32話
『 みなしゃんは ”まりょく”とは、なんだど おもいましゅか?! 』
聴衆を見渡すが、キョトンとした表情、口は半開きの者、何を今更と者に構えた人々で埋め尽くされていた。
『 このしぇかいのひとびちょは、おおかれしゅくなかれ まりょくをもっていましゅ。それにまりょくにはぞくしぇいはありませしぇん。 』
ラインハルトは右手を突き出し手のひらを上に向けると、コップ一杯分の水の球を顕現させた。
途端に観衆は目を見開いた。 それは無詠唱で魔法を行使して見せ示したためだ。
『 わたくちにとって、じゅんすいなまりょくのみでは こんなものでしゅ。
しかし、” みじゅ ” とはなにか?をしっていれば、このようになりましゅ 』
掌のうえの水の球がドッと直径1m程の水球に変えて見せた。
観衆の半開きの口が、大きく開かれた。その表情は 驚愕・困惑・疑惑と様々な物が混じって居た。
『 このへやには、おおくのひとがいましゅ、そのといきからは めにみえない みじゅがはきだされているのでしゅ。』
左手を突き出すと、水球が一気に靄になり立ち昇り、空中に真っ白の靄のような巨大なスクリーンが作り出された。
『 では、くうきをかくだいして みてみましょう 』
スクリーンに講堂の中空が映し出される、それがどんどん拡大され周囲がぼやけ、空気中の塵が巨大化しては通り過ぎ映像は更に微細な水球を捕らえた。
『 もう ” にくがん ” ではみることができましぇんが、これが くうきちゅうに ふゆうしゅる みじゅのつぶでしゅ。 おおきさは0.001ミノメーテルから0.01ミノメーテルでしゅ。』
小経が理解できているかどうか、ラインハルトは観衆をみわたす。
『 みなしゃんのなかにも、あさもやのなかをあるいて、ぐっしょりぬれたかたもおられるでしょう。これがそのしょうたいです。そしてこんなちいさなちゅぶでもかなりの かぢゅの ” みじゅ ”があつまったものです、ではさらに みてゆきましょう。かんていのスキルがあるしとは、めにまりょくを こめて、もってないしともおなじようにまりょくをめにあつめてくうちゅうをかんさつしてみてくだしゃい。 』
お髭先生は、最前列で目を充血させ恐ろしい勢いで言葉と映像のスケッチをトレードマークの大きな本の白紙のページに書き込んでいる。
鑑定持ちの人々からは、「確かに水かある」だとか、真剣に空中を眺める人からは「鑑定が生えた!!」とかちらほら聞こえる。
映像は水球をさらに拡大してゆく、しばらくは水面のような物が映し出されるが次第に画面が暗くなり無数の粒が蠢くそのうちの一つにクローズアップされる。それは三つの粒が一緒にくっついたもので画面も随分不鮮明にになっている。
『 これが、みじゅの さいしょうたんい みじゅぶんしでしゅ。みていただいたとおり、これがおそろしいかずあつまり かわや みじゅうみ うみになりましゅ。
では、みじゅとはなにでできているか?をみてみましょう。 』
もう電子顕微鏡レベルの域に達しているが魔法とはすばらしい微小な原子までしっかりととらえそれを拡大してゆく。
そして水分子の一つの原子を捕らえた。
『 これが、もののさいしょうたんい ” げんし ”です。こんかいは みじゅをつくるげんし すいそげんしにちゅうもくしてみましょう。』
ノイズが多く見づらいが中性子と陽子と電子が見えるが、その他にキラキラと周りを漂う物質が目に入る。
『 すこし みじゅらくなりましたが、これが ” げんし ”です。 そしてちゅうもくしてくだじゃい。 げんしのまわりをただよう キラキラしたもの これがまりょくのおおもと まそでしゅ。』
観衆から底に響くような呻き声が漏れる。
最前列のお髭先生は、猛興奮状態で今までの説が掛かれているページを破り捨て、黙々と言葉を描き綴ってゆく。
『 これがさいしょのとい のこたえ まりょくとはまそのあつまりである でしゅ。
なかには がくしゅうねっしんなかたも おられましょうが、” まそ ”については ” そりゅうし ”にもとづく おはなしになりますので かつあいいたします。
そして、しょかいとくべつこうぎに さんかしていただいたので サプライズプレゼントでしゅ。
みなさんは みじゅについて まなばれました。
ではもうつかえるはずです。 むえいしょう、たんしゅくまほうを。 』
ラインハルトは 右手の人差し指をたて呟く。
『 こに有れ! 』
指先に ビー玉サイズの水球が現れる。
『『『『『『 こに有れ! 』』』』』』
観衆から驚愕と歓声、お髭先生は10本の指に全て水球を作り燥いで居る。
講義をきいたものは無詠唱、短縮魔法に成功したものが大半だったようだ。
騒めく観衆に向かってラインハルトは語り掛ける。
『 かんていと、まほうには、みっしぇつなかんけいにあります。みなさんのけんきゅうにさちおおからんことを! これにてしょかいこうぎはしゅうりょうでしゅ。 』
ラインハルトはポウさんをかかえポクポク幕間に下がっていく。
幾つもの手が上がる中、ガン無視で拍手喝采を背に次のお披露目会に向かうのであった。




