第24話
ストックが切れたので誤字脱字があったらごめんなさい。
あれよあれよという間に、お髭先生が先陣を切って進んでゆく。
離宮の近くにある森の隅、大岩がそそり立つ場所に辿り着き、「 ここで良かろう 」などと独り言ちている。
「 さて殿下、そなたの力を存分に見せて見せよ! 何、儂が付いておる気にせずに好きに魔法を使用してみるが良い! 」
小さな爺様が甲高い声で胸を張ってこちらを振り返る。
「 いい? 」
一応、母に了解を取る。
すると、母は戸惑いがちに頷いた。
了承はとった。手加減なしにやってみるか・・・・
「 殿下何をしておる? ・・・・そうか手本がいるのかの? では儂の魔法の真似をしてみるが良い。」
「 我が魔力を之に、炎を纏いしその力を示せ、コール!ファイヤーボール!! 」
そう言い放つと、お髭先生は、手のひらを天にかざし火球を作り出す。
ゴブオォォォ!!!
自分より二回りほど大きな火球を頭上に浮かび上がる。
火球は渦巻周りの空気を吸い込みながら球体を成形、その熱が辺りを照らし一気に気温が上がる。
「 では、あの大岩に放ってみるが、よく見ておれ! そぉれぇ~~!!!」
お髭先生は両手を掲げ、火球を投げるように大岩へ向け、両手を振り下ろした。
火球はその動作に合わせ、大きな岩でも投げるように放物線を描きながら大岩へと飛翔する。
グォォォォォ・・・・・・ ズモモモモォォオオオォォ!!
大岩に大きな火球が直撃し、赤褐色に焼けてゆく。
ゴオオオオオォォォオオオオォオオオ・・・・
内在されている魔力が尽きるまで大岩が焼かる。
表面が陶磁器の様に焼け爛れガラス状になっいった。
衛兵や女給、母やマーニまで拍手している。
「「「「「 流石でございます!!」」」」」
過去の戦争などで敵の多くを焼き尽くした火球である。二つ名の元にもなった由来の火球を見ることが出来、ギャラリーの反応は上々だ。
そんなお髭先生が、ラインハルトを見つめる。
「 次は殿下が行う番じゃ! めいいっぱいやって見せぃ! 」
「 あい! 」返事良く魔力を練り始める。
一応振り返り母を見ると、手を叩きこちらを応援している。
・・・・これは本気を見せなければ・・・・などと気合を入れてみた。
お髭先生同様、手を天に突き出す。
・・・・ドン!!・・・・
お髭先生の二倍ほどの火球が上空に出現した。
・・・・ちょっと大きすぎた・・・・圧縮!!・・・・
火球が一気に縮、お髭先生の物より二回り小さくする。
圧縮のせいで温度が上昇し、橙色の火球が青白く変色した。
両手を天に突き出し、新たに魔力を継ぎ足す。
コオオオオォォォォ・・・・・
炎に酸素が供給され、ガスバーナーを絞ったような音を上げる。
それに推進力を与えるため柄が生え、大岩に向けて爆炎を噴き出す。
ボォフォォォ・・・ドン!・・・・・
一気に推進力を与えた為、空震を起こして大岩に飛んで行く。
ボゴオオオオォォオオオオン!!
ゴボボボボボ、ズズゥウンン!!!
大岩に火球が接触すると同時に高圧の火球が大岩を溶かすがその衝撃を殺しきれず、地面に埋もれた大岩の倍以上もある基部が掘り起こされ、後方へと倒れていった。
「「「「「 ・・・・・・ 」」」」」
拍手が鳴りやみ、ギャラリーが静寂に包まれた。
「 ・・・・殿下、いや賢者殿、先の火球は如何様に飛翔したのじゃ?! 」
目をキラキラさせながら、お髭先生が訪ねてくる。
「 あい! ギューッとちじめたでしゅ! とぶ力もたしたでしゅ! 」
お髭先生は大きな本を開き、火球の項目と思われるページにガリガリと何かを追記している。
「 ・・・・これはもっと精密に調べる必要がありそうじゃの・・・・それはさて置きファイヤーアローを放ってみせい・・・・おっと、手本じゃの?!」
嬉々とした表情でお髭先生は、詠唱を始める。
「 我が意を得たり魔法の矢よ、その的を違わずに射貫け!コール ファイヤーアロー!!」
お髭先生の頭上に、5本の炎の矢が出現する。
形状は見知った弓矢を彷彿させる、鏃と矢羽の付いた普通の矢。
・・・・神眼鑑定・・・・矢の出現と共に鑑定スキルを起動し、矢の構造とその後の軌道を確認する準備をした。
鏃に魔力が収束し、矢羽に魔力が補給されていく。
その直後、強弓で放たれたような速度で飛翔を開始した。
神眼で矢羽を構築する魔力が魔素へと還元され、後方へと噴出しているのが解る。
推進力は矢羽分、推進力は矢が消失するまでの間持続されるようだ。
ヒュヒュヒュン!!
風を切りながら、炎の矢が大岩へと向かい、大岩の表面を砕き爆ぜさせてゆく。
「「「「「 わぁあああぁぁ!! 」」」」」
歓声と共に、拍手が沸き起こる。
自分の時と違う反応に、ちょっぴり寂しさを感じていると、お髭先生が声を掛けてきた。
「 次は賢者殿の番じゃ! ぜひ貴殿のファイヤーアローを見せて下され! 」
母を振り向くとちょっと焦った感じで、拍手を辞めて頷く。
これも本気で行っていいわけか・・・・では、改訂版ファイヤーアローのお披露目といこう。
ラインハルトは頭上に手を翳すと、30を超える火の玉が浮かび上がる。
それを圧縮し棒状に成形、その時点で火力が上がり青い焔の棒状へと変化する。
まだ、魔力糸は繋がっている。
更に魔力を送り込み鏃部分にコボルトの魔石クラスの魔力を集積・矢羽を形成し推進力の補助となる魔力塊を取り付けた。
数十の矢に、いや矢にしては短くボルト状に近い火矢にホーミングを重ね掛けする。
そして、いつもの様に自分の周りの高速で周回させ始めた。
「「「「「 おぉおおお 」」」」」
ギャラリーが数歩退く。
青い閃光がリング状に輝き、旋回しながら次第に加速してゆく。
魔力糸の制御を外れ暴走する限界まで加速すると、火矢は通常の視力ではとらえることが出来ない程の速度となり、ラインハルトを中心とする大きな青いリングと化した。
「 はなちましゅ! 」
制御下ギリギリのところで、大岩に向けて矢を開放する。同時に矢羽を起爆とし更に加速する。
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ~ン!!!!
屋の先端が音速を超えたのか、破裂音を伴い光の筋となって大岩へと飛翔した。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・
近くの森の鳥たちが音と衝撃で、一斉に飛び立つ。
白煙をもうもうと上げる大岩。
すべての火矢が命中し、結構離れている大岩から熱を感じる。
風が大岩の白煙を舞い上げるが、煮え立った岩からその煙がなかなか立ち退かない。
仕方がないので、温度変化で無理やり冷却する。
風が白煙を払い、大岩が次第にその姿をあらわにする。
煙が消えた大岩・・・・そこにはハニカム構造(ハチの巣)状の穴が穿たれた奇妙なオブジェが佇んでいた。




