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母の意地

私が働きだして間もない頃、数ヶ月だけとはいえ地元の隣県で生活していたことがあった。

その頃には私はあまり実家にも寄り付かず、可能な限りの接触を減らしていた。


しかし、会社の都合で荷物を実家からしか運び出せないことになっていたせいで、実家から隣県に荷物を送ることになった。そのために、私が隣県に住んでいることが知られてしまった。

また、荷出しの為に一度実家に帰っているせいで隣県のどこに住むかまで知られてしまっていた。



そして、隣県を出ることになり、新しい場所へ行くことになったのだが間に東京で研修が挟まれた。

隣県から東京へ行くには新幹線よりも飛行機の方が楽なため、研修がある日の前日へ東京に行くことに決めた。理由はもちろん、東京でのホテルは前日からしかとってくれていないからだ。


自分の足で空港へ行き、飛行機に乗って東京へむかう予定だった。

しかし、母は何故か見送りに行くと言いだした。隣県とはいえ、片道三時間はかかる。そんな場所に、しかも私を空港まで送ってくれるわけでもなく見送るためだけにくると言いだした。


正直、隣県での仕事は良いことは全くなく、楽しい思い出はなかった。更に、父母がきて見送りまで加わってしまえば二度と踏みたくない地になるとさえ思った。

だから私は、何度も聞いてくるメッセージを無視した。その頃には、すでにラインはブロックしていた。


地元は田舎で、隣県も勿論田舎だった。

田舎に住んだことがある人ならばわかると思うが、東京行きの飛行機など限られている。

私があまりにも教えないものだから痺れを切らしたらしく、飛行機を調べこの時間だろうといってきた。肯定も否定もせずにいれば、永遠と電話がかかってきた。

母は諦めずに、隣県まで来ていた。


空港で荷物を預け、どう時間を潰そうかとボンヤリ時計を見ていると見たことのある人物が二人、現れた。

心底恐怖でしかなかった。

私はほとんど喋らずに、二人と分かれを告げた。



東京につき、ホテルでゆっくりしているとAから、母と父が帰ってきたという報告をうけた。

母は、私が沢山話してくれたと嬉々として語っていたらしい。

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