友達
初めての出会いは高二のGW
最早出会いと言っていいのかもわからないが、いつの間にか一緒にいた。
ぼんやりとする時間は誰しもあると思う。
以前であれば、何も考えていない時間は虚無という位に無音の時間だった。
あの日を境に、頭の中で「死にたい」が止まない日はない。
読書をしているときは読んだ文字の羅列
勉強をしているときは、問題文や答え
LINEやTwitterをしているときは書いている内容や返答
そういったことを考えることは至極当然だろう
同じように、何も考えていない時は常に「死にたい」が脳内に蔓延する
最初のうちは、頭がおかしくなったのかと思った。
既にスマフォを持っていた私は検索もしてみた。
私の検索が悪かったのかもしれないが、まともにヒットすることもなく次第に諦めてしまった。そもそも、何か有害なわけではない。単に、他に考えることがなくなると頭の中をたった一単語が占めるだけのこと。
当時は恋人もいたし、まだ父母のことも親として信じていた、そもそも父母に何でも報告するのが強迫観念として義務化していた自分に”言わない”選択は存在していないはずだった。けれど、恋人には心配をかけたくなかった事、父母には言ったところで解決する事なのかが分からずに何も言わなかった。
今となっては言わなくて正解だったと考えている。
結局、どうしたらいいか分からなくなった私は、考える事を放棄し、頭の中に友達が出来たのだと思い込む事にした。
たった一言しか話せない友ではあるけれど、下手に怯えたり変えようとしたりするよりもマシかもしれない。その友との付き合いは長い。
しかし、実際に自殺を試みた事もない私からすれば、誰よりも裏切る事もなく、離れていく事もない、一番の親友なのかもしれない。




