


そうこうして、結局あっちが「別れても今まで通りでいよう」なんて言うから、普通に一緒にいることの方が多かったし、何故か高校まで一緒だったという…。

高校に入学してからも私は吹奏楽部に入った。

月島も。

私は中学の時2個上だった女の先輩をおってこの高校に来た。

だから一緒に部活できることが楽しくて…。

その時も月島とは普通に話していた。

その頃にはもう月島に恋愛感情はなかったけれど、知ってる顔だと話しやすい、って言うのもあるのかよく絡んでいた。


そして私はその吹奏楽部で友達ができた。

その子の名は、雪野愛華ちゃん。

私は「あいちゃかん」と呼んでいた。

あいちゃかんとは定時制に移籍した今でもよく会うしよく話す。

多分私の、永遠の友達だと思う。


高校2年になる前の冬、私は部活を辞めた。

先輩がいなくなったのもあるし、一個上の先輩たちのやり方に納得がいかなかったのもあり、楽器を吹くのが楽しくなくなった。

あいちゃかんには何も言わずに辞めてしまった。

結局その後にあったホームマッチで向こうから話しかけてくれてまた元通り。


ただ、私は…。

2年に上がった頃だった。

だんだん学校に行きづらくなったのだ。

1度休んでしまい、それからずっと。

たまに遅刻して行ったかと思えば、1・2時間で早退。

ほんとに今思えば情けない生活をしていたなぁ……。


6月頃からそんな生活をしていて、まぁ単位も足りるわけもない。

原級留置という措置を受けた私は、今後そのまま全日制でやって行ける自信もなく、定時制へ移籍することを決めた。

なんやかんや、1回目の2年生はゆっくり過ごせた…と思う。


その期間は、特に恋だの愛だの、そういうものはなかった。

月島と過ごしていた、付き合っていた間より仲の良かったその時間に、安心していたのだ。

ただ、好きなジャンルのミュージカルで、好きな俳優さんができただけ。

そんな間の、定時制までの移籍期間は心も休まっていた。


定時制に来て1日目。

中学生の時の部活の後輩が同じクラスだということがわかった。

中学の時から比べると、彼は大分成長していた。

前より笑顔も増えたみたいで、なんだか楽しそうだった。

しかし彼は部活の後輩ってだけで、そういうのはない。

普通にかわいいなぁとは思ったが。

いや、そもそも男子にかわいいってなんだ?


月日はめぐり、定時制では部活の大会があるそうで、その練習が始まった。

卓球かバドミントンか、私はまだできる方を選んだ。

それが、運命の選択だった。


2年生は私以外みんな卓球を選んだ。

そう、みんな3・4年で、私だけ2年生。


そして、そのバドミントン部で、気になる人ができた。

最初はなんかチャラそうな人だなぁ…と思っていた。

それが話したり見てたりしていくうちに、素敵な男性だなぁと思い始めたのだ。

優しい笑顔に、いつの間にか惹かれていった。


でも。

私はもう…恋はしたくない。


そしてたどり着いた答えは

「これは恋じゃないんだ。先輩へのこの感情は推し。」


そうして乗り越えてきた今日この頃。

学校に行くのがだんだん辛くなってきて、今では先輩に会いに学校に行っている。

毎日推しに会える私って、そうとうラッキーじゃん!?


けれどそれは…やはり辛かった。

多分おそらく、この感情は『恋』

だけどそれを認めたくない私。


「これは恋じゃない、これは恋じゃない」

そう自分に言い聞かせながら帰る1人の夜。


それでも誰かと帰る事が楽しかった私は、とてもさみしい。


学校…辛いなぁ。

私は今、諸事情により別室登校している。

家でも学校でも一人ぼっち。


その時私は思った。


無理に笑顔作らなくていいや…。

みんなに認めてもらおうとか…さ。

無理して笑顔作るの苦しいし辛い。

面白くもないのに笑うとか、嬉しくもないのに笑うとかそんなのつらい。

みんなと一緒に楽しく暮らすとか、無理に笑顔作ったり、話合わせたりの我慢に我慢重ねなきゃできないんだよなぁ…。

そんなのきついし自分が持たなくなりそう…。


もう…笑顔は捨ててしまおう。

そんなのあなたじゃないとか言われたって、お前の知ったことかってね。


おそらくきっと…これがほんとうの私なんだよね。


じゃあいったい…この胸の苦しさはなに…?

どうしてこんなにも「さみしい」なんて思うんだろう…?


あぁ…きっと慣れてしまったんだ。

偽りの笑顔に慣れてしまったのと同じように、みんなと楽しいのに慣れてしまったんだ。


これから何日か笑顔を捨てて暮らしたら、前みたいに一人でも辛くないかな…?

もう一度…一人に慣れよう…っ!

そしたらきっと大丈夫だと思う。


でもさ…先輩のこと知れば知るほど高まるこの気持ち…どうすればいいんだろうね?

きっとこの事先輩に言ったら嫌われるし、本当の私なんか顔だけじゃなく性格も可愛くないし…。

この前何なら先輩に「最近胸が痛くてやってられませんよー。」って言ったからなぁ…。

先輩は冗談っぽく笑って「お?もしやそれは恋?」なんて言うから、思わず私は「いやーそれはないですよ~。」って言っちゃったけどね。

先輩の笑顔が本当に好きだ。

だけど笑顔見せられるたびに「これは恋じゃないこれは恋じゃない」って自分に言い聞かせるのも、本当に大変なんだよなぁ…。


そうやって先輩と少しでも話せるのはすっごく嬉しいんだけど、自分との格闘もあるから、意外と別の意味で成長できているのかも?

なーんて…ね。


しばらく続くこのしんどさ。

気づけばカレンダーの表示は12月に切り替わっていて、時間も深夜の1時を回っていた。


そういえば金曜日の帰り道、今週あまり話せなかったなぁなんて思いながら歩いてたら後ろから先輩きて驚いたなぁ…。

気が付けば話すきっかけっていつも先輩からで、自分から話す事はなかったんだよなぁ。

せめて自分から話せさえすれば、少しは可能性あるかもしれないんだよなぁ。

ちなみにその日は先輩がもう一人の先輩を引き連れてきたので、何の話かと思ってたら生徒会に入らないかという話題でした、はい。

私の想い人である三ツ谷雅治先輩は、生徒会長である。

生徒会に入れば、少しはきっかけあるのかなぁ…なんて。

そんな下心持ってたら生徒会の仕事なんて務まらないでしょ…。


きっかけは欲しいけれど、それで何かが壊れるのも怖い。

なんやかんや、恋はしたくないとか言いながら、いろいろ考えてるなぁ私。


いやいや、私のこの先輩に対する感情は推し!

決して恋なんかじゃない!

落ち着け、落ち着け冬瀬りん!


「月曜日もまた…話せたらいいな。」


そう一言、私はつぶやいた。


その日は星がきれいだった。

個人的大切な人と行きたい場所ランキング1位のところがあって、そこに先輩と行きたいなぁ…なんて。

そう考えている自分に、これは間違いなく「恋」なのだと、認めざるを得なくなった。

もしここまで読んでくださっている方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました!

初投稿になりますし、小説として書き上げたのは初めてですので、大変つたない文章になっていたかと思います。

もしかすると、このお話はまだ続いていくかもしれませんし、これで終わりかもしれません。


とにかく、読んでいただきましたこと、大変うれしく思います。

また機会がありましたら、ぜひともご覧ください。

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