41話
隊長を連れてきた騎士は苦労したようだ。
門の前は身動きが取れないような人混み、隊長の居場所を他の騎士に訪ね歩き訪問者の整理や揉め事の仲裁に駆り出されて離宮の丘の麓まで降りていた隊長の元に辿り着き、漸くラインハルトの使命を果たすことが出来た。
結果的に時間がかかりアインツハルトは頭の毛が抜けて禿に成るのではという思いをしたのだが、それでも最速で隊長を読んできたのは褒めてあげて欲しい。
「 ラインハルト様、その・・・遺体を引き取りたいというのは誠でしょうか? 」
「 あい! 」
隊長としても、もの言わぬ死体は浄化して埋葬処分するくらいで、利用価値はない。いやむしろ手間だ。
それを解剖実験に利用するという新生児へ隊長は自己の権限で譲渡した。
ラインハルトは、遺体の頭に手を翳すと、次々と異空間収納に収めてゆく。
傍から見ると遺体が次々と消えてゆく、全ての収納が終わるのに3分も掛からなかった。
一息ついたところで騎士が少女と初老の男性を連れてやってきた。
「 ラインハルト様、小姓の妹、クラリス嬢とドミエツエル宰相閣下がお越しです。 」
・・・一瞬、王家相手に先ぶれを出すのが普通では?と思いながらも宰相を神眼鑑定する。
>個体名:マルク・ドミエツエル
>種族名:ヒューマン ♂
>称号 :宰相
>二つ名:手段を択ばぬ為政者 王妃の犬
>状態値:42歳 動揺・憤怒・疑念
>存在値:LV38
>体力値:▼120HP
>魔素値:▼115MP
>魔道系スキル:なし
>創作系スキル:なし
>操作系スキル:恫喝 教唆 暗示 誘導尋問 速記 転記 算術 語学
>強化系スキル:聴覚強化
>耐性系スキル:精神攻撃耐性(弱) 毒物耐性(弱)
>探査系スキル:なし
>特殊系スキル:書類改竄 筆跡模写
・・・この時点で既に信用できない人物だな。
神眼鑑定で経歴も覗いてみようか・・・
『 元シルバウム公国外交官 手段を択ばずあらゆる手を使い今の地位を得る。
アンドロメダ王妃とは見習い外交官時代から面識があり、経済的支援を受け汚れ仕事や暗躍に勤しんでいた。狡猾でこれまで証拠らしい証拠は残しておらず、限りなく黒に近いグレーのラインを歩んでいる。 』
次にクラリスを神眼鑑定・・・
>個体名:クラリス
>種族名:獣人 ♀(カイザーウルフ:希少種)
>称号 :なし
>二つ名:なし
>状態値:児童 4歳 好調
>存在値:LV3
>体力値:▼25HP
>魔素値:▼22MP
>魔道系スキル:回復 自己回復強化
>創作系スキル:なし
>操作系スキル:遠吠え(ハウリング)
>強化系スキル:遠見 暗視
>耐性系スキル:毒物耐性(弱)
>探査系スキル:嗅覚探知 気配察知
>特殊系スキル:野生の感
『 ソレイユと別れ孤児院で寂しく過ごしていたが、先日兄と会えると分かりテンションが振り切れている。天真爛漫 両親を亡くした時” 治してあげたい ”と強く願ったことにより回復系のスキルが生えた。 』
・・・なる程・・・
「 にーにー!! 」 ソレイユに飛びつくクラリス。
それを見てニヤリと笑う宰相の顔がラインハルトの眼に焼き付いた。




