第7話
母の寝息を聞きながら、微睡から覚める。
「 きゃは・・・・(そろそろ、呼称も儂からラインなどに改めるべきか・・・・ 」
「 くきゃ!(明細鑑定)」
>個体名:ラインハルト(仮)
>種族名:人間
>状態値:新生児 良好 (光魔法:プロテクト継続中)
>存在値:LV1
>体力値:35HP
>魔素値:1082MP (保有1086MP)
>スキル:魔力操作 光 水 土 闇 治癒
明細鑑定 早熟 肉体改造 念動
名前に(仮)が何とも言えない気がしなくもないが、まぁその内ハッキリするだろう。
何分、おなかが減った。
しかも、気が緩んだのか、大小あわせても出してしまっているので、オムツが気持ち悪い。
そのまえに、試したいことが沢山ある。
まず、体内で使用を控えていた火の魔法だ。
両手を天井に向けて、想像する。
何もないところに火球を作り出すには如何したら良いだろうか・・・・
「 ふぎゃぴぁあぶぶぶ・・・ (そうだ、大気中の酸素と水素を混合し、酸素か窒素を加圧すれば・・・)」
右手の先に水素を集める、量は自分の拳程度。
左手の先に酸素を集め、ぐいぐいと魔力で小さく圧縮していく・・・・
左手の先に豆粒ほどの光の玉が出来上がり、それを右手の水素と合わせると・・・・
「 ズバコン!! 」
『 ポーン 魔力操作ニヨル大気ヘノ干渉ト、ソレニ伴ウ爆鳴気ヲ観測 スキル【風】【火】ガ派生シマシタ 』
・・・・布団がすこし焦げた。・・・・ヤラカシタと思うより、爆鳴に驚き、条件反射で万歳をしてしまう。
母が驚き飛び起きるのが解る。・・・・驚かせて悪かったと思う反面、耳鳴りがしておりこちらもびっくりだ。
「 マーニ!! マーニ!! 来て〇×◆〇▽!! 」
腹の中で何度も聞いたマーニが駆け寄ってくるのが解る。
「 奥様!! 〇▽〇〇◆×□▲・・・・・!!? 」
布団が焦げているのをみて驚いているのが感じられる、他の人たちも駆け寄り騒々しい。
自分は抱え上げられ、オムツが濡れているのを知られると、即新しいものに取り換えられ少し気持ちがよくなるが、お腹が減っているので少々ぐずって見せると、直ぐに乳房を口にふくまされた。
「 ふぎゃ、ちゅぅ・・・・ちゅ・・・ 」
何とも言えない乳臭い香りと共に、口の中に液体が広がる。
大人たちが騒いでいるが、かまわず飲み続け、お腹がくちく成ると、眠りに落ちた。
・・・・
しばらくして、再び覚醒する。
周りには誰もいない。一人で寝かされているようだ。
「 ふぎゃぶぶぶぁ!(よっしゃ、次を試すぞ、明細鑑定!)」
>個体名:ラインハルト(仮)
>種族名:人間
>状態値:新生児 良好 (光魔法:プロテクト継続中)
>存在値:LV1
>体力値:35HP
>魔素値:1082MP (保有1086MP)
>スキル:魔力操作 光 闇 火 水 風 土 治癒
明細鑑定 早熟 肉体改造 念動
次は、何が取得できるだろう・・・・たぶん【木】辺りだろうか・・・・
体内で筋トレしていたおかげで、首を動かすことが辛うじてできる。
そかし重力に捕らわれ、手足を動かす以外に寝返りを打つこともままならない。
「 ふぎゃ(念動)」
無理やり魔法で体を持ち上げる。意外といける・・・・
柵付きの寝床の様だが・・・・手で触れて感触を確認し舐めてみる。
『鑑定結果:木製品 不安定な状態から揺り篭と思われる。』
「 きゃはあぶぶ(しめしめ木が手に入ったぞ)」
まずは、動けない状況がいただけない。
重力に対抗する反力を念じ、次第に強く念じてゆくと体が浮き上がる。
そして柵に掴まると、手ごろな大きさを自分に引き寄せるよう念じる。
スコ!
両手には5cmほどの木の棒が・・・・意外と簡単に手に入れることが出来た。
その木の棒にありったけの魔力を注ぎ込む。
「 ぬぐぐあぶぶぶ!! (とりあえず自分の魔力で満たしたらどうなるか!! }
すると木の棒が柔らかく曲がり始め、手で捏ねると粘土の様に丸く形を変えた。
『 ポーン 魔力ノ操作ヲ感知 重力ニ対スル干渉 木材ニ対スル物体変化ヲ感知 スキル【木】【重力操作】ガ派生 スキル【木工】ガ発生シマシタ。』
「 ふぎゃ!(明細鑑定)」
>個体名:ラインハルト(仮)
>種族名:人間
>状態値:新生児 生後0ヶ月 良好 (光魔法:プロテクト継続中)
>存在値:LV2
>体力値:36HP
>魔素値:599MP (保有1106MP)
>スキル:魔力操作 光 闇 火 水 風 土 木 治癒 重力操作
明細鑑定 早熟 肉体改造 念動 木工
光魔法と並列して複数の魔法を使ったためか、ゴリゴリMPの上限が増えていく。
ただ、魔力を無駄に使いすぎたのか、睡魔が襲い掛かり、そのまま仰向けに倒れこみ寝てしまった。